インタビュー

星野源さん(津崎平匡役)

出演オファーが来たとき

お話をいただいたのは去年 (2015) の冬頃で、金曜ドラマ 『コウノドリ』 の撮影が終わった後でした。『コウノドリ』 の那須田プロデューサーと峠田プロデューサーから撮影が終わった直後に声をかけていただいたことが本当にうれしかったです。
またご一緒できることがすごくうれしかったですし、次回も漫画原作だということを聞いて、すぐに買って読んだのですが、あまりにも面白くて!一年間、津崎を演じることがとても楽しみでした。

台本を読んで

原作の漫画を読ませていただいてから、1話の準備稿 (台本の1つ手前の仮台本) をいただくまでに半年以上あったので、どんな感じの脚本になるのかな、と楽しみにしていました。ようやく手元に届いたものを読んだら本当に面白かったです!
漫画って1話が短いですよね。その長さのものをどうやってドラマで見せていくのだろうと思っていました。読んだ台本には原作にないセリフもあって、その部分も含めてすごく面白かったです。密度がすごく濃くなっていました。あと、人間関係の微妙なニュアンスがさらに振りかけられていて、かつコメディタッチで、本当にこの津崎を演じられることができてうれしいなと、改めて思える台本でした。

台本を読んで、印象深かったシーンは?

平匡がお父さんの話をして、みくりが 「どんな人なんですか」 って聞いたら、津崎が少し黙って話を変えるシーンがあるんです。平匡の様子にみくりも 「あぁ。そこはツッコんじゃいけないんだな」 と悟って、すぐ違う話にもっていってくれる。そんな2人のやりとりが好きでしたね。先日そのシーンを撮りましたが、新垣さんのお芝居も本当にナチュラルで、実際に何かを察したら、そうするだろうなというお芝居だったんです。それがすごくステキでした。2人の関係性が、セリフで説明しないところでもできていたのがすごく印象的で。すごく好きなシーンですね。その後、その雰囲気がどんどん響いてくるんです。そういうところの積み重ねで、その後の二人の関係が生まれるんだと思うと、とても素敵ですね。

新垣結衣さんの印象

会うまではキラキラしたスターというイメージだったんですが、実際にお会いしたら、すごく普通の可愛い女の子で。それがとても素敵だと思いました。大スターなのに、まったく気取っていないし、話しかけたらフレンドリーに話し返してくれるし、かといって人の領域に踏み込むようなことも決してしない。普通ということを忘れない人。すごく素敵です。

みくりと津崎は契約結婚をしますが…

契約結婚、いいと思います。このドラマの中では恋愛に発展していきますが、発展しないままでもいいと思いますし。
今、『真田丸 (NHK)』 に出演しているのですが、その時代は好きな者同士で結婚することは、なかなかできないことでしたよね。なので、契約結婚というのは、むしろ古風なのかもしれないですね。

ご自身の結婚願望は?

少し前まではなかったんですが、今年からまた復活しました (笑)
なぜかというと、このドラマに出演させていただくことになり、なんとなく役のことを考えながら過ごして、その中で主題歌もやらせていただくことが決まって 『恋』 というタイトルにしようと決めて、ラブソングを書こうと思っているうちに、「あれ?今、結婚したいかもしれない」 みたいな (笑)。「恋」 について考えているうちにどんどん恋モードになってきてしまいました。結婚したくなってきました (笑)

理想の結婚生活

楽しいのがいいですね (笑)。周りで結婚している男性陣からは、ツラい話しか聞かないんですよ。「(妻が) 今日話してくれなかった」 とか、「帰ったらご飯がなかった」 とか (笑)。そんなにツラいものだったの !? という。だからツラくない結婚をしたいです (笑)!それだけです!

仕事×恋愛

お話の中では仕事と、恋愛要素が混ざり合って展開されますが、このドラマでいいなと思うのは、生活があるところ。生きるために二人が選択したことが恋愛に繋がっていくところがすごく好きです。
今回、主題歌が “営みの街” という言葉から始まるんですが、やはり人間が生きていくうえで仕事はすごく大事なことだと思いますし、仕事と恋愛が自然な形で同居していて、密接に関係しているところがすごく面白いドラマだなと思いました。
平匡は恋愛にずっと気づかないんですよね。周りが気づいているのに自分だけが気づいていない (笑)。「お前、なにやってんだよ!」 と、観ている人が言いたくなるような人なので、演じる上で気づかないようにしていきたいです (笑)

主題歌をご担当されることについて

僕は、作品の主題歌をつくるときにはいつも、ドラマなり映画なり作品の要素を必ず入れたものをつくっています。ドラマの成分と、自分が今やりたいところを合致させたら、すごく楽しい曲になりました。
「夫婦を超えてゆけ」 という歌詞でサビの部分が終わるんですけど、書いていて一番気持ちよかったところでした。今回の 「恋」 は、全部の人に当てはまるラブソングにしたいなと思っていて、例えば対異性でもいいし、対同性でもいいし、それこそ結婚していてもいいし結婚していなくてもいい。例えば作品の中のあるキャラクターを大好きだっていう関係でもいいですし、対動物でも。
今、僕たちが当たり前だと思っていたことが、どんどん変わってきている時代だと思います。ドラマの中でも夫婦という制度が揺らいでいますが、今後この作品のように様々なスタイルが生まれていくんだと思います。そういう意味も込め、すべての人に当てはまるラブソングになっていると思います。

津崎を演じる上でどんな風に演じたいですか

津崎は、ドラマの脚本の中では、とくにまっすぐな人。まっすぐで、誠実で、やっぱり臆病なところもあって、それで 「プロの独身です」 って言うようになってしまう。
すごくいい奴なんですよ。コメディなんですが、茶化して演じる気にはならないです。真面目に生きているからこそちょっとおかしく見えるようにしたいなと思います。
でも、津崎ってヒロインポジションですよね (笑)。だから僕もヒロインになれるように頑張りたいと思います (笑)!

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