2015年4月期連続ドラマ毎週日曜よる9時

インタビュー

郷ひろみさん(粟野慎一郎役)

撮影を終えて…

お話をいただいてから撮影が始まるまでが僕にとって一番大変でした。
いただいた台本を読み進めていくと、お話が本当におもしろくて、その本の中に自分が出演するということは重責だな… と、それだけでハードルが高かったのですが、こともあろうに演じる役柄がフランス駐在の日本大使・粟野で、フランス語を話せなければいけない… さらにハードルが上がって、このハードルの高さは世界記録に匹敵するんじゃないかと思いましたよ (笑)
そういったことを撮影に入る前に考えながらも、できるだけその日までに自分のキャパシティを広げておきたい、という思いがありました。自分が要望されていることと、僕自身がやろうとしていることが違うと、みなさんに迷惑かけてしまうのではないかなと思っていたので、できるだけ自分の間口を広げ、石丸プロデューサーやディレクターの要望に応えられるよう、言われたことを演じられるよう、つくりあげてからいかないと… と思っていました。
今回、チャンスをいただいたことで、少し忘れかけていたチャレンジ精神を見つけることができました。僕の中でも素晴らしかったのは、石丸プロデューサーと出会えたこと。人との出会いは、自分の人生を変えるくらい大きいものになっていくことがあります。今回、この作品に出演することは、ビックチャンスだと自分のなかで捉えています。これをキッカケに、違う世界を開けたら、これからの自分の人生が大きく変わってくるだろうと思っています。自分では、それぐらい大きなものになったという意識もありますし、それくらい大きなものを与えていただいたと思っています。

24年ぶりの連続ドラマですが…

僕のなかではブランクはあまり感じていなかったのですが、撮影の形態や手順は以前と変わっていたところがありました。
けれど、僕が今まで何もしていなかったら話は違ってきたと思いますが、ずっとステージに立ち続け、コンサートであれば20数曲歌いますし、その一曲一曲を自分自身もどこか演じているというか… その曲のシーンになりきらなければいけないところがあるので、ドラマに出演するにあたり、ブランクというのは、特別感じられなかった気がします。
とは言え、セリフを言って動きをつける… というのは歌うこととはまったく違います。
レコーディングしているとき、ディレクターがディレクションをしてくれるように、やはり今回もプロデューサーやディレクターがディレクションをしてくれたことが本当に良かったと思います。お互いに話し合って、自分で理解できることもあれば、できないこともある。自分の範囲を超えているところも出てくるので、今回はとくにプロデューサーとディレクターに導かれて演じることができたなと思いました。

フランス語の台詞があるようですが…

僕自身、今までフランス語はまったくの未経験でした。
台本を読むと、とにかく大変な台詞量を話さなければいけませんし、なおかつフランス駐在の大使なので、ネイティブレベルのフランス語を要求されています。中途半端にはしたくなかったので、どこに行っても、ずっとフランス語の台詞を聞いていました。
基本的に僕の考え方は、「100%言われたことはやりたい。けれど、100%できたらあとは本番で大丈夫と思うことは、僕のなかでは、ない」 んです。
100%までできたら、それから上は “隙間を埋めていく作業” に入る。「できた」 という段階でも 「あれ?」 と何かに気付くようになるんです。それが “隙間を埋めていく” ということ。それは100%を越えないと見えてこない。だから100%で満足してしまうとダメなんですよね。
フランス語もどこかの段階で 「できたかも」 と思いました。しかし、それでもやり続け、ふとスペルを見ていて 「この単語にはVがあるな。Vは下唇を噛んで発音するな」 と気付くことで発音がどんどん変わっていきました。それが “隙間を埋めていく” ということです。撮影に入るまでが一番大変で、終わりが見えなかったというのはそういうことなんです。
とにかく、朝起きてすぐフランス語を聞いて、お風呂に入るときも寝るときも聞く… 台本も何度も読んで、台本を読まなかった日もフランス語を聞かなかった日はありませんでした。
普段、歌を覚えるのもここまでやらないですよ (笑)。ダンスはもっと。簡単に入ってきますから。

日本大使・粟野を演じるにあたり、見た目部分でこだわったところは…

髭を生やしたところです。自前なんですよ!
粟野は、100年前の明治時代の男性で、パリに住んでいるので、いろいろ写真を見せていただいて考えました。上の口ひげだけ付けて、とってつけたようになるのは嫌だなと思い、あご髭も今回は伸ばしてみました。自前で上下の髭をここまで伸ばすことは、人生でなかなか経験できないですよね。

秋山篤蔵に対して、今後の人生を変える決定的な言葉を託す役ですが、実際にそのシーンでセリフを発していかがでしたか?

役に集中していたので、それを上手に言おうとも考えていませんでした。
自分が台本を読んで、秋山篤蔵に通告するところの言葉は大事ですし、今後のポイントになってくるからセリフに重きを置かなきゃいけない思いましたが、上手に伝えることよりも、自分の気持ちのなかでどれだけ大事に伝えられるか… を大事にしました。

佐藤健さんと共演して

僕自身もフランス語のセリフが長く、集中していましたし、プライベートで話をして気持ちが切り替えられず、粟野の役に戻るのが難しいなと思っていたので、彼も一緒じゃないかな。なので、今回はそんなにお話はしていないですが、リハーサルや本番のお芝居を見て、彼とやりとりをしていくうちに、ディレクターから言われたことをすぐに自分のなかで咀嚼 (そしゃく) しているなと感じました。演技も素晴らしく、とても真面目な方だと思います。

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