今や全国の課題となった、クマとの共存。その危機に直面し、いち早く解決の糸口を見つけ出した村が、北海道にある。
日本海に面し、豊かな山々に囲まれた島牧村。2018年の夏、毎晩のようにヒグマが住宅地に現われ、庭や小屋を荒らした。取材を進めると、出没の原因が「人間社会」にあることが見えてきた。
さらに被害が長期化するうち、クマの出没対応をめぐって村の人間関係に“溝”が生まれた。クマが出ても、ハンターに出動を依頼できない事態に陥る。
クマ対策の陰に隠れた「民主主義の課題」に気づいた住民たちが、少しずつ村を動かしていく。人間関係の“溝”とも向き合い、地道な努力で、村は北海道内でも“クマ対策のトップランナー”と呼べる存在へと変わった。
一方で全道・全国では、村の教訓が生かされず、出没や事故が繰り返されている。 過渡期を迎えた、クマと人の関係性。小さな村がクマと向き合い悩んできた6年間から、全国につながる対策のヒントを考える。
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