はじめての歌舞伎

歌舞伎初心者のための鑑賞ガイド、歌舞伎用語、豆知識などを紹介します。皆様からの疑問質問にもお答えしますので、ぜひ書き込んでくださいね。

「ぴんとこな」とは?
『男らしさと憎みきれない色気を合わせ持つ二枚目』の役柄のこと。
「二枚目」とは?
歌舞伎の役柄で、顔を白く塗った色男のこと。芝居小屋の看板の一枚目に主役、二枚目に色男の名前が書かれていたことから、転じて二枚目=色男となった。現代では、美男子・イケメンなどと同じような意味で、“二枚目”は使用されています。
立役とは?
“たちやく”と読み、歌舞伎で男を演じる役者のこと。
女方とは?
「女方」「女形」と書き、“おんながた”“おやま”と読みます。歌舞伎で女を演じる役者のこと。男性が演じるため、“いかに女性らしく見えるか”がポイント!着物が美しく見えるように“なで肩”の姿勢を保つようにしたり、指の揃え方、歩き方、首の傾きなど、女性らしく見える仕草を研究し、強調して演じられています。
御曹司とは?
親が代々歌舞伎役者という家に生まれ、将来は名跡を受け継ぐ(襲名する)ことが決められている男子のこと。
名跡とは?
“みょうせき”と読み、代々承け継がれる家の名前のこと。また、何代も受け継がれた名前を“大名跡(だいみょうせき)”という。その名前を受け継ぐことを“襲名(しゅうめい)”といい、“何代目○○を襲名する”などと使う。名跡を継ぐ“襲名”は、名前だけでなく、“家の芸”“伝統”“信用”などを背負い受け継ぐことである。
隈取とは?
顔に赤や青の筋を引いたメイクを隈取(くまどり)という。歌舞伎初心者の方は、“歌舞伎=隈取”というイメージを持っている方がいるかもしれませんが、実は二代目・市川團十郎がはじめた化粧法です。団十郎家の“家の芸”「荒事(あらごと)=武士や鬼神などを主役とし、荒々しく豪快に演じるを誇張して演じる」と呼ばれる演目で使用されます。白塗りの顔に赤い筋は、主役であるヒーロー。白塗りに青い筋(藍色)は、敵役の極悪人。また、黒や茶色は鬼や妖怪などを表します。役柄に応じて、数十種類のパターンがあります。
歌舞伎鑑賞する服装は?
あやめが「着ていく服がない」と制服姿で歌舞伎鑑賞をしますが、歌舞伎鑑賞において服装に決まりはありません。着物など和装はもちろん、普段着のようなラフな格好でもOK。4時間以上の長丁場ですので、長時間座っていても疲れない服装がベストです。
歌舞伎初心者なので物語が理解できるか不安です。
春彦のように、隣でシズが解説してくれると分かりやすいですね。物語が理解できないかも…という方のために、“イヤフォンガイド”というものがあります。舞台の進行に合わせて、「あらすじ」「時代背景」「衣装や道具」「配役」など丁寧にわかりやすく解説してくれます。この“イヤフォンガイド”があれば、初心者でも楽しめること間違いなしです!
定式幕とは?
“歌舞伎”といえば、黒、緑、オレンジの縦縞模様の幕をイメージする方が多いと思いますが、これを「定式幕」“じょうしきまく”といいます。正確にいうと、黒、萌黄色(緑)、柿色(オレンジ)の3色。歌舞伎座では下手(舞台を正面に見て左側)から、黒、柿色、萌黄色の定式幕、国立劇場では下手から黒、萌黄色、柿色の定式幕を、また中村座では下手から黒、白、柿色の定式幕が使用されています。舞台が始まる際に、下手から上手(舞台を正面に見て左側から右側)に開けられるため、“引き幕”とも呼ばれている。
歌舞伎鑑賞に持っていった方がいいものは?
座席などにもよりますが、役者の表情や衣装を細かくチェックしたい方には、“オペラグラス(小型の双眼鏡)”を持参するのがオススメ。また、暑さ対策の扇子や寒さ対策の上着があるとお芝居に集中できます。
梨園(りえん)とは?
日本では一般的に歌舞伎界を指します。元々は、中国・唐の宮廷音楽家や舞踊家の養成所にたくさん梨の木が植えられていたことから、学ぶ者の事を「梨園の弟子」というようになりました。それが日本に伝わった際、歌舞伎界=梨園と呼ぶようになったと言われています。
舞台の端で木を打っている人は何をしているの?
歌舞伎独特の演出方法で、“効果音”を出しています。板に木を打って音を出す効果音のことを「ツケ」といい、俳優たちの演技に合わせて「音」を鳴らすことで演技を強調したり、物音を表現したりする役目があります。使用する板のことを「ツケ板」、打ち付ける木を「ツケ木」、打つ人を「ツケ打ち」といいます。『仮名手本忠臣蔵・道行旅路の花聟』や『棒しばり』などの芝居中、舞台の上手(客席から見て舞台の右側)でこの「ツケ」を行っていました。この「ツケ打ち」さんですが、各々の俳優に合わせて、呼吸、タイミング、役柄に合わせた打ち方などを工夫しなければならないため、高度な技術と経験が必要といわれています。
幕間(まくあい)とは?
歌舞伎は昼の部、夜の部ともに、通常3〜4つの演目を4時間以上にかけて披露されます。よって、演目の合間に“幕間”と呼ばれる休憩時間があります。この時間内に、舞台上ではセットの入れかえが行われ、観客は食事を取ることができます。
歌舞伎役者はなぜ男性だけなの?
現在、歌舞伎役者といえば男性だけですが、元は女性が主流でした。歌舞伎のルーツを作ったのは“出雲阿国(いずものおくに)”という女性の踊り手です。この出雲阿国が始めた、女性が色気を出して踊ったり、女性が男装したりして踊る、“歌舞伎踊り”は庶民の娯楽として大流行しました。しかしながら、「風紀を乱す」という理由で、幕府が「女歌舞伎」を禁止。それに伴い、若くて美しい男の子が演じる「若衆歌舞伎」が広まるも、それも幕府によって禁止されました。そして、現代につながる「野郎歌舞伎」が誕生しました。男役も性役も、すべて男が演じ、役者の演技力で人々を楽しませる芝居…それが今日の歌舞伎の原型。それを引き継き、現代では歌舞伎役者は男性のみとなっています。
「かみて」「しもて」 とは?
舞台のシーンで、「かみて」「しもて」という言葉が出てくることがありますね。“かみて=上手”“しもて=下手”と書きます。じょうず、へたと読めてしまいますので…ちょっとややこしいですね。上手(かみて)は客席から舞台を見て右側のこと、下手(しもて)は客席から舞台を見て左側のことをあらわします。
花道の突き当たりにある幕は何?
花道の突き当たりにある幕を揚幕(あげまく)といいます。この幕の奥には、鳥屋(とや)という小部屋があり、その入り口に掛かっている揚幕なので、鳥屋揚幕(とやあげまく)とも言います。また、「揚幕」にはもうひとつ、上手揚幕(かみてあげまく)があります。これは舞台上手にあり、俳優や乗り物が舞台に出入りするときに使われます。この揚幕は鉄の棒に金属の輪がつけられて吊るされており、揚幕の開閉時には「チャリン」という音がします。この音がすると揚幕に注目してくださいね、というお客さんへの合図になります。
立役の顔色が違うのはなぜ?
立役は大きく3種類、白塗り・肌系・赤系に分かれています。白塗りは、基本的には若い男性、高貴な人物や恋愛モノの二枚目といわれるイケメンです。ただし、極悪人も白塗りです。肌系は、常識のある一般人で大人の男性。赤系は「赤っ面(あかっつら)」といい、悪役・敵役。見るからに悪そうなエネルギーを持った悪人やその手下などです。また、「腹出し」という全身を赤に塗った敵役もいます。そうして、一目見ただけで登場人物のキャラクターを見分けることが出来るようになっています。

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