インタビュー

新垣結衣さん(森山みくり役) Part.2

『逃げるは恥だが役に立つムズキュン!特別編』の再放送 (2020年5月放送) などもありましたが、どのように思われていましたか?

新垣:何年経っても喜んでいただける、楽しんでいただけるというのは本当にうれしいことだなと思いましたし、あの時期に出来ることがあるというのがうれしくて。新しく撮りなおした“リモート恋ダンス”も一生懸命頑張りました。

星野:放送が終わってから毎年再放送が年末年始にあったので、ムズキュン特別編が今年放送されると聞いて「飽きられてないかな、大丈夫かな」と不安に思っていた部分もありました。ですが、予想を上回る大反響をいただけて、新しく恋ダンスもリモートで撮りましたが、その反響も大きかったので、喜んでもらえたことがすごくうれしかったですし、自分も元気をもらえたような気がします。

改めて、お二人にとって“逃げ恥”はどんな存在ですか?

新垣:連続ドラマの放送時にも思っていたのですが、色々なパーツといいますか、パズルのピースがカチっとハマったような感じがしていて…、なおかつそれを作る側としてもすごく楽しんでいましたし、観てくださる方も本当に楽しんでくださった作品だと思っています。より多くの人に受け止めてもらえたというのもうれしいことでした。星野さんはどうですか?

星野:僕にとっては…、一言で言えない感じもあるんですけど…。

新垣:難しいですよね。

星野:うん。今の自分があるのは “逃げ恥”があったからこそだと思います。自分の役者としての仕事もそうですが、音楽家としても主題歌をやらせていただいたことでいろんな人に認知してもらえましたし、それがきっかけで様々なことができるようになったので、今の自分がいるきっかけという感覚があります。

『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』の放送が決まった時の気持ちはいかがでしたか?

新垣:連続ドラマが終わった直後から「次をやりたい」というのはなんとなく聞いていて…、「いつかな、いつかな」と思っていたので、「ついに来た!」と思いました。4年という月日が経っているので、どういう風になるのか予想がつかなくて、それが楽しみでもありちょっと不安でもありました。でもこれまで作り上げてきたドラマ“逃げ恥”の世界というか、この二人がまたどうやって新しい問題に向かっていくのか見てみたい気持ちが私自身にあったので、楽しく撮影に臨みました。

星野:「やるかも」「やらないかも」というのがずっと何年も続いていて(笑)。いろんなところで「やるんですか?“逃げ恥”の続編」と聞かれても「本当にわからないです」と答えていたんです。今回決まったのも…結構最近だったよね。

新垣:「本当にやる?」みたいな(笑)。

星野:「多分やると思います」という話を伺ったのが、『MIU404』というドラマを撮影している時だったと思うのですが…。そのあと「やります!」と確定したと聞いて。『MIU404』が結構スケジュール的にハードな撮影だったので、これが終わったら“逃げ恥”があるんだという思いで頑張れたという記憶はあります(笑)。
“逃げ恥”はとても楽しい思い出があったので、楽しい撮影になるんじゃないかなと思ったら…“逃げ恥”も結構大変でした(笑)。

新垣:ギュっギュっと(笑)。

星野:スケジュールがギュギュっとなっていたので…。でもどちらもすごく楽しかったですね。『MIU404』からの“逃げ恥”はどう自分の中で移行できるかなと思っていたのですが、違和感なく移行できました。

野木亜紀子さんの新春スペシャルの脚本読んでみていかがでしたか?

新垣:結構盛りだくさんだと感じました。今回はプロットの段階から読ませていただいたのですが、それが稿を重ねる度にどんどん削られていき…(笑)。もちろん原作を元に書かれている部分もあるんですけど、オリジナルな部分もあって。話の繋げ方がさすがだと思いました。

星野:役者の立場だとプロットの段階からいただいて、初稿になって、決定稿になっていくという流れを全て見ることは中々ないんですけど、今回は全部見せていただくことが出来たんです。最初の台本をもらった時、後半がプロットのままだったのですが、野木さんの気持ちがト書きに入っていて、「ここはこういう風になると思う!」みたいな感じがめちゃくちゃ面白くて。その1シーン3行くらいで説明されていたものが、決定稿として上がってくると、当たり前ですが説明以上の深みがどのシーンにも出ていて、さらに面白かったんです。盛りだくさんだったので、どうしても放送時間の関係で削らなきゃいけない部分が多く、それが少しもったいないなと思いつつ、2時間25分スペシャルなので相当見応えがあると思います。

新垣:最初の予定よりも長くなりました?もしかして。

星野:なりましたね。最初2時間くらいって聞いていました。

新垣:2時間25分、全部とっても大事なシーンをぎっしり詰めましたということですね。もうどこも削れないという。

星野:そうですね。

「逃げ恥に戻ってきたな」と思った瞬間はありますか?

星野:スタッフの皆さんが連続ドラマの時と一緒だったので、“帰ってきた”というのをすごく感じました。現場の技術チームの皆さん、プロデューサーさん、そして監督の金子さんも含めほとんど一緒だったので。あと僕はみくりさんとのシーンより先に古田さんと藤井さんとのシーンを撮っていたんですけど、そのシーンですぐに藤井さんが面白くてしょうがなくて! 連続ドラマのDVD BOXに「2人のアドリブに耐えられない集」が入ってるんですけど、「今度こそは耐えるんだ!」と思いながら撮影に臨んだら、一秒も耐えられなかったです(笑)。新鮮でした、2人の面白さが。また新しいステージに上がられてましたね(笑)。ぜひ期待していただければと思います。

新垣:それが「帰ってきたな」と思った瞬間?

星野:そうです、帰ってきたな!って(笑)。

金子監督は、新垣さんのクランクイン日に「(新垣さんと星野さんの)2人がみくりと平匡で泣きそうになった。カットがかかってすぐに2人の元に駆け寄ってしまいました」と仰っていましたが、新垣さんは「帰ってきた」と実感されましたか?

新垣:クランクインの日は平匡さんと一緒のシーンではあったのですが、セリフがほとんどなくて、正直“帰ってきた感”は感じにくかったんです。ですが、そのように監督やスタッフさん、平匡さんたちが「みくりさんでした!」って仰ってくださって、「そうなんだ」とホッとしました。自分で実感したのは津崎家のシーンで、平匡さんとダイニングテーブルで向かい合って話している時に「あ、“逃げ恥”に帰ってきたな」というのを感じました。

今回から新たに登場するゲストの方々のご印象はいかかでしたか?

新垣:今回はスペシャルなので、皆さんが出演してくださるシーンってどうしても短くなってしまっていて、それが本当にもったいないなと思うくらい豪華なゲストの皆さんです。新春スペシャルという感じがとてもしました。一緒に撮影ができていない方々もいるんですよね、百合ちゃんのエピソード部分(に出られている方)とか。

星野:結衣ちゃんも会ってないんだ、西田(尚美)さんとか。

新垣:会えてないんです。

星野:僕も会えてないや。

新垣:連続ドラマの時もそうでしたが、各ブロックでエピソードがあるので、今回もそれが楽しみです。

星野:僕のパートには青木(崇高)さんがゲストで出てくださっていて、青木さん以外のゲストの方とは全く会えてないので放送で見るのが楽しみです。青木さんは今回“敵”のような存在なのですが…、でもとても良い役なんです。青木さんのお芝居も本当に素晴らしくて、ご一緒出来てすごく楽しかったです。“イヤな奴”を演じてくださっているんですけど、そのイヤな奴がステレオタイプというよりは青木さんにしかできない感じになっているので。

新春スペシャルで印象に残っているシーンはありますか?

星野:色々ありますよね。

新垣:全部見てほしいです!

星野:ね、全部見てほしい。

ちなみに金子監督は「手を振るシーン」とだけ仰ってました。

新垣:あぁ〜!

星野:でしょうね!

新垣:手を振りすぎて筋肉痛になりました。

星野:僕も僕も。

新垣:なにか分からないですよね(笑)。あともうひとつ筋肉痛になったシーンがありますよね。予告にも入ってるんですけど、お互い初めての事に向き合っていて、お互いにモヤモヤが爆発するシーンみたいなのがあって。

星野:家の中のシーンですね。

新垣:「泣きたいのはこっちですよ!」「辛い〜!」って言っているあのシーンも、今までの関係性ではなかった、子供ができて籍を入れてという今だから生まれたシーンですよね。

星野:2人の関係性がまた進化して生まれたシーンですね。

新垣:普通だったらもっとシリアスになりそうなところを“逃げ恥”の世界だったらこういう風にやりたいなというのを一生懸命探りながら演じていたら力が入りすぎたのか筋肉痛になりました(笑)。

星野:体力を使いましたね。僕は平匡がみくりのお腹に話しかけるシーンがあるんですけど…。

新垣:可愛かったです。

星野:その時のみくりさんを見てほしいです。すごく可愛いので!平匡は多分変にしか見えないと思うんですけど(笑)。
新垣:一生懸命で可愛かったですけどね。

星野:それならよかったです(笑)。

新垣:ほんわかとした気持ちになれると思います。

今回も恋ダンスを期待していいですか?

星野:プロデューサーさんが腕をブンブンに回しながらリアクションしてくれたので、恐らくしっかり放送されると思います。ドラマ本編の撮影期間を終えてから撮影しましたから。

新垣:恋ダンスのために集結しました。

練習はどれくらい?

新垣&星野:撮影当日のみですね!

星野:当日にしました。

新垣:乞うご期待いただければと。

星野:まだ僕らも見れていないので、どうなっているのか楽しみです。

新春スペシャルに向けてメッセージと見どころをお願いします。

星野:年始のスペシャルドラマって普段の連続ドラマやスペシャルドラマとはまた違った気合の入り方で、めでたくありたいというのがあると思いますし、観てくださっている方に元気になっていただきたいなと思っています。“逃げ恥”なので、いろんなメッセージがありますし、ただ楽しいだけでなく、演じていてもすごく精神的にくる場面もありました。全部観終わった後に、このタイトルの意味を分かっていただけるんじゃないかなと、そんな作品になっているので、必ずリアルタイムで見ていただきたいです。

新垣:撮影が始まった時は息抜きになればいいなと思っていたのですが、そういう気持ちもありつつ、これからを生きていくために、毎日を過ごしていくために、ちょっとした活力になればいいなと思いながらいろんな方向に愛情を込めて撮影しました。ぜひそれぞれの場所で無事に新年を迎えて、多くの方に観ていただけたらなと思います!

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