見どころ
昨年の12月、WBA世界フライ級2度目の防衛戦に挑み、苦しみながらもタイトルを防衛を果たした大毅。
2週間後の1月6日には、WBA世界フライ級のベルトを返上することを発表した。
本人も「本当は防衛して行きたかったけど、フライ級は限界だった」と語り、10kgを超える減量苦による身体的、精神的負担が相当なものだったと、ベルト返上が苦渋の決断だったことを明かした。
減量との戦いに苦しんだフライ級からスーパーフライ級へと階級を上げ、新たなスタートを切ることとなった大毅。
その第一歩となる試合が4月2日、沖縄から始まる。
今回はスーパーフライ級のリミットである52.1kgより1.2kg重い、53.3kg契約での試合となるが、陣営は年末の世界挑戦に向け、徐々に体重を減らしていくというプランを練っており、2階級制覇に向けた重要な試金石となる。
今回の試合に先立って行われた2月の沖縄合宿では、元WBA世界ジュニアウェルター級王者で、脅威のKO率81.8%(日本歴代2位)の記録を持つ平仲明信会長(平仲ジム)から、KOの極意を伝授された。
平仲会長も「さすが元世界王者。吸収するのが早い。」と太鼓判。
これまで苦手にしていた右のパンチに対しても、「これが完成したら、次は凄い試合になる」と大毅本人も確かな手応えを掴んでいる。
また減量苦からも開放されたことにより、筋力トレーニングにも取り組めるようになり、これまでよりもパンチの破壊力が増すことは間違いない。
2009年8月以来、約1年半ぶりとなる大毅らしい派手なKO勝利の期待も膨らむ。
対戦相手は、元WBC米大陸ライトフライ級王者のヘスス・マルティネス(メキシコ)27戦21勝(13KO)6敗
過去には、現WBC世界フライ級王者のポンサクレックとも拳を交えたことのある右のボクサーファイターで、現WBC世界スーパーフライ級王者のトマス・ロハスを判定で破るなど、その実力は折り紙つき。百戦錬磨の老獪テクニシャンが大毅に牙を剥く。
大毅が目指すのは年内での2階級制覇。その第一歩となる今回の一戦が持つ意味は大きい。
「世界戦までには3試合くらいはしたい。いい勝ち方を続けて、周りから『世界戦をやってもいい』と言われるようにしたい」と意気込む大毅。
周囲を納得させる為には、結果だけでなく、完璧な試合内容も求められる。
2階級制覇へ階級を上げ、「New亀田大毅」が4月2日、沖縄の地でそのベールを脱ぐ・・・。