インタビュー

今回演じる熊谷葉菜子を演じる上で気をつけているポイントというと？

　今までにない新しい役どころなので、とても楽しませていただいていますが、葉菜子を演じる上で特に“役作り”というものは意識していません。ビジュアルが重要な役やキメ台詞があるようなキャラクターの場合など、何かと決まっている方がかっこいいという役どころはキチンと役作りをして臨みますが、このドラマの場合は登場人物の会話やその場の雰囲気などで見せていくドラマだと思うので、カチッと決めて臨むのではなく、その場の空気を感じながら自然に呼吸して演じたいと思っています。

香取さんが演じる大介のような男性をどう思われますか？

　大介のように自分の世界を大切にしすぎて他人を受け入れない、干渉されるたびに気を立ててしまうような人は、それこそ一人で生活する方がよいと思います。香取さんがドラナビのインタビューで、「大介に似ているところがある」とおっしゃっていましたけど、香取さんは「何かを他人に触られたら、そっと自分で直す」と答えていらしたので、そういった方なら大介のような“こじらせ男子”ではないですよね。
　もちろん、大介という存在はドラマの登場人物としてコミカルに描かれていますが、良い悪いということではなく、一人が好きという方の中には、自分のペースやスタイルを他人に合わせて崩すなんてとんでもないと考えている人はいると思います。

風吹ジュンさん演じる律子さんと葉菜子の関係についてはどう思われますか？

　一見すると、とても仲の良いごく普通の親子関係に見えますけど、葉菜子にしてみれば友達のように距離を縮めてくる母親の存在は、ちょっと煩わしいと感じていると思います。「早く結婚しろ」とか「孫の顔が見たい」という母親の気持ちも理解はしているでしょうけど、余りに強く言われてしまうとプレッシャーになってしまいますし。ただ、この親子関係はどこにでもあるものだと思うので、ドラマを観てくれたみなさんに「それ、あるある」と感じていただけるとうれしいです。

このドラマのどんなところを観ていただきたいでしょうか？

　最近では家族で観たい番組が違っていて、それぞれの部屋にテレビがあって、家族バラバラにテレビを観ている家庭は多いと思いますし、一つのテレビを家族で観るという風景は少なくなっていると思いますが、日曜劇場という伝統のドラマ枠で、家族で楽しんでいただける作品だと思うので、ぜひ家族みなさんで観ていただけると嬉しいです。
　それとは別に、故郷を離れて一人で暮らしている方でしたら、家族の温かさを思い出していただけると嬉しいですし、一人暮らしのマンションに親が転がり込んできたらこんなことが起こるかも、というように疑似体験してもらうような楽しみもあると思います。
　子供の世代、そして親の世代と、それぞれ価値観や考え方に違いはあると思いますが、そんな親と子が一緒に暮らすことで起こる化学反応みたいなところを感じていただけると思うので、ぜひご覧ください。