福岡県飯塚市出身の画家・野見山暁治さん。2021年の12月で101歳になった。東京練馬と福岡県糸島市、ふたつのアトリエで今も筆をとる毎日だ。野見山さんの絵は、いわゆる抽象画。そのスケールと、独特の世界観が見るものを圧倒する。
福岡の炭鉱町に生まれ育った野見山さん。東京美術学校(現東京芸術大学)で学んでいる最中に日米が開戦、兵隊となって満州の前線に送られた。野見山さんは、戦後、戦没画学生たちの遺族を訪ね、その絵を集める活動を行う。そうして集められた戦没画学生たちの絵は、現在長野の美術館「無言館」で展示されている。自らの戦争体験と、そうした学友たちの絵をたどった経験は、野見山さんの心に深く刻まれた。
九州の片田舎から、東京の美術学校へ。戦争を経験し、さらにはパリへ。100歳を超え、なお飽くことなくキャンバスに向かい続ける野見山さんの今と、その思いに触れたい。
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