みどころ
“世界最強プロゴルファー決定戦”全米プロゴルフ選手権が、8月9日、開幕する。
TBSテレビでは地上波で、初日から最終日まで4日間、毎日生中継する。
94回目を数える歴史と伝統のメジャー大会、今年の舞台となるのは、サウスキャロライナにある大西洋沿いのリンクスコース『キアワ・アイランド・ゴルフリゾート』。
18ホール中、実に半分の9ホールもが海に面したシーサイドコースで、海からの強風が世界のトッププロたちの闘いを演出する。
世界4大メジャーの中でもこの『全米プロ』は唯一アマチュアの出場できない大会で、まさに“プロゴルファー世界一決定戦”の称号にふさわしいメジャー大会である。
現在の世界ランク1位から10位まで全員が出場するフィールドは他のメジャーにはない過酷な闘いが予想される。
現在世界ランク1位のルーク・ドナルド、2位のタイガー・ウッズ、3位のローリー・マキロイ、4位のリー・ウエストウッド、5位のウェッブ・シンプソン、6位のアダム・スコット、7位のババ・ワトソン、8位のジェイソン・ダフナー、9位のマット・クーチャー、10位のジャスティン・ローズ。世界ランクトップ10の選手全員がこの全米プロに集結する。
さらに今年最後のメジャー大会ということで、当然、『マスターズ』『全米オープン』『全英オープン』の王者が揃い踏みとなるのもこの大会の特徴である。
4月のマスターズを圧倒的な飛距離で制した“新・最強レフティ”ババ・ワトソン。
6月の全米オープンを制した“アメリカのニューヒーロー”ウェッブ・シンプソン。
7月の全英オープンを驚異の大逆転で制しメジャー4勝目を挙げた南アフリカの“ザ・ビッグ・イージー”アーニー・エルス。
今年のメジャータイトルホルダー全員が全米プロの舞台で激しい闘いを繰り広げる。
しかし、なんといっても世界中の注目は、世界ランク2位にまで復活を遂げてきた“世界最強の虎”タイガー・ウッズだ。
プライベートのスキャンダルや度重なる怪我により、一時は失意のどん底を味わったが、今年に入ってこれまでツアー3勝、アメリカツアー賞金ランク現在1位と、見事な復活を遂げている。タイガーに残された使命は『メジャー優勝』ただ一つ。2008年の全米オープン制覇から遠ざかっているメジャータイトルこそ世界中のファンが望むものに違いない。ジャック・ニクラウスの持つ『メジャー18勝』の最多優勝まであと4勝のタイガー。今年の全米プロで勝利を挙げ15勝目のメジャータイトルに期待がかかる。
対する日本勢は、“最強のサムライ”3名が世界に挑む。
石川遼は、2009年から4年連続の全米プロ出場となる。 20歳となった“ニッポンのエース”は今季、積極的にアメリカツアーに参戦し、プエルトリコオープンで2位に食い込むなど、既にアメリカツアーだけでも5500万円以上を稼いでいる。石川の夢である“マスターズ優勝”より先にこのメジャー大会を制するのか、日本中の期待が高まる。
藤田寛之は、2008年から5年連続の全米プロ出場となる。
43歳となってなおも進化を続ける“アラフォーの星”は、今季すでに日本ツアーで2勝を挙げ、現在賞金ランキングのトップを快走している。
168センチとプロアスリートとしては決して大きくない体格ながら、年齢を重ねるごとに飛距離も伸び続けるという“驚異の進化”を見せる藤田。日々のハードトレーニングとボディケア、不屈の練習量に裏打ちされたパワーとテクニックで、日本人初のメジャー優勝を狙っている。
谷口徹は2008年以来4年ぶり7度目の全米プロ出場となる。
藤田の一つ上、44歳の谷口もまた“アラフォーの星”だ。
2002年・2007年と日本の賞金王に輝いた谷口は、今年も5月のメジャー大会『日本プロゴルフ選手権』を制しその存在感を見せ付けた。
日本でメジャー4勝、ツアー14勝、合計18勝を誇る谷口は、石川や藤田を凌ぐ“勝利の経験値”を誇っている。日本ツアー屈指の強心臓を誇る谷口が日本人初の世界メジャー制覇を果たすのか。目が離せない。