ドラマ特別企画『終着駅─トワイライトエクスプレスの恋』

2012年3月20日(火・祝)よる9時〜2時間放送

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プロデューサーが語る“制作秘話”

【第1回】企画が立ち上がるまで(八木プロデューサー談)
数年前、先輩の定年パーティーの席で、鎌田敏夫さん(脚本)と久しぶりにお会いする機会があり、「最近どう?」と互いに近況報告をし合ったんですね。その際に、“最近、大人の楽しめるドラマがないねぇ”といった話になり、また偶然にも(鉄道マニアの)鎌田さんの口から『トワイライトエクスプレス』の話題が出たことで、ふと30年ほど前に手掛けたドラマ『雨の降る駅』(出演・田村正和、大原麗子ほか)のことが思い出されたんです。駅を舞台に「限られた空間と時間」の中で男女のラブストーリーを描いた作品だったのですが、「そうだ、今度はトワイライトエクスプレスを舞台にしたドラマをやろうじゃないか」と、その場の立ち話からどんどんアイデアが膨らんでいきました。
実は、『雨の降る駅』はオールセットで撮影を行い、スタジオに駅をまるごと作ったのですが(!)、今回は実際に走行する列車を使って撮れたらいいなと思っていたところ、JR西日本さんが全面的にご協力くださることになり、可能な限りのシーンを走行中の列車内で撮影することができました。
【第2回】列車『トワイライトエクスプレス』に発想を得て(真木プロデューサー談)
「乗らずして脚本は書けぬ」ということで、鎌田さんが監督とともに『トワイライトエクスプレス』の展望スイートに乗車したのは、昨年春のことでした。“動くクラシックホテル”とも称されるトワイライトエクスプレスの車内で、最も豪華なつくりとなっている“展望スイート”に男2人で乗り込むなんて…「せっかくの雰囲気が台無し」ではありますが(笑)、鎌田さんはその広い車窓から一望できる日本海の素晴らしい景色や、木のぬくもりを感じる豪華な客室の佇まいなどから多くのインスピレーションを受け、「これなら(素敵な物語が)書ける!」と思ったそうです。このドラマでは、中山美穂さん演じる家庭を持つ女性・千絵と、佐藤浩市さん演じる啓介という男性の許されざる愛が描かれているのですが、『トワイライトエクスプレス』という他には代えがたい魅力的な舞台を得たことで、物語は少しずつ膨らんでゆきました。
日本で1番長い走行距離を誇る『トワイライトエクスプレス』は、大阪〜札幌間をおよそ22時間かけて進みます。この作品には、車窓からみえる日本海の夕日をはじめとする美しい風景もふんだんに収められていますし、実際に乗車すると味わえるフルコース料理なども目で楽しんでいただけると思いますので、ぜひオンエアをご覧になって、主人公たちと一緒に旅へ出た気分を味わってみてはいかがでしょうか。
【第3回】女優「中山美穂」の魅力、俳優「佐藤浩市」の魅力(八木プロデューサー談)
まずは、中山美穂さんの魅力から。僕は、『役者』という才は「天性のものである」と思っているんです。もちろん、努力や経験を重ねて上手くなるという場合もあるでしょうけれど、そういう人は(仮に、芝居の試験があったとして)80点までは取れても、100点は取れないっていうかね。でも、彼女の芝居の上手さは、テクニックではなく、生まれ持った天性の才能。美穂ちゃんは、間違いなく“生まれながらの女優さん”なんです。ご本人は今回の出演にあたって「10年のブランクがあるから…」と仰っていたけれど、こちらは元々そんな心配はしていなかったし、実際のお芝居をみても一切ブランクを感じることはありませんでした。年齢を重ねた『中山美穂』はすごく自然体になって、ますます魅力的になったなと思います。“本物のラブストーリーを演じられる女優さん”ということでヒロインを考えたところ、一番最初に頭に浮かんだのが美穂ちゃんだったのですが、彼女にとってこの作品への出演は、実に10年ぶりのTVドラマ復帰。視聴者のみなさんも、きっと喜んでくださっているのではないでしょうか。

一方で、佐藤浩市くんの魅力は、やっぱり「男らしさ」とか「強さ」とか…。彼はいまやドラマに映画にと引っ張りだこの存在で、日本の映像界を牽引する逸材ですし、同性の目からみても単純に「カッコいい」と思える男なので非常に気になっていました。そんな浩市くんに『森啓介』という人物を演じてもらうにあたって期待したのは、「男性の持つさまざまな面を、奥行きを持って体現してもらいたい」ということ。これまでラブストーリーにほとんど出演してこなかった彼の“新たな一面をみてみたい”という強い興味もあってオファーを出したのですが、その狙い通り、彼は今までのドラマ作品ではみたことのないような、いい意味でのヤンチャぶりを披露してくれているので、こちらも楽しみにしていてほしいですね。

恋愛における男と女の関係性って、強い男に弱い女が惹かれるということではなくて…互いに強い部分と弱い部分を持ち合わせていて、どこかそれを補い合っているような気がします。ある時は男のほうが強くて、またある時は女のほうが強くもある…そういう部分がないと、恋愛って長続きしないものなのではないでしょうか。美穂ちゃんも浩市くんも、この作品では「強いだけの男」「弱いだけの女」というのではなく、強さも弱さも兼ね備えた深みある人物像を見事に作り上げてくれました。ラブストーリー作品で『軸』となる男女をキャスティングする場合、やはり大切なのは「2ショットにしたときに、恋人同士に見えるかどうか」ということですが、このカップルは僕自身が今一番「みてみたい」と熱望していた組み合わせなんです。
【第4回】撮影中の苦労話あれこれ(真木プロデューサー談)
長い準備期間を経て、実際に撮影を行ったのは今年2月のことです。JR西日本の全面的な協力バックアップのもと、4日間に渡って臨時列車を何往復か走行させ、その車内で撮影を敢行しました。
“撮影中の苦労”と聞いて、まず思い出すのは…なんといっても記録的な寒波に見舞われたことです。鎌田さんと監督が試乗した時は、まだ暖かい季節(春)だったので、「もし撮影日に雪が降らなかったら困るなぁ」と気を揉んでいたのですが、今年の冬は東京でも何度か雪が積もったぐらい、本当に寒かったですよね。3編成しかない『トワイライトエクスプレス』なので、撮影を目前に控えた1月から、あちこちで「運休だ」「大雪だ」と耳にするたび「撮影当日に列車が走らなかったらどうしよう」とヒヤヒヤしたのを覚えています。私も(今回の撮影を通じて)初めて知ったのですが、こういった列車は数日前に運休が出ると、その後を走行予定の列車のダイヤにも乱れが生じるため、撮影当日だけが穏やかな気候であればよいというものでもないんですね。案の定、豪雪を避けることはできずにスケジュール変更を余儀なく強いられたこともあったのですが、撮影に付き合ってくれた車両と別れるときは、一緒に戦った仲間を見送るような感慨深い気持ちになり、走り去る車体にむかって「ありがとう、こんな大雪の中をよく走ってくれたね」と、心の中で自然とお礼を告げる自分がいました。
天候以外のことでいうと、ほんのわずかなシーンの撮影のためだけに、たった数日間使用するだけのセットを完璧に作り上げてくれた美術スタッフたちの苦労も忘れてはなりません。実は、どうしても実際の車内で撮れないアングル(ヒキ=つまり「被写体から離れて撮る」の意味)を撮影するために、『トワイライトエクスプレス』の部屋(展望スイート)と廊下の一部をそっくりそのままスタジオ内に再現したのですが、どのセットも非常に良く出来ていて、映像を確認してみても、どこからが実際の車内で撮ったもので、どこからがセットで撮ったものか…私でさえ判別がつかないぐらいです(笑)。ちなみに、『トワイライトエクスプレス』の車内では、現在では手に入らないような年代モノの照明器具(ランプ)や、特製ロゴ入りの食器等が使われており、セットでの撮影の際には、貴重な実物をJR西日本さんからお借りしたという経緯もありました。
【第5回】視聴者のみなさんへメッセージ(八木プロデューサー談)
ここのところマンガ原作や人気アイドルをフィーチャーしたような作品が多く、本当のドラマ好きがTVから離れていっているような気がしてならないのですが、このたび『雨の降る駅』の制作に携わった同じトリオで、最近ではなかなか見ることが出来なくなったドラマ…もう一度、大人のラブストーリーを作りたいと思い、企画・立案しました。
今回、このスタッフと再び仕事をしてみて感じたのは、みな「本物のプロだな」ということです。もちろん、これは役者のみなさんにも言えることなのですが、撮影には日々かなりの制限がつきまとったはずなのに、ある一定のクオリティを保ったまま、しかもほぼ本番1回ワンテイクで撮り切ることができたというのは、奇跡に近いことです。今後も、このような作品を作り続けていけたらいいなと思っていますので、ぜひ応援してください。

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