対談

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―演じられる役柄に共感する部分はどこですか?
森七菜さん(以下、森):私の演じる井上樹木は夢に破れた女の子。今は先が見えていないけれど、“何かに頑張りたい”と思っています。夢を追いかけているところは私自身と共通しているかな。あと樹木は毎日何かしらヘコんでいて、私自身もそういうところがあるので似ているなと思います。
中村倫也さん(以下、中村):浅羽拓実は、エリートで社長。一見、嫌な奴なんです。けど、その奥に人間味やコンプレックスもあって。あれ?実は優しい人なのかなと(笑)。似ているところでいうならば、嫌な奴ってところですかね(笑)
:嫌な奴じゃないですよ(笑)
中村:あはは。

―立場や年齢が違いますが、お互いの役柄についてどう思いましたか?
:樹木と違って、私は絶対にたて突かないタイプの相手だなって思います。
中村:浅羽という人に?
:はい。浅羽社長みたいな人に会ったら、逃げちゃいますね、ホントに。
中村:七菜ちゃんだったら?
:はい。回れ右して逃げちゃう。
中村:(笑)
:だから、樹木は食らいついていくので、すごいなと思っています。
中村:樹木は言葉が直線的に向かってくる子だなと。ちゃんと人とぶつかる子というか。浅羽は若くして社長になったので、なめられたくないという思いがある。人に対してパフォーマンスが入っているような気がするんです。だけど、樹木はそうじゃない。種類の違う2人が作用しあったり、反発しあったりしながら、成長していくのかなと予想しています。

―樹木は夢破れてもがんばろうとしますが、それに対して中村さんは感じることがありますか?
中村:若い頃って、ひとつの失敗が世界の破滅ともいえるというか。特に樹木みたいな夢の破れ方って、ヘコむだろうなと。ただ、年を取るにつれて視野が広がったり、様々な目線で見られるようになると思うので、今の僕が樹木に言えることとすれば、“大丈夫だよ”ってことかな。若い頃はいっぱい失敗したほうがいいよと。

―台本を読んだ感想と、今後楽しみにしていることをお聞かせください。
:文字を読んでいるのに声や音が聞こえてくるくらい面白くて。いろんなキャラクターが登場するので、その掛け合いがすごく楽しいです!楽しみなシーンは、ホントにおいしいスイーツ屋さんにいけるみたいなので、そこが楽しみです!
中村:(笑)
:そういうシーンがいっぱいあるといいなと思います。
中村:僕は(台本を読んで)わりと王道なところもあるのかなと思いましたね。反発しあうところから始まる恋模様や、仕事を通じた成長とか、その中での人間関係とか。若いキャストが多いので、その世代の方には等身大で感情移入しやすいと思いますし、昔からのドラマ好きの方々も落ち着いてみられる作品になっていると思います。あと、楽しみにしているのは、新谷誠という登場人物がいるんですけど、そいつがやたらイケメンなセリフを言うんです。僕の知り合い(仲野太賀)がその役を演じるんですけど、ガラじゃない感じのね、みなさんご存じかもしれないですけど。
:あははははは(笑)
中村:ガラじゃない感じじゃないですか。だから、楽しみですね。裏で物まねして遊びたいと思っています(笑)。(どんな顔してセリフをいうのか)浮かばないもんね?
:はい。浮かばないですね。
中村:絶対ちゃかしちゃう(笑)
:あはは(笑)
中村:くぅぅーーーーって(笑)

―お互いの印象を教えてください。
:お会いする前の印象と、まだそんなに変わってはいなくて。
中村:そもそもどんな?
:そもそもは……。
中村:無口で何の面白みもない役者?
:違います、違います!!
中村:あははは。
:えっと……。まず、会うのが怖くて。マジシャンみたいなイメージで、いろんな仕掛けを持ってる、服の裏、手の内に、いろんなタネを持っている方なのかなと。それをいつ私に発射されるんだろうっていう怖さがあります。
中村:ふふふ、怖いんだ。
:はい。
中村:怖いみたいです。
:中村さんは怖くないんですけど、その……攻撃がいつくるんだろうって(笑)
中村:ですって。
:です。
中村:僕は、おとなしい子なのかなと思ってたんですよ。実際会うと、ちょっとシャイだったり、人見知りっぽいところもあるんですけど、しゃべってみるとすごくノリがよかったり、“がははは”って笑ったりするんで、いろんな面があるんだろうなって。それを今回、全部みてやろうと思ってます。
:うふふ。
中村:まずは。帽子に入れる用の鳩を飼うところから始めようかな。鳩は逆さまになるとおとなしくなるっていうタネがあるんですよ。
:へぇーーー。
中村:で、そこから始めて、自分んちが糞だらけになる生活から始められたらなぁと思っています。
:(笑)

―森さんはコンビニスイーツにどんな印象をお持ちですか?
:最近はすごく盛り上がっている印象があります。
中村:うん。
:この前、コンビニスイーツを色々食べたんですけど、すごくおいしくて。これは売れるはずだ、みんな食べたくなるのわかる!と思いました。シュークリームひとつとっても、皮がパリッとしているのがあったり、ブリュレ風みたいなのがあったり、選択肢が増えてますよね。私もこの作品をやらせていただくことになり、色々と気にしてみているんですけど、頑張っても食べきれないくらいたくさんあったので、これからも研究にいそしみたいと思います。
中村:はははは。

―今回、コンビニスイーツを開発するということですが、コンビニ商品を開発するなら?
:私は具が豪華なのが大好きなので、具が豪華な……例えば、ラーメンの上にのりが10枚入ってるとか!
中村:特盛だ!
:です。高級なラーメンとか、野菜の種類が多いサラダとか。超豪華バージョンを作って、一発狙いたいと思います。
中村:僕はクジになりたいですね。
:クジ?
中村:はい、あるじゃないですか。いろんなものとタイアップして、フィギュアが当たるとか、グッズが当たるとか、A~F賞みたいな。あれになりたいですね。中村倫也クジ。特賞は何にしましょう?僕の爪とかにしましょうか?
:あはははは(笑)
中村:10個ぐらいなら出せるんで。コアなファンが買ってくれるかもしれないですね(笑)
―もうちょっと現実的なものだと……(笑)
中村:じゃぁ、僕のおすすめの座椅子。全然、僕とは関係ない人が作っている座椅子。
:座椅子?!おすすめがあるんですか?
中村:いや、探す。
森;今から探すんですか(笑)
中村:そうそう(笑)
―仲良しな雰囲気が伝わってきます
中村:基本、俺がひとりでしゃべってるんですよ。ね?
:え?……はい(笑)
中村:現場でも、こういうこと言うと、笑ってくれたりノってくれたりする。
―森さんはひたすら聞いてるんですか?
:人見知りがまだ完全にぬけきってないので。
中村:もういいっしょ。
:ダメなんです。
中村:そのうちいたずらを仕掛けてくれるのを楽しみにしています。
:頑張りたいと思います。三か月の間で。
中村:ぜひ。
:したいとは思っているんですけど……でもなかなか今は、まだ守るのに必死で。守るっていうか、攻撃をかわすことを考えるのに必死で。
中村:あはははは、攻撃ってなに?
:攻撃もそうですし……
中村:ちょっかい?
:あの、だ、、、
中村:あぁーーーー。芝居の?
:はい。こうげき、口の撃
中村:あ、口の撃と書いて口撃のほう?
:です。
中村:ですって(笑)

―森さんは初主演ですが、心境はいかがですか?
:あんまり考えないようにしています。考え過ぎちゃうとプレッシャーになってしまうので。中村さんがいるから、大丈夫だと。
―中村さんからアドバイスはありましたか?
中村:ないです、ないです。楽しんでやってもらえれば、それでいいと思います。
:がんばらなくていいよって言ってくれました。
中村:そうそうそう。
:そう言ってくれました。
中村:うん。力3割ぐらいでやればいいよって言いました。
:はい。

―『この恋あたためますか』というタイトル。お2人にとって恋の適温っていうのは、どのぐらいの温度だと思いますか?
中村:恋の適温。次、恋の適温って曲だそう!結構、いいフレーズだよ。
:恋の適温は、うーん、卵を500ワットで30秒ぐらい温めたぐらいです。なので半熟ぐらい。あんまり固ゆでしすぎず、半熟ぐらいの気持ちのほうが、楽なのかなぁって思います。
中村:そうですね…。恋の適温は10月2日ぐらいの気温ですかね。ちょうどいい朝晩の冷え込みと、昼下がりのぽかぽかした陽気と。そんなことで私たちの高揚もますます増し、きたる冬の厳しさをこえ、やがて春にいたる2人であった……
:すごい!!
中村:(話を)止めてくれた!
:止めました(笑)

―最後に『この恋あたためますか』のみどころをお願いします。
:全部、魅力的なんですが、樹木の垢ぬけない感じがどう変化してくのか。いろんな人と出会って、どう作用して、どんな大人になっていくのか、私自身も楽しみですし、皆さまにも楽しみにしていて欲しいなと思います。

中村:様々な目線で恋や仕事、生きることへの努力、夢が描かれる作品になっていると思います。分かりやすくいうと、家族で見ても楽しめる作品です!もちろん、ひとりで見てもいいですし、実家の犬と見てもいいですし、とにかく見て欲しいです。あとは、新谷のかっこよさ、一岡の乙女心、主人公の樹木に感情移入したりして、楽しんでほしいです。

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