みどころ
“世界最強プロゴルファー決定戦”全米プロゴルフ選手権が、8月8日、開幕する。
TBSテレビでは地上波で、初日から最終日まで4日間、毎日生中継する。
95回目を数える歴史と伝統のメジャー大会、今年の舞台となるのは、ニューヨーク州ロチェスターにある名門クラブ『オークヒル・カントリークラブ』。
鬱蒼とした高い木に囲まれたフラットな林間コースで名門らしい落ち着いた雰囲気のコースである。
世界4大メジャーの中でもこの『全米プロ』は唯一アマチュアの出場できない大会で、まさに“プロゴルファー世界一決定戦”の称号にふさわしいトーナメントだ。
世界ランク1位から10位まで全員が出場するフィールドは他のメジャーにはない過酷な闘いが予想される。
今年最後のメジャー大会ということで、当然、『マスターズ』『全米オープン』『全英オープン』の王者が揃い踏みとなるのもこの大会の特徴である。
4月のマスターズをカブレラとの激しいプレーオフの末に制したオーストラリアの人気物、アダム・スコット。
6月の全米オープンを制したイングランドの実力者、ジャスティン・ローズ。
7月の全英オープンを大逆転で制しメジャー5勝目を挙げた史上最強のレフティ、フィル・ミケルソン。
今年のメジャータイトルホルダー全員が全米プロの舞台で激しい闘いを繰り広げる。
なんといっても世界中の注目は、今年3月に世界ランク1位に返り咲いた“世界最強の虎”タイガー・ウッズだ。
今季は開幕から絶好調で既にツアー4勝。メジャーに勝たないと完全復活とは呼ばれないのがタイガー。
2008年の全米オープン制覇から遠ざかっているメジャータイトルこそ世界中のファンが望むものに違いない。ジャック・ニクラウスの持つ『メジャー18勝』の最多優勝まであと4勝のタイガー。
今年の全米プロで勝利を挙げ15勝目のメジャータイトルに期待がかかる。
対する日本勢は、“最強のサムライ”4名が世界に挑む。
一番の注目は、最強アマチュアから最強プロへと転身した『怪物ルーキー』松山英樹だ。2011年のマスターズでは海外メジャー初出場ながら見事予選通過。日本人初のローアマチュアに輝くとその名を一気に世界へと知らしめる。今年のプロ転向後も怒涛の活躍で世界を驚かせている。プロ2戦目で日本ツアー優勝を遂げると続く5戦目でも今季2勝目。ツアー10試合で早くも賞金1億円突破とまさに快進撃。さらに6月の世界最強決定戦全米オープンでも堂々の10位に食い込むと、続く世界最古のメジャー全英オープンでは6位という衝撃的な成績を残し、一気に日本人初の海外メジャー優勝をも期待させる状況になってきた。
石川遼は、2009年から5年連続の全米プロ出場となる。
21歳となった石川は今季、アメリカツアーにレギュラー参戦。
思ったほどの成績が残せていないがその実力は折り紙つき。
このメジャー大会で好成績を残し、その後のアメリカツアーのシード権獲得に弾みをつけたい。
藤田寛之は、2008年から6年連続の全米プロ出場となる。
昨年の日本ツアーを圧倒的な成績で制し自身初の『賞金王』という肩書きを引っさげて挑むメジャー。
日本人唯一の海外メジャー全試合出場となる藤田はここで成績を残したい。
4月のマスターズ前に追った肋骨の怪我も完治しいよいよメジャーで結果を残すときが来た。
世界標準のショートゲームと日本一のパッティング技術で上位進出も視野に入れている。
51歳のシニアプレーヤー井戸木鴻樹は、アメリカツアー9勝を誇る“世界のAOKI”青木功すら成し遂げられなかった海外メジャー大会に優勝してこの全米プロへの出場権を手にした。
今年5月のアメリカシニアツアーのメジャー『全米プロシニア選手権』で最終日5位からスタートすると怒涛の快進撃で見事な逆転優勝を飾る。
日本中がその快挙に驚いた。正確無比な “日本一曲がらないショット”を武器に初のレギュラーツアーでのメジャーに挑戦する。