この差って何ですか?

毎週火曜よる7時

過去の放送内容

2017年8月22日

(1)「普通の豆腐」と「冷奴」の差

(写真)

専門家:大山喬之(新宿調理師専門学校 講師)

この差は…
「3cm角」に切られているか、どうか

〇なぜ「冷奴」と呼ぶのか?
日本料理の世界では、豆腐の切り方で、縦・横・高さが「すべて3cm」のもの、つまり3cm角に切ることを「奴(やっこ)」と呼ぶ。そのため、サイズが異なる豆腐は「冷豆腐」と呼び方が正しい。

〇なぜ3cm角の豆腐を「奴(やっこ)」と呼ぶのか?
「3cm角に切られた豆腐」のことを「奴(やっこ)」と呼ぶようになったのは江戸時代。もともと「奴(やっこ)」とは江戸時代に大名行列の先頭にいた「毛槍を振り歩く人」を指していた。その「奴(やっこ)」が来ていた服に3cm角の模様が描かれており、大名行列の先頭であることを意味していた。そこから、3cm角に切られた豆腐を「奴(やっこ)」と呼ぶようになった。

(2)「あんぱんの名前」と「食パンの名前」の差

(写真)

専門家:高江直樹(東京製菓学校 パン課 講師)

この差は…
木炭デッサン用の「消しパン」と区別するために名付けられたか、どうか

〇なぜ「食パン」という名前なのか?
「食パン」に「食べる」という文字が付いている理由は、当然「食べるパン」だから。

〇なぜ「食パン」と呼ぶようになったのか?
日本に「食パン」が伝わった江戸時代後期の当初から、もうひとつの別の用途があった。それは、「木炭デッサン」の際、消しゴムではなく「食パン」を使用すること。

当時は「パン」と呼ばれていていた。そのため、こんなエピソードも。明治時代に美術学校近くのパン屋さんでは「焼き立ての食べる用のパン」とは別に、「時間の経った絵を消す用のパン」を安く売っていた。そのパンを見て、安いからという理由で買い求めるお客様がいた。そのため、消す用のパンを「消しパン」、食べる用のパンを「食パン」と呼ぶようになったといわれている(諸説あり)。

(3)「フワフワのかき氷」と「ジャリジャリのかき氷」の差

(写真)

専門家:内田姫野(かき氷カフェバー「yelo」広報)

この差は…
氷を溶かしているか、どうか

〇「フワフワのかき氷」に使う氷と「ジャリジャリのかき氷」に使う氷の差
「氷」は、まったく同じ。
「フワフワのかき氷」は、お店では40分ぐらいかけて、透明になるまで溶かす。「ガリガリのかき氷」は、白っぽい氷を使う。

〇なぜ「氷を溶かす」と「フワフワの氷」になるのか?
「冷蔵庫から出したばかりの氷」は固い。そのため、かき氷機の刃が入りづらく、細かく削れてしまう。「溶かした氷」は柔らかく、かき氷機の刃が入りやすく、カンナで削ったように長く薄く削れて「フワフワの氷」になる。

〇家庭でも「フワフワの氷」が作れる?
夏の時期だと10〜15分常温に置き、水が滴って、透明になってきたら削るのがポイント。

(4)「誤嚥性肺炎になりやすい人」と「なりにくい人」の差

(写真)

専門家:西山耕一郎(西山耳鼻咽喉科医院 理事長)

この差は…
「のどの筋肉」を鍛えているか どうか

〇肺炎で死亡する人は年間何人?
日本人の死因 第3位の「肺炎」(1位は「ガン」、2位は「心臓疾患」)、年間約12万人が死亡。

〇「誤嚥性肺炎」になる原因とは?
「喉頭蓋」が正常に機能せず、本来「食道」に入るべき「食べ物」が「気道」に入り(「誤嚥」)、細菌が繁殖して「誤嚥性肺炎」に。

〇「誤嚥性肺炎」になりやすいのは「男性」「女性」どっち?
「誤嚥性肺炎」になっている男女の割合は、男性:7、女性:3。

〇なぜ「誤嚥性肺炎」に「女性」はなりにくいか?
「女性」はよく話す。「男性」は歳を取るとだんだん話さなくなる傾向が多い。「話す」と、「のどの筋肉」は鍛えられるので、結果として「飲み込みの筋肉」も鍛えられて「誤嚥」しにくくなる。

〇「喉の筋肉」の衰えが始まるのは何歳から?
40歳くらいから。

〇食事の時、一番大事なことは、「最初の一口目」
「慣らし運転」をちゃんとしないとむせやすい。一口目に何を食べるかが大事。「ひきわり納豆」は滑らかに入ってくるため、「慣らし運転」ができていない喉頭蓋も対応できる。ほかには、「とろろご飯」や「卵かけご飯」「あんかけ」など、「ネバトロ系食品」をオススメする。

〇なぜ一口目が「みそ汁」だと誤嚥しやすい?
朝一番で頭がぼーっとしていることが多く「慣らし運転」ができていない状態。そのため、喉頭蓋のタイミングが鈍く遅れるのに対して、「みそ汁」は液体のため速いため、「気道」に入りやすい。「水」も極力避けた方がよい。
同様に「麺類」も。「すするという行為」と、すすった後に「飲む行為」も避けた方がよい。麺類をすする時は「息を吸う状態」なので、喉頭蓋が空いているため、「誤嚥」しやすい状態。もし麺類を食べたい時は「あんかけ状」にして、麺を「短く」切ることをオススメする。

〇会話しながら食べるは?
会話をしているということは、喉頭蓋が「常に空いている状態」のため、「気道」に入りやすくなる。会話しながら食べるのはオススメしない。

〇「誤嚥(むせて)」してしまったらどうするか?(対処法)
むせてしまった時は、上半身を十分倒して、「気管」が水平になるような状態で、咳をした方が出しやすい。

〇「誤嚥性肺炎」にならない「のどの鍛え方」(予防策)
1)特に有効なのは「カラオケ」。「キーの高い曲」がオススメ。
2)「嚥下おでこ体操」。手のひらの下の部分をおでこに当てて、おへそをのぞき込むようにする。その際に、手を上に押し上げるようにして、手とおでこが押し合っている状態を5秒間キープし、1日5〜10回繰り返す。

(5)「米酢の使い方」と「穀物酢の使い方」の差

(写真)

専門家:MICHIKO(調味料研究家)

この差は…
「加熱する」か どうか

〇どのように使い分けたらいいのか?
・「米酢」⇒「加熱しない料理」
・「穀物酢」⇒「加熱する料理」

〇どんな料理に向いているのか?
・「米酢」:「酢飯」、「酢の物」、「アジの南蛮漬け」
・「穀物酢」:「酢豚」、「とりのサッパリ煮」

〇なぜ「米酢」は加熱しない料理に向いているのか?
「米酢」は「穀物酢」に比べて、香りが強く、加熱すると香りは消えてしまうため、もったいない。一方「穀物酢」は、そもそも香りが弱いので加熱しても変わらない。

〇なぜ「米酢は透明」で「黒酢は黒い」のか?
「黒酢」も原料は「お米」。「黒酢」が黒いのは、製造過程に秘密がある。壺の中に「玄米」を入れて、「米麹」・「水」を入れて、太陽の下で発酵・熟成させてつくる。一般的な「米酢」は4カ月程度に対して、「黒酢」は3年以上。黒くなるのは、「アミノ酸」と「糖」が結合して、化学反応を起こして黒くなる。

(6)「煮こごりができる魚」と「煮こごりができない魚」の差

(写真)

専門家:石崎松一郎(東京海洋大学 食品生産科学部門 准教授)

この差は…
「全身の筋肉で泳ぐ」か どうか

〇「煮こごり」の正体とは何か?
魚から溶け出した「コラーゲン」が、ゼリー状に固まったモノ。「コラーゲン」は美肌や老化防止に効果があるといわれている成分。

〇なぜ「煮こごりができる魚」はコラーゲンが多い?
泳ぐ時の「体の使い方」が関係している。「煮こごりができる魚(真鯛やカレイ)」は、全身の筋肉を使いながら、体をくねらせて泳いでいる。一方、「煮こごりができない魚(アジやイワシなど)」は、尻尾の部分だけを動かしながら泳いでいる。つまり、全身の筋肉で泳ぐ魚は、その筋肉を守るために、全身にコラーゲンが多く付いているため「煮こごり」になりやすい。

(7)「お札に選ばれた偉人」と「お札に選ばれない偉人」の差

(写真)

専門家:岩下直行(京都大学公共政策大学院 教授)

この差は…
これまでとは違う「新しい3つの基準」で選ばれるようになった(福沢諭吉、樋口一葉など)
(1)精巧な写真が残っている
⇒「肖像画」は「偽造防止目的」で描かれる。
⇒そのため、絵や古ぼけた写真だと詳細な肖像画が描けず、偽造防止の役割が果たせない。
(2)日本人誰しもが知っている文化人
⇒昭和59年頃は庶民の生活も豊かになり、新幹線など新しい物を生み出す時代に。
⇒そこで、独自のスタイルを生み出した女流作家「樋口一葉」や新しい治療法を生み出した学者「野口英世」などクリエイティブな文化人が選ばれた。
(3)すでに亡くなっている人
⇒「肖像画」は「偽造防止目的」で描かれる。

〇お札の肖像画に選ばれた人数は?
明治14年、はじめてお札に肖像画が採用。現在、17人(2017年現在)。

〇新しい基準以前の肖像画の選ばれ方とは?
1)平安時代以前に活躍した偉人(聖徳太子、菅原道真、藤原鎌足など)
⇒明治時代となり、天皇中心の時代となったことを伝えるため、天皇が政治の中心だった平安時代以前の偉人が選ばれた。
2)明治時代に活躍した政治家や国の指導者たち(伊藤博文、板垣退助、岩倉具視など)
⇒昭和21年以降に発行されたお札。当時は戦後の苦しい時代のため、日本を早く復興させたいという想いから。明治時代に強い日本を造った政治家や国の指導者が選ばれた。

(8)ロングセラー商品の昔と今で大きな差「歌舞伎揚」

(写真)

専門家:印波一彦(天乃屋 営業部)

発売から57年。年間売上2500万袋。
発売から11年。1971年、いまと近い3色の定式幕イメージのパッケージに変更。

【1つ目の差】 「食感」の差
この差は…
食感が柔らかくソフトになったか どうか
今は「サクッと割れる」のに対して、昔は少し硬かった。

〇なぜ「歌舞伎揚」を柔らかくした理由とは?
人々の食生活が変わり、柔らかい食事が好まれるようになったため。

(9)ロングセラー商品の昔と今で大きな差「チョコボール」

(写真)

専門家:野条理恵(森永製菓株式会社 マーケティング本部)

1967年(昭和42年)発売から50年、1日約30万箱売上。

【1つ目の差】「キャラクター」の差
この差は…
「キョロちゃん」が変わったか どうか
1972年(昭和47年)に「黒目の位置」を変えた。2004年(平成16年)に「目全体」が大きく。2010年(平成22年)には横幅が少し大きく。2013年(平成25年)は「卵」のような体型に。

〇1972年に「黒目」の位置を変えた理由とは?
当時、「目つきがわるかった」と社内評判も良くなかったので、少し変わった。

〇2013年に「卵」のような体型になった理由とは?
世の中的にもキャラクターとして丸い方が人気が出るという理由で変更。


【2つ目の差】「クチバシ(取り出し口)」の差
この差は…
箱を下に向けてもこぼれにくくなったか どうか

〇どのような変更があったのか?
何度も開け閉めしていると、クチバシが緩んでしまい、こぼれやすかった。そこで、2017年3月にストッパーをつけた。その名も「キョロック!」。これにより、中身が飛び出す心配がなくなった。


【3つ目の差】「チョコレートの量」の差
この差は…
チョコレートの量を3割増加しているか どうか

〇どのように増量したのか?
チョコボールが出てくる「クチバシ」の大きさは昔と変わらないため、チョコボール自体の大きさを変えずにチョコレートを増量する必要があった。そこで、チョコレートとピーナッツの「クリスプ層」の味わいはそのままに厚みと食感を調整して実現。

(10)ロングセラー商品の昔と今で大きな差「カルピス」

(写真)

専門家:山口真代(アサヒ飲料 マーケティング部)

なんと、発売から98年。年間売上5,000万本。

【1つ目の差】「容器」の差
この差は…
口の中に「白い塊」が残りにくくなったか どうか

〇あの「白い塊」の正体は?
カルピスの中の「カゼイン」と唾液の中の「ムチン」、この2つが混ざるとできる物体。

〇どのように無くしたのか?
「カゼイン」と「ムチン」の結合を防ぐ「大豆多糖類」を加えた。これにより「カゼイン」を包み込み、「ムチン」との結合を防ぐことができた。

(11)ロングセラー商品の昔と今で大きな差「日清焼そばU.F.O.」

(写真)

専門家:白澤勉(日清食品マーケティング部ブランドマネージャー)

発売から41年。20年間売上No1のカップ焼きそば。

【1つ目の差】「麺」の差
この差は…
「ストレート麺」が変わったか どうか
2009年(平成21年)に「ストレート麺」に変更。

〇「ストレート麺」に変えた理由とは?
昔の麺は「ちぢれ麺」だったが、2009年に「ストレート麺」に変更。常に本格的な焼きそばを目指しており、より本格志向になった消費者のニーズに応えるべく、鉄板焼きそばさながらの「ストレート麺」に改良した。

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