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参月の猟奇的な彼女を紹介します

インタビュー【大石参月(林田若葉)×中村香苗(美術デザイナー)】

参月:よろしくお願いします。

中村:お願いします。

参月:私、ドラマに出演するのが初めてだったんですけど、スタジオ収録の際にすごく驚いたことがあるんです。お部屋のシーンの撮影が終わったあと、セットを全部片付けるじゃないですか、引越しするみたいに。

中村:はいはい。

参月:建物自体も全て解体して…。それがすごいなと思って。スタジオ収録のたびに同じセットを建てて、小物も同じ場所に置いて…位置とか分からなくならないんですか?

中村:写真を撮ったり、図を描いたりしたのを参考にして、出来る限り正確に再現するようにしています。

参月:なるほど〜!!

中村:でも大変なのは、“直つながりのシーン”を別日に撮る場合ですね。例えば“花瓶を倒して割れた”というシーンを今日撮影したとしますよね。だけど、その直後のシーンを1週間後に撮るとなると…花瓶を倒した位置や水の量を1週間後にも再現しなければならないので、もう1回倒してみたりして…工夫します。

参月:そんな苦労があったんですね。どうやっているんだろうって思っていたんですよ。
次の質問なんですけど、三朗と凛子の部屋はどうやってイメージして作り始めるたんですか?

中村:お部屋はですね、完成した台本を見ながら監督と相談して作っていきます。例えば、凛子ちゃんは破天荒で謎めいているけど、実は寂しがり屋で女の子らしい女の子だから、お部屋はシンプルであまり生活観がない感じにしようとか。

参月:なるほど。

中村:部屋の飾りって人柄が出ると思うんです。台所に何も置かなければ“この人は料理をしないのかな”、醤油と鍋があれば“料理をする人なんだな”、と視聴者の皆さんに想像してもらえますよね。そういう細かいところから考えて作っていきます。

参月:凄い!!私だと“おしゃれな部屋”を作ろうと思うと、ひとつのイメージしか出てこないと思うんです。中村さんは、色々な部屋を作っているじゃないですか。そのために本や雑誌を見て参考にするんですか?

中村:そうですね。“おしゃれ”と言っても、人それぞれ感覚が違いますよね。カラフルがおしゃれと思う人もいれば、モノトーンがおしゃれと思う人もいる。だから監督と打ち合わせするときは、色々な人のお部屋の写真や本を見ながら、「こういう感じがいいね」「このタイル可愛いね」「これはちょっと飾りすぎだね」などと、徐々に方向性を決めていきます。

参月:へ〜。小物ひとつで、部屋の印象やその人の性格がすごく分かったりしますよね。

中村:小さな部屋ほど、置くものひとつで存在感が出てしまうので…。シンプルな部屋ほど、置物には工夫します。

参月:私、ドラマの現場が始めてというのもあるんですけど、台本を読んだとき、どんな部屋になるか想像がつかなかったんですよ。実際に家を借りて撮ると思っていたぐらい(苦笑)。だから、スタジオに行って三郎と凛子の家が建ててあったので「家、作るんだ!!」ってビックリしました(笑)。それに、三朗の部屋にカップラーメンがたくさん置いてあって、それがビニールに入ったまま置いてあったじゃないですか。私だったら、絶対にビニールから出して置くので、それをあえてそのまま置いてある感じが、「生活観が出ているな〜」と思って感動しました。

中村:気付いてくれてありがとうございます。カップラーメンで言えば、三朗宅に南ちゃんが来て、三朗の食生活を心配して食事を作ってあげようとする…というシーンに繋がるんですね。そういう、台本に書かれているお芝居につなげてあげられたらいいなと、思ってやっています。

参月:あ〜なるほど!!そういう、色んな目線から見ると面白いですね。1回目に見るときは物語を追うのに精一杯なので、2回、3回と色々な目線で見ると、もっともっと面白くなりそうですね。

中村:そうですね。まずは本編を楽しんでいただいて…その後に違った目線で見ていただけるとうれしいですね。

参月:そうそう、三郎さん宅で飼っていた魚、すごかったですね!!

中村:あれは海水魚だったので、飼うのが大変だったんですよ。

参月:海水魚?

中村:普通のおうちで飼っているような魚…金魚とかもそうなんですけど、あれは“淡水魚”なんですよ。素人さんでも、比較的簡単に水道水で飼えるんですね。でも、三朗の部屋にあったのは“タイ”で、海水魚だから、海水で飼わなきゃいけないんです。だから、海水の循環器を持ってきたりして、意外と大変でした。三朗は海洋生物学なので、海の魚にして欲しいという監督の要望だったんですけど…。大変でしたね(苦笑)。

参月:そうなんですか!

中村:はい…。実は今、研究室にある水槽には淡水魚が入っているんですね。でも撮影前に監督から「海水魚を入れた大きい水槽が3・4個欲しい」と言われて青ざめたことがあって。結局、淡水魚を入れた水槽を置くことで落ち着いたんですけど…。監督の要望に出来るだけ応えたいんですが、なかなか大変なことも多くて…。今回は結局、三朗や健作のデスク周りに小物をたくさん置いたりして、飾りで工夫しています。

参月:若葉の部屋を作るなら、どういうイメージですか?

中村:キャピキャピしたお部屋(笑)

参月:お〜!!

中村:あまり、悩みのない感じで…。

参月:あはは〜。

中村:明るいお部屋にしますよ。

参月:若葉は悩みなさそうですよね〜。では、五月さんはどうですか?

中村:市毛さんは生活感丸出しの、すごく温かいお部屋にしたいですね。

参月:お土産の置物があったり…。

中村:そうそう。

参月:あ〜作って欲しいです。私、お部屋のセットを見て、「ここで生活できる!」って思いましたもん。

中村:カップラーメンもあるし…みたいな。

参月:食べ物には困りませんよね。

中村:(笑)

参月:部屋といえば、中村さんのお部屋ってどういう感じなんすか?

中村:私の部屋ですか!?皆にすごくガッカリされますね…。

参月:そ、そうなんですか?!

中村:全く物を置かないので。

参月:シンプルタイプですか?

中村:物があると片付けられないんです。

参月:(笑)

中村:荷物があると掃除も大変だし。

参月:気分で部屋を変えたりするんですか?

中村:変えないですね。人の部屋を作るのは好きなんですけど、自分の部屋は…。

参月:え〜意外です。じゃあ、友達の家に行ったら見ちゃいませんか?

中村:すごく興味深いですね。自分とは全然違う趣味の人とか、年齢の違う人とか、男の人とか。

参月:隅から隅まで?

中村:「写真撮っていい?」みたいな(笑)。

参月:あ〜!分かります。

中村:お部屋だけじゃなくて、病院やお店も許可を貰って撮影しちゃうこともあります。

参月:そっか!!作るのは、お部屋だけじゃないですもんね。

中村:そうなんですよ。

参月:それじゃあ、妄想で作ることもありますか?

中村:妄想?

参月:あっ、妄想じゃなくて、想像。

中村:ありますね。例えば、時代劇とか古い時代の物語でその当時のことが分かっていなかったりすると、遊んじゃったりするんです。でも詳しく分かっている時代の物語とか、ノンフィクションの場合は知った上で嘘をつく方が自分的には安心なので、できるだけ研究をします。

参月:大変な思いをして作っているんですね。想像だけじゃ出来ない部分もありますよね。

中村:時代に関しては勉強すればいいんですけどね…。現代のものに関しては演出部の皆さんに協力していただいてロケハンに連れて行ってもらったりしますね。今回も実際の海洋大学に連れて行ってもらって、色々と見せていただきました。

参月:日々勉強ですね。

中村:そうですね…。

参月:大変ですね。でも、中村さん、めちゃめちゃカッコイイです!!これからは、セットも注目してみて見ます!!