ことば

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Q. 漢字の「漢」って、さんずいがついているけど、水と関係があるんですか? 小4・男の子
A.

漢字って、何で漢字というか知ってる?
漢字というのは、大昔、日本でいえばの「やよいじだい」ぐらいのときに中国に「漢」という大きな国がありました。その「漢の文字」とい意味です。その国は、中国の長い歴史の中でも中国を代表する国と言われていて、劉邦(りゅうほう)という人が作りました。その人が「カンチュウ」というところに都をつくるんです。そのカンチュウには「カン」という川が流れていたらしくって、その川の名前から来ているんです。だから、「漢」にさんずいがついているのは、どうやらその川に関係があるらしいんです。ただ、わかっているのはここまで。とてもむずかしい質問だけど、漢のさんずいは、どうやら劉邦がつくった国、「漢」の川にちなんでいるらしいですよ。


小学館国語辞典編集部編集長:神永暁 先生
Q. 漢字の「力(ちから)」とカタカナの「カ」の見分けがつかないんですけれども、どう違いますか? 小3・女の子
A.

辞典を見たら・・・同じだね。こういう時は、前後の文を読んで見分けます。たとえば、「腕にカがとまっていた」と書いたとき、「腕に“ちから”がとまっていた」とは読みませんよね。そうすると虫の「カ」がとまっているんだなぁと思います。そういう風に見分けるしかありません。力(ちから)もカもハネまでいっしょですからね。文字だけで見分けるのはとても大変です。だから、文字の見分けに力を入れるよりも、前後の文を見てその文をきちんと理解することに力を入れたほうがいいですよ。ちなみに、漢字の力(ちから)の場合は、「ハネ」の部分を必ず入れますが、カタカナの場合は「カ」のハネを書かないというやり方もあります。ただし、カタカナの「カ」の字だけ、文の中に出てくるということはなかなかないのでそういった場合は文の前後にカタカナがあるか見てください。
それに、漢字を書くときは、大きめに書くとバランスがいいというのもあるんで、「力(ちから)」と書いたときは、大きめに書いてきっちりハネを書くというのが良いのではないでしょうか?


明治大学文学部:齊藤 孝 先生
Q. 俳句(はいく)を作ったんで聞いてください。「おいしいな いつも給食 ありがとう」 小2・男の子
A.

こども:俳句(はいく)を作ったんで聞いてください。「おいしいな いつも給食 ありがとう」。

とってもいい俳句だと思います。これは給食を作ってくれている人たちに作ったのかな? これを聞いて私はとってもかんげきしてしまいました!! 俳句にはとてもたいせつな役わりがあります。それは、誰かにたいする「あいさつ」という役わりと、誰かに気持ちを伝えるという役わりです。俳句は、よくどこかの土地に出かけたときに作られることがありますが、それはその土地に対するあいさつなんですね。

じつは俳句にはその句を呼んだときの季節をよみこむという決まりがあります。その季節をあらわす言葉を季語(きご)といいますが、あなたのよんでくれた俳句には季語が入っていないので、季語を入れるといいでしょう。今の季節は、もう少しで節分(せつぶん)で、豆をおにに投げたりして、春をむかえていく時だよね。だから「春が来る いつも給食 ありがとう」なんて読むこともできます。
というのも「ありがとう」という言葉があれば、だいたいおいしい給食であることは分かりますよね。だからあなたの句にある「おいしいな」とよんだところに今の季節のキーワードを入れて作るとすてきだと思います。でも、はじめのうちはこのままでもじゅうぶんすてきです。

ここでひとつ、ぜひあなたにお願いしたいことがあります。それは、この句を紙か何かに書いて給食を作ってくれる人たちにプレゼントしてほしいということです。これを送ってもらったらうれしいと思いますよ。
本当に5・7・5というのは、自分の気持ちを伝えるにはとてもすてきな長さですね。


俳句の先生:黒田 杏子 先生
Q. 「朝のりんごとみかんは金」と言われたんですけど、どうしてですか? 小6・女の子
A.

たとえば、オリンピックには金メダル・銀メダル・銅メダルがあります。その金メダルの意味は1番という意味ですよね。「金」という色は、色そのものの意味のほかに、「1番いいですよ」という意味をもつことがあります。
ではりんごやみかんが何に一番いいかというと、それは「けんこう(けんこう)に良い」という意味なんです。日本にはこのほかに、りんごを一日1つ食べるとお医者さまにかからなくていいですよという意味の「りんご一個、医者いらず」という言葉も言われています。あなたは、りんごやみかんを食べたときどんな味がしますか? 

こども:ちょっとすっぱい

そう、すっぱいですね。りんごがすっぱいのは私が知っている一番のりゆうは、その栄ように「クエン酸(くえんさん)」というものがふくまれているからなんです。ちょうみりょうの「す」や「うめぼし」にもクエン酸があって、そのクエン酸が体にとても良いと言われています。
大人になると体の「つかれ」がなかなかぬけない時があったり、肩こりになったりします。それに「老化(ろうか)」といって、年をとるとなんとなくはだのハリがなくなったりして、おとしよりの感じに体がなってきますよね。そういう「老化現象(ろうかげんしょう)」をおさえてくれるんじゃないかといわれているんですね。体がけんこうだと目がキラキラかがやいたり、くちびるもなんとなく色がよかったり、ほっぺたがつるんとしたりしませんか? 女の子だからそういうの気になったりしませんか? そういう元気のもとになる栄ようがクエン酸なんですね。
いっぽう、みかんにはビタミンCというよく聞く「えいよう」がふくまれて、これもすっぱい味のもとですね。こちらも私たちのけんこうをまもってくれるんです。冬になるとカゼをひいてゴホンゴホンとしてしまうことがありませんか? ふしぎとこのビタミンCをふくむみかんとかクエン酸をふくむりんごはむかしから食べるとカゼをひかないようになったり、カゼがなおるといわれているんです。
中国の先生がおっしゃるには、くだものは食べるとおなかをひやしてくれたりするそうです。ねつがあるときに体をひやしてくれるといいでしょう。元気なときにあまり食べると体がひえすぎちゃうなんてこともあるそうだけど、「りんご」はちょうど良いひえぐあいになるんですよ。
じつはわたしも美容(びよう)とけんこうのためにりんごを良く食べています。それにしても、カゼがはやるときにちゃんとカゼをなおすくだものが育つというのがふしぎですよね。「りんごとかみかんなどが金だよ」といわれるのはそういうふうに体を守ってくれるたべものなんですよという意味なんですね。


女優:高木 美保 先生
Q. 慣用句(かんようく)とはなんですか? 小6・女の子
A.

話をするときに「たとえ話」とか「むかし話」とかを使うと、とてもうまくあいてに言いたいことがつたえられるということがあります。たとえば、それがカルタの形になっているのが“いろはカルタ”。「犬も歩けばぼうにあたる」という言葉がありますよね。これなんかは・・・今こども電話にはたくさんの電話がかかってきています。その中であなたの電話がえらばれました。「慣用句ってなんですか」という質問を「永六輔」に答えさせようとして選ばれたわけです。こういうのも「犬も歩けばぼうにあたる」と言います。こういう風にたとえ話を使って上手にお話をお話をするときに使うたとえ話を慣用句といいます。こうすれば短く相手に言いたいことを伝えられます。とても便利ですね。


放送タレント:永 六輔 先生
Q. あの漢字をべんきょうするときいつもぜんぶおぼえられず漢字テストで100点とれません。どうしたらいいですか? 小3・女の子
A.

あなたは何回ぐらい書いておぼえますか?10回ぐらい書くのかなぁ。

こども:4回ぐらいです。

4回ぐらいか。これは自転車に乗るのといっしょで、いちばんはじめはじょうずに乗れずにれんしゅうするよね。そのときいっぱいころぶでしょう? でも何回かころぶと乗れるようになってもうころばなくなるよね。それと同じで、何回もれんしゅうしているうちに「書けるようになる」というところが漢字のべんきょうにもあるんです。あなたがやっている「4回」は、自転車のれんしゅうでいうちょうど「ころんでいる」ところぐらいなんです。あと20回もやれば、ころばなくなりますよ。そうするともうずっとだいじょうぶになります。

■ここでポイント!…
漢字れんしゅうでも何でもそうなんだけれども「おぼえられないかなぁ」と思ってやると4回か5回ぐらいやってるうちにつかれてきます。でも「20回やったらもう大丈夫」と思ってやれば、20回でも元気にやれるですね。あと漢字はあるひとつの部分が、グループによって同じだったりします。たとえば「魚」にかんけいする漢字では「魚」という字が左がわにあって、右がわだけ違うものになります。たとえば、「鰯」とかくと「いわし」、「鰻」とかくと「うなぎ」など一部分がかわっているだけなんです。グループによって同じところがあるとおぼえると漢字もおぼえやすいよ。


明治大学:斎藤 孝 先生
Q. たなばたはなんで「七夕」と書くのですか? 小6・女の子
A.

学校でも「七夕=たなばた」とならいますが、よくかんがえるとどうがんばっても「七夕」を「たなばた」と読むことはできません。じつは「七夕」は、7月7日の夜といういみのことばで、もとは中国から入ってきたものなんですね。

むかしむかし「きこうでん」といわれたおまつりで、「おさいほうがうまくなりますように」などのねがいごとをおりひめさまとかひこぼしさまのお星さまにおねがいしていたのです。そのぎょうじがおこなわれていたのが7月7日の夜だったので「七夕」と書くようになりました。日本にさいしょに伝わったときは「七夕」とかいて「しちせき」と読んでいたそうなんです。ところが、そのうちもともと日本にあった「たなばたつめ」の言い伝えとそれにまつわるおまつりも「しちせき」といっしょにおこなわれるようになりました。

だから、それらとあわさって、七夕が「しちせき」から「たなばた」とよばれるようになっていったそうです。ちなみに「たなばたつめ」とは、秋のはじめに水の流れるばしょのちかくで布をおりながら、たくさんのたべものをしゅうかくできるようにしてくれる神様が地上にくるのをまつ「おんなのひと」ことをいいます。


プラネタリウム解説員:福永 則子 先生
Q. 短歌(たんか)と俳句(はいく)の違いを教えてください。 小6・女の子
A.

それぞれ使っていい文字の数がちがうのは知ってるかな?

短歌(たんか)は、5・7・5・7・7。俳句(はいく)は、5・7・5だよね。この俳句というのは、短歌(たんか)から生まれたものです。 俳句には短歌にある、うしろの7・7がないよね。 俳句は、短歌よりさらに字をみじかくしても、どれぐらいおおくものを言うことができるかなぁと出てきたものなんです。 俳句は、短歌のこどもということだね。

みなさん、俳句をつくるということはあまりないとは思いますが、ぜひ作ってみてください。 俳句を作ると言葉をみじかくして相手につたえたいことをつたえるくふうをするようになります。 よく電話でもだらだら話す人がいるよね。 俳句でも勉強しておけば、言葉のむだをはぶくようになります。


放送タレント:永 六輔 先生
Q. 小1の頃にくっつきの「を」のうしろに「、」はつけないとならったのですが、小3の算数の教科書には「みかんを、何個食べました」というふうに「を」のうしろに「、」がついていました。何でですか? 小4・女の子
A.

「。」は句点(くてん)、「、」は読点(とうてん)と言います。これはぶんしょうの切れ目とか言葉の切れ目につけるきごうです。たしかにこの「、」にかんしては「を」の後ろにつけることはふつうあまりありません。

しかし、この「、」や「。」は、「ぶんしょうの切れ目をここにしたい」というのをぶんしょうを書いている人がどうしても言いたいときに書くものなんですよね。

たとえば「私が、海に行きました」というぶんしょうを書くとすると「私が」の部分がとってもきょうちょうされますよね。それが「私が海へ、行きました」と言うふうにぶんしょうを書くと「海へ」のところがすごく強められるよね。

だから算数の教科書はきっと「みかん」と「何個」の部分を分けて考えてほしかったのではないでしょうか。


エッセイスト:神津 十月 先生
Q. 「たぬきねいり」はなんでたぬきでなくちゃいけないのですか? 小2・女
A.

たしかに「たぬきねいり」ということばはあっても、「パンダねいり」や「キリンねいり」はないですね。じつは、たぬきはおくびょうなどうぶつで、とてもびっくりすると、ぴたっとかたまって、うごかなくなってしまうのです。

だからむかしの人たちがそのようすを見ていて、「たぬきがねている」とおもったんだろうね。たぬきがうごかなくなるときは、大きなてきがとつぜんそばにきたりしたときなのですが、まったくうごかなくなってしまって、てきがとおくに行くととつぜんパッとうごいてにげるのです。きっとてきがゆだんしたところでにげるんでしょうね。

これは、たぬきがもっている、かわったとくちょうのひとつなんですね。このほかに、たぬきはおもしろいとくちょうがあって、自分のトイレを作るのです。「ためふん」というんですが、ウンチをあちこちではしないで、ひとつのばしょでするのですよ。


上野動物園  葛西 宣宏 先生

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