2015年4月期連続ドラマ毎週日曜よる9時

インタビュー

佐藤健さん(秋山篤蔵役)

台本を初めて読んだときの感想は?

篤蔵さんの人生はとにかくすごい人生だなと思いました。(秋山徳蔵氏の史実に基づくお話なので) こんな人生を送った人がいることが衝撃です。
すごく素敵な物語で、おもしろく読ませていただいたんですけど、自分が演じるんだと思いながら読んだとき、今までに演じたことがない人物ですし、普段の僕自身とも違うタイプの人物像だったので、この役をいただいたときにすごく驚きました。もし演じるとしたら自分にとって大きな挑戦だと思いました。

料理シーンについて

ふだん料理をやらないので 「ついに料理をするときが来たか」 と思いました (笑)。去年の夏から料理教室に通い始めて、基本から学ばせてもらって、指を切りながらやっています (笑)。ドラマの撮影が始まるまで、北海道で映画の撮影をしていたんですけど、ホテルの部屋でも、じゃがいもとたまねぎをずっと切る練習をしていました。実際にじゃがいもを扱うシーンは多くて、「シャトーの形に剥く」 というのが最初の難関でした。今は皮むき器がありますけど、当時は小さなぺティナイフで全部やっていて、とても難しいんですが、手元の撮影も、吹き替えではなく全部自分でやらせていただいています。
練習を繰り返しても、料理人の役なので料理が体に染み付いてる感じをだすのが一番難しいですね。料理に限らず、プロフェッショナルな人を演じるときはいつもそうですが、小手先だけではごまかせないというところが多くて、苦労しながらやっています。料理人は職人技ですから、包丁さばきも料理の繊細さも凄い。そこに説得力を持たせることに苦労しています。けれど、料理のシーンは楽しいです。最近は野菜を見ると無性に千切りしたくなる衝動に駆られています (笑)
厨房で作ったものは美味しくいただいていますが、中でも一話で登場するカツレツが美味しかったです!篤蔵さんが夢を追うきっかけとなるメニューがカツレツなんですが、放送が始まったら皆、カツレツが食べたくなると思います。

篤蔵を演じるにあたり、意識していることはありますか?

今まで演じたことがない役なので、撮影に入ってすぐは、いろいろ考えました。何回も台本を読んで、どういったアプローチがいいんだろうと考えながら現場に行って、石丸プロデューサーや平川監督と話し合いながら進めていきました。
「なんで篤蔵さんという人はこんなに愛されるんだろう。そのためにどうしたらいいんだろう」 と考えるんですけれど、結論として形に見えるように何かを工夫する、ということはありませんでした。なんで篤蔵さんがここまで愛されるかというと、素直で一生懸命生きているからだと思うんです。ということは、僕が一生懸命やるしかないんだ、まっすぐ一生懸命、真摯に向き合うということしかないなと思ってやっています。

共演者のみなさんの印象を教えてください

妻になる俊子を演じる黒木華さんは、本当に俊子さんみたいな人。俊子さんなのか華さんなのか、わからないくらい。男性の三歩うしろから支える… そんな女性ですね。古式ゆかしいところがあります。ちゃんと芯を持っていて、気が強いか弱いかで言ったら、強い… そういうところも俊子さんみたいですよね。

見習い仲間でもある桐谷健太さんは… 本当にありがたい存在。一緒にお仕事したことが多いのですが、毎回共演したいと思いますね。現場にいてほしい。
篤蔵が一人だけのシーンが多いので、ずっと一人だけという撮影が続いたあとに、桐谷さんが一緒の現場になると、すごく救われます。一人だけの撮影の大変さを理解してくださいますし、面白く現場を和ませてくれるので、心が軽くなるってこういうことだなと思います。

兄やんである鈴木亮平さんは、ストイックな方。本当に男だなあと思います。決めたからにはやるというストイック、男らしさが僕は大好きです。
そこにいるだけで、存在だけで、泣けてきます。
僕は篤蔵と兄やんのシーンがすごく好きなんです。かといって、兄やんとのシーンが多いというわけではなく、むしろ少なくて、ほとんど手紙でのやりとりしかないんですが、この兄弟のシーンに思い入れが強いのは、亮平さんの役作りに対する思いを知っているから、僕も兄やんに対して思いが強くなっているんだなあと思います。

ロケもだいぶ広範囲に及んでいるようですが…

福島、茨城、神戸、岡山、それにフランス… 国内は1、2月から撮影していますが、設定は冬ではないから白い息を吐いてはいけないので、氷を食べながらやっていたので、寒かったです。
(鈴木) 亮平さんは、僕がまったく 「寒い」 と言ってない、と言ってくれていますが、実は (黒木) 華ちゃんの前では 「寒い」 言っていました。嫁の前では素直で、お兄ちゃんの前では弱いところを見せられないんです (笑)

そのなかでも印象に残っているロケは…?

一番は、やはりフランスですね。
フランスロケと聞くと優雅なイメージがありませんか?
実際は、これでもかっていうくらい大変なロケでした (笑)。飛行機で12時間かけてようやく着いて、ホテルに荷物だけ置いたら、即撮影… とにかくスケジュールが濃密でした。
そして、このドラマでは篤蔵が走るシーンがとにかく多い。たぶん料理するより走っているんじゃないかな (笑)。フランスに限らず、国内でもよく走っていますが、パリは日本と違って道がまっすぐなところが多いので、抜けがいいんですよ。抜けがいいところを走るということは、どこまで走っても姿が見える。何度も 「はやくカットかけて〜 (泣)」 と願っていました。地平線に向かってずっと走らなきゃいけない… それを毎日やっていたら、さすがに疲れましたね (苦笑)

明治から始まるドラマですが、撮影をしていて驚いたことはありますか?

この時代ならではだと思うのですが、料理のシーンで使う鍋が、とても重い!食器などを洗うときはスポンジの代わりに本物のヘチマで洗っています。
そして、「本」 がとても貴重な時代なんですよね。だからとても大事に扱っています。言われなかったらそのまま伏せて置いたりしそうなところを、この間まで出版業界の役をやっていた亮平さんに教えられまして気をつけています (笑)

当時は、メールなどはないですから、コミュニケーションツールであった手紙は、すごく力を持っていたと思うんです。届くかどうかも分からなくて心配になるものなのに手書きの文字で想いを伝える。けれど、だからこそ人との繋がりも、人に対する愛や想いも、この時代の人たちは圧倒的に強いものがあるんじゃないかなと思うんです。現代を生きている僕たちも、こうやって生きられたら素敵なのにな… と思うことはあります。

ご覧の皆さまにメッセージをお願いします

僕自身もどういうドラマになるのか、これだけ長い間撮影していますが、未だ想像がつきません。とにかく本気でつくっている、ということだけは言えます。
ひとつの物事にここまで本気になることは、なかなかないです。熱いものづくりの現場です。そのなかにいられることは、俳優として、ものすごく幸せなこと。そんな熱量のなかでつくっているので 「観ていただきたい」 というのが、正直な気持ちです。まっすぐに、言い訳ができないくらい本気でやっているので、敢えて “こういうドラマなんだ” とは言わず、僕からは 「ぜひ観てください!」 とだけ言いたいです。

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