大阪、福島区の商店街近くに自立支援施設「良心塾」はあります。ここは、刑務所や少年院で過ごした人たちが、自立して生活できるよう支援をしています。「良心塾」で支援するのは、親や親族から引き取りを拒否され、行き場を失った人たちばかり。

運営している黒川洋司さんは、元暴力団組員。過去に傷害事件で逮捕されたことがあります。「"親"の役割を果たし、支える人がいれば、必ず人生は変えられる」。そう考え、10年前に活動を始めました。

2018年、黒川さんに助けを求めた1人の女性がいました。彼女もほかの人同様、まともに親に育てられた経験がありません。「私は大人の奴隷、生きる価値なんてない」。大人を信用できず「どうせ黒川さんも自分から離れていくだろう」とわざと問題を起こし、黒川さんに迷惑をかけ続けました。それでも黒川さんは諦めず、常に寄り添い続けます。やがて、女性に少しずつ変化が...。黒川さんに支えられながら"生きなおす"女性の姿をカメラが追いました。