「自分にとって最後の逃げ場が山しかないなと思って…」
根石岳山荘の小屋番佐藤さんの言葉だ。都会に疲れて山の仕事を選んだ。またある小屋番は言う「不便を超えれば充実感がある」と。
小屋番という職業をあえて選ぶ人たちが居る。山小屋を営む者たち、小屋番。
長野県と山梨県を跨ぐ八ヶ岳中信高原国定公園。八ヶ岳は「コヤガタケ」と呼ばれるほどに山小屋が多いのが特徴だ。このドキュメンタリーでは、山岳写真家菊池哲男が八ヶ岳の山小屋を巡る。時間を掛けた撮影で山の多彩な美しさを描き出すとともに、山で暮らすことを選んだ小屋番たちの日々を切り取る。
物価高騰、人材不足、遭難事故の増加、温暖化の影響など、世代交代も重なり、小屋番たちもまた模索の時だ。
コンビニもない、車もない、自然と向きあう小屋番の日常は「過酷」だ。それでもその「過酷」を選ぶ理由が山にあるという。
小屋番たちの言葉は、忙しい現代社会に生きる私たちに優しく響く。
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