banner_AD

合唱監修・福永一博先生のオモコー合唱紹介コーナー

このドラマの合唱監修とその指導を担当されている福永一博先生が、各話で歌われる合唱曲について、その魅力や豆知識などなどを紹介してくれるコーナーです。

福永 一博(合唱指揮者、声楽家)
東京藝術大学音楽学部声楽科卒業、同大学大学院音楽研究科修士課程声楽専攻独唱研究分野修了。在学中にharmonia ensembleを設立、同団を率いて第40回フロリレージュ国際合唱コンクールグランプリ、第10回世界合唱シンポジウム招待出演等に導く。2015年度より一般社団法人化し、プロフェッショナルの室内合唱団として精力的に演奏活動を行っている。harmonia ensemble代表、コンサートマスター。Ensemble OASIS指揮者。東日本大震災復興支援「心に花を咲かせよう」プロジェクト代表。

はじめまして!『表参道高校合唱部!』で合唱指導・監修をしています、福永一博です。
このコーナーでは、ドラマで使われた合唱曲を、各話ごとにご紹介していきたいと思います!
「あのシーンで使われていた曲は何だったのかな?」といった疑問や、番組オリジナルの編曲作品の聴きどころなどを、お伝えしていけたらと思います!どうぞよろしくお願いいたします!

第10話の合唱曲

『Over Drive』

真琴がいなくなった合唱部の練習で、みんなの気持ちが上の空になっていることを察した有明は、突然みんなに真琴が表参道高校合唱部に来てから今までに歌った歌を歌わせます。
『Over Drive』は、真琴が合唱部に来てはじめて歌った、第1話のメインシーンで使われた曲です(曲についての説明は第1話コラムを参照)。

『翼をください』

第2話で祐のために歌われた曲、それが『翼をください』です(曲についての説明は第2話コラムを参照)。

『TOMORROW』

第3話で大輔のために歌われた曲です(『TOMORROW』についての説明は第3話コラムを参照)。

『TRAIN-TRAIN』

第5話で優里亜のために歌われる曲、それが『TRAIN-TRAIN』でした(曲についての説明は第5話コラムを参照)。
今までに歌った曲を歌いながら、改めて真琴の存在の大きさを実感する合唱部員達。真琴に助けてもらった恩返しに、自分達が何が出来るかを考えるようになります。
この過去に歌った曲のシーンの収録では、キャストのみんなが今までのことを歌いながら思い出して、思わず号泣してしまう一幕も。この三ヶ月半の濃密な時間を思い出し、感慨深い気持ちになりました。

『オープニング(表参道高校合唱部合唱劇「愛の歌」劇中曲)』

表参道高校合唱部のメンバーが、真琴のために何か力になれないかと思い、考えついたこと、それは雄司と美奈代が出会った頃の物語を芝居で演じ、愛の歌を歌うことでした。二人に昔の気持ちを思い出してもらい、復縁してもらうために、合唱劇「愛の歌」を演じることにした合唱部員達。この曲は、そんな劇のオープニングで歌われています。
この曲は、ご存知のように「表参道高校合唱部!」の中でメインテーマとして用いられている曲でもあります。ワクワクするような魅力的なメロディが、劇用にピアノと混声四部合唱に編曲されています(作曲:木村秀彬/編曲:井上一平)。

『哀しみ(表参道高校合唱部合唱劇「愛の歌」劇中曲)』

劇中劇「愛の歌」の中で、暴力事件を起こした若き雄司が、退学届けを出し、美奈代のもとからも立ち去ろうとするシーンで歌われる曲です。物悲しいメロディが聴く人の心に響きます。

『旅立ち(表参道高校合唱部合唱劇「愛の歌」劇中曲)』

劇中劇「愛の歌」の中で、自分を見つめ直す旅に出た雄司のシーンで歌われている曲です。弾むようなリズムが印象的な、冒険をイメージさせる曲になっています。

『悲しみ(表参道高校合唱部合唱劇「愛の歌」劇中曲)』

劇中劇「愛の歌」の中で、美奈代が雄司に会えない寂しさ、募る想いを吐露するシーンで歌われる曲です。

『愛の歌(混声合唱ver.)』

劇中劇「愛の歌」のラストで、表参道高校合唱部が、雄司と美奈代のために歌う合唱曲、それは雄司が若い頃に、美奈代のことを想って作った愛の歌でした。次第に昔の自分を思い出した雄司は、美奈代のために歌い始めます。それに応えて歌う美奈代。瀬山と有明も加わり、壮大なフィナーレを迎える、この回のクライマックスシーンで歌われている曲です(『愛の歌』についての説明は、第9話コラムを参照)。
今回は、ピアノと混声四部合唱のために、新たに編曲されました(編曲:井上一平)。

『大きな古時計(香川家ver.)』

昔のように、歌が溢れる日常に戻った香川家。第1話で香川家の家族の絆の象徴として歌われていた「大きな古時計」が、再び家族全員によって歌われています(曲についての説明は第1話コラムを参照)。
後半の美奈代と雄司の二重唱シーンは、美しく微笑ましく、何度見ても幸せな気持ちになります。収録では、万歳役を演じる平泉成さんがその場にあったネギを指揮棒に見立てて振ることを思い付いて即興でされたのですが、それがとてもぴったりはまっていて、家族愛に溢れた素敵なシーンになりました。

『ここから始まる』

新入部員が増えた表参道高校合唱部が、旧音楽室で歌っている、このドラマのラストシーンで用いられている曲です。
みなづきみのり作詞、北川昇作曲による無伴奏合唱曲『ここから始まる』は、2008年に出版されました。優しく美しいメロディと希望に満ちた歌詞は、多くの合唱人に愛されていて、結婚式などでも歌われています。
今回「表参道高校合唱部!」のラストシーンを飾る合唱曲を選ぶにあたり、詩の内容がドラマの世界観とぴったり重なるこの曲を選ばせていただきました。

以上が第10話で演奏された合唱曲でした。これで表参道高校合唱部!の物語は一旦終わりますが、このドラマをきっかけに、歌うことの楽しさに気づいたり、合唱してみたいと思う人が少しでも増えたら、とても嬉しく思います。
今まで、本当にありがとうございました!