「覚悟がなければ逃げ腰になる」。
そういって犯罪集団を監視するためにカメラをむけ、シャッターを切り続けた96歳の老人がいる。彼が撮影した写真は1000枚。闘いは3035日間にわたる。
雄大な富士山が見えるのどかな農村。山梨県・上九一色村(当時)。30年前の1995年3月22日。人口1779人の村に2500人もの警察官の姿が。目的は宗教団体の強制捜査だ。
96歳の老人が闘ったのは、日本の犯罪史上に残る無差別テロ・地下鉄サリン事件などを起こした宗教団体・オウム真理教。上九一色村にサティアンと呼ばれる教団施設を多数建設し、信者を出家させて修行をおこなっていた。しかし、おこなっていたのは修行だけではない。教団の教義・思想を実現するために毒ガスなどを作り、数々の凶行をおこなう。
“上九”と呼ばれた小さな村を舞台に、山梨の人々が次々と巻き込まれていった。施設の建設に携わった人、強制捜査に加わった人、信者の子どもの保護に奔走した人、そして、毒ガス製造工場の解体した人。
いま明かされる新事実を含め、当時の人々の証言から30年前の真相に迫る。
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