金八先生からのお話(インタビュー)

金八先生からのお話/インタビュー

ついにファイナルを迎えた「3年B組金八先生」。ファイナルを迎えるにあたり、武田鉄矢さんにお話を伺いました。


▼「ファイナル」と聞いて、どんな感想を持たれましたか?
お別れするときがきたと思っています。「最後という前提で番組を作ります」と聞いて、30年という時間の重さを感じつつ、30年継続してきた役を下ろすんだなあ、という思いでいっぱいです。
熟れた木の実が地面に落ちる自然さでの最終回です。正直言って「待ってました」という思いです。定年退職まで演じさせていただいて、役者として感謝しています。
金八が定年を迎えて桜中学を去ることも絶対にあることで、それこそ目指してきたものです。第1シリーズが始まったときは、半ば冗談で「桜中学を定年退職した金八が、一人であの土手を歩く」という未来を目指していましたが、まさか実現できるとは思っていませんでした。このゴールに辿り着けたということが奇跡的ですし、感謝しています。
皆さまに、きれいな日本語で「さようなら」と言える番組になって、本当に良かったと思います。
▼スタートしたとき、どう思われたか覚えていらっしゃいますか?
「その他大勢ではなく、オレもピンで出られるようになったんだ!」と嬉しかったですね。撮影スタジオのセットの裏に行くと、ベニヤ板に「金八」って書いてあるんです。「これはオレのセットだ、オレの舞台、教室なんだ!」と、その文字を指でなでたことをよく覚えています。
でも、新聞の番組欄とか、扱いが小さくて「TBS、やけくそな番組」とか書かれてしまって、自分に向かってくる重圧をひしひしと感じていました。
▼武田さんにとって、「金八先生」とは、どんな作品ですか?
60歳になった、今の顔、体つきを作ってくれた番組です。違う番組で育っていたら、今の自分はいませんでした。役者として、強気にもさせてくれたし、弱気にもさせてくれた、そんな番組です。
反響も大きくて、感想の手紙などはなるべく読むようにしていました。良い評判はアルコールのように酔ってしまうので、悪い評判もきちんと見て、冷ますようにしていましたね。
スタッフ全員が思っていることは、このドラマは「外していない」ということです。「自分たちは真摯に、まじめに作ってきた」というのが、最後を迎える直前の今、30年を振り返ってこみ上げてきます。
▼このドラマが愛されてきた理由はなんだと思いますか?
柳井プロデューサーが着目した「15歳」という舞台が支持されたんだと思います。15歳というのは、人生において最も共感を呼ぶ、人生の交差点なのではないでしょうか。最初に会ったときは思春期の顔をしていて、そこから俳優になる子、切り上げる子、それぞれ分かれていきます。これだけたくさんの生徒たちがいると、順調にいかなかったり、転落してしまった子もいます。でも、当時の同級生に再会したとたん、15歳に戻るんです。ぼくと1対1ではダメでも、仲間たちに会うと、笑いながらつらかったことや傷を負ったことを話せているんです。きっと、15歳というのは、人生をやり直す最初のポイントなんでしょうね。
▼印象に残った事件はなんでしたか?
全部です。15歳で妊娠とか、学校中のガラスを割るとか、「そんなことやっていいのか?中学生はそんなことしないんじゃないか?」と思っていましたからね。
でも、どんな重大問題を扱っても、作品が暗くならなかったのは、15歳の少年少女の明るさです。その明るさがいつも救ってくれて、それは30年たっても変わりません。
▼卒業生たちと会ったりなさいますか?
会うときには、いろいろなシリーズの生徒たちが一緒になっています。それぞれ強烈な想いを持って「15歳」の3年B組を通過したという自負があるようで、この「金八」という広場を通過したのは、先輩も後輩も変わらないんでしょうね。
初期の卒業生から怒られてしまうことがあるんですが、金八先生が卒業式で、生徒一人ひとりに言葉をかけるシーンがあります。何ヶ月も一緒にやっていると、自分の中でもドキュメンタリー的な要素が出てきて、出来の悪い子が頑張っていると、どうしても褒めたくなってしまうんです。そうするとえこひいきになってしまうので、全員のことを褒めるラストにしたんです。その評判がよくて、毎回やるようになったのですが、最初の頃にはなかったので「自分たちのときにはなかった」と今、すねられてしまって、困っています(笑)。
▼武田さんから、金八先生へ「贈る言葉」は?
心の中でずっと念じていたのは、金八は、隅を照らす人なんです。俯瞰で見る人ではなく、横に居る人で、彼のいるところだけ明るいような人なんです。
「ひと隅を照らす人、この世界の宝なり」ということでしょうか。
▼ファイナルの見どころを教えてください。
自己満足もあるかも知れませんが、すごい最終回です。なかなか言うことを聞かない男子生徒に手を焼く金八に、3BのOBやOGが陰に日なたに手を貸してくれます。過去のシリーズの決着もあって、20年30年かかったカットが次々に登場します。納得のいくところで金八とお別れしたいと思っていたので、とても良かったと思っています。
終わったら、疲れはどっと出るでしょうね。共演者の皆さんにも、たくさん学ばせていただいた番組でした。でも、30年よく締めくくったと言ってもらえるような、手締めのような美しい作品にしなければと思います。

最後に一言、金八の最後の授業を見ないと、みんな損するぞ!

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