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大奥のあれこれ

奥女中の役職・その1

俗に「大奥3000人の美女」などという言い方がありますが、大奥内で働いていた女性は、幕府から給金が支払われる奥女中(=正職員のようなもの)が約400人ほどだったそうです。ただし、奥女中の中でも上級奥女中になると、個人的に雇っている「部屋方」や、親類縁者の女性を大奥内で預かる「部屋子」がいて、そのほか「御犬子供(おいぬこども)」と呼ばれる雑用係などが大奥で働いているので、総数はざっと800人ほどだったと思われます。
奥女中の役職は20ほどありましたが、今回はその役職について紹介していきましょう。

・上臈御年寄(じょうろうおとしより)
御台所の側近で、常に御台所のそばにいて茶の湯や生け花などの相手をする。御台所が入城する際に、京都からお供をしてきた公家出身の女性。人数は3名で、御台所に終身奉公を誓い、男性と触れ合うことはなかった。御台所の年齢によっては、元服してない少女がお供してきたこともあり、「小上臈」と呼ばれていた。

・御年寄(おとしより)
上臈に次ぐ役職だが、大奥の実質権力は御年寄が握っていた。老中に匹敵する要職で、大奥の一切を取り仕切っていた。人数は7名いて、春日局はそのうちの一人。

・中年寄(ちゅうどしより)
御年寄の補佐役で、御年寄の指示に従って大奥を仕切っていた。御台所の食事の毒味役も務めた。

・御客会釈(おきゃくあしらい)
将軍が大奥へ上がったときのお世話役。また、御三家、御三卿が登城の際には接待役となった。

・御中臈(おちゅうろう)
将軍と御台所の身辺の世話をする役。人数は8名で、この中から将軍の御寝の相手を決める。高級旗本の娘が御小姓を経てなるのが普通だが、役職を問わず将軍の目に留まり寵愛を受けた者は御中臈に昇進する。この場合「御手付中臈」と呼ばれていた。

・御坊主(おぼうず)
大奥における将軍の雑用係。女性でありながら頭を剃り、男性の羽織袴を着ていた。将軍付きの役職で、将軍の命により中奥や表へ出向けた。50歳前後の女性が多かったという。

・御小姓(おこしょう)
御台所に仕える役。高級旗本出身の少女で、7歳くらいから御台所に仕えて、13歳になると元服して「元服小姓」と呼ばれた。その後、16〜17歳になると御中臈となった。

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