「家族みんなで支えていたことが、さっちゃんにとって本当に幸せだったのだろうか。辛い辛いで生きていたのではないだろうか」
浅川幸子さんの一周忌で、兄一雄さんは涙を拭った。
地下鉄サリン事件で重い障害を負った幸子さん。一雄さん一家が自宅で介護してきたが、幸子さんは去年3月、亡くなった。
松本智津夫元死刑囚らオウム真理教元幹部13人の死刑執行から、3年。オウム真理教の後継団体は、今も活動を続けている。一雄さんは「事件を知らない子がたくさん入信していると聞く。過去に何があったかを見てもらって、自分たちがどういう団体に携わっているかを考えてほしい」と話す。
全身マヒや言語障害など、重い後遺症に悩まされながらも、懸命に生きてきた幸子さん。傍らには、いつも寄り添い続けた一雄さん一家の存在があった。
サリン被害者家族の25年の記録。
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