7月4日[金]よる9時スタート
2014.8.29
みなさん、第9話はいかがでしたか?
一家心中に見せかけて家族を殺していたのは、葉子と大野だった!?
「あなたには真実を見る使命がある」と葉子と大野によって芳沢家へ連れてこられた游子。
さらに、浚介までも葉子と大野に捕まってしまい……。
游子、浚介、芳沢家の運命は?!
感想はファンメッセージまでお願いします。
さて早速ですが、第9話撮影の様子を紹介します。
游子が監禁されていたシーン、芳沢家でのシーン、浚介と渓徳シーンなど、気になるシーンがたくさんあったと思いますので……何回かに分けて紹介しますね。
昨日、現場レポートで紹介しましたが……綾女が油井を刺したシーン。
第9話では、油井が心の奥底にしまっていた“想い”を綾女に伝えましたね。
第8話を演出した山本監督がインタビューで、“印象的なセリフがある”とおっしゃっていたのは、
油井「お前たちが馬見原と楽しそうに遊んでいるのを見たとき、俺がどう思ったか分かるか?」
綾女「殺したいと思った?」
油井「俺も馬見原みたいな親父が欲しかったなって。馬見原みたいな親父だったら、きっと、俺を守ってくれたのになって。研司がうらやましかった……」
という部分。
油井は綾女と研司と楽しそうに過ごしている馬見原を憎んでいたのではなく、研司をうらやましく思ったとは……みなさん、想像できたでしょうか?
山本監督も「“俺もあんな父親が欲しいと思った”というセリフが素晴らしいなと。油井の全てがそのセリフに集約されているというか、馬見原と油井はお互いどこかでシンパシーを感じていたのかもしれないと思いました」とおっしゃっていて、原作・天童荒太さんから届いたアイデアに大変驚いたそうです。
そうそう、このセリフでお気づきになった方も多いと思いますが……油井は子供の頃、父親に虐待されていたという裏設定があります。ドラマの中はあまり描かれていませんでしたが、息子・研司を愛しているのに、愛し方が分からず傷つけてしまった油井の葛藤は……綾女に刺された瞬間に解き放たれ、至福の笑顔となって現れたのかもしれません。
自分の父親が馬見原のような男だったら、油井自身も馬見原のように綾女や研司に接することができたかもしれない……油井には馬見原が素晴らしい父親に見えていたんですね。佐和子や真弓が油井の言葉を聞いたらとっても驚くはずですが、馬見原は妻・息子・娘を守れなかったという懺悔の気持ちを、綾女と研司を守ることで償おうとしていたのかもしれません。ただ、その答えは馬見原にしか分からないので、次週放送の最終話で馬見原の決断を見届けてください。
と、少しそれてしまいましたが……このシーンの撮影は第8話から9話にかけて同日に行われました。椎村が油井を助けようと“救急車を呼ぶ”という部分では……。
谷田さん「“やめろ”というのは、いき絶え絶えだけども、ハッキリ言った方がいいですかね?」
坪井監督「そうですね。口調は強めでも大丈夫です。必死に止めるような感じがいいと思います」
谷田さん「まだ、この時点では意識もしっかりしているだろうし、“綾女を罪に問うな”という部分は油井の本当の思いなので、強めに言うと思うので」
坪井監督「そうですね。その後、徐々に息が途切れていく感じに」
谷田さん「はい」
などと、死に際に油井が真情を吐露する部分を丁寧に話し合い。
そんな油井を見つめる椎村に関しては……。
平岡さん「油井と綾女の話を聞いていた方がいいですか?救急車の手配とか、別のことをしていた方がいいですか?」
坪井監督「この時点では、まだ立ち上がる力はないかなと」
平岡さん「はい」
坪井監督「油井が“馬見原のような父親が欲しい”という思い、椎村にも油井の気持ちが分かるというか……馬見原を信じたいという気持ちは椎村も自分の父親と馬見原を重ねているような……そんな思いがあってもいいのかなと」
平岡さん「分かりました。その思いを胸に2人の会話を聞いていたいと思います」
と話し合っていた平岡さんと坪井監督。
綾女と油井の会話を聞く椎村の表情からは、馬見原を嵌めた油井への憎しみではなく、救えなかったやるせなさが滲み出ていましたね。
また、水野さん、谷田さん、坪井監督は “綾女に想いを伝えた油井は手を差し出すも、綾女が握ろうとした瞬間に息絶えてしまう”という綾女と油井のやりとりを相談しながら作り上げていました。
そうして向かえた本番で水野さんはカットが掛かるまで、息絶えた油井の頬に触れたり、愛おしそうに頭を撫でたり、綾女の思いを溢れんばかりに演じられていて……モニターで見ていた坪井監督らスタッフの瞳はウルウル。
あんなに酷い男なのに、“自業自得”だとか“いい気味”だとか言えない油井の最期は……視聴者のみなさんにとっても思うところがあるのではないでしょうか?
油井を演じた谷田さんは、「油井って本当に最悪でどうしようもない男なんですけど、綾女に対して死ぬ間際に想いを吐露できてよかったなと。やっと素直に泣けたというか、人間らしい油井が見られて嬉しく思います」とおっしゃっていて、とても印象に残るシーンになったそうです。
その後……。
綾女は正当防衛が認められ、馬見原も冤罪で釈放。
「油井も藤崎さんも、みんなどっかで間違っちゃったんだろうな……」という椎村に、馬見原は「……人は、やり直せる……間違っても、いつだって、やり直せる」とつぶやきましたが、それは馬見原自身が“そうであると信じたい”と思っているからこその言葉なのでは?とジーンとしてしまったWebスタッフ。そうそう、もうひとつ……
馬見原「家族持ちは狙われやすいんだ」
椎村「失うものが大きいってことですか?」
馬見原「どこにも売ってないからな」
この言葉もサラっと馬見原の口から出たものですが、なんだか馬見原と油井がリンクしてしまい、切なくなってしまいました。
さてさて。みなさん、綾女と油井のシーンはいかがでしたか?
まだ9話の前半10分くらいまでしか紹介していませんが……今日はこの辺で失礼します。
次回のレポート、そしていよいよ次週・9月5日は最終回ですのでお楽しみに!!