
オーストラリア大陸北西部、キンバリー地方にパーヌルル国立公園はある。
オレンジと黒の縞模様が特徴的なこの岩山は、ビーハイブ(蜂の巣)と呼ばれている。パーヌルルとは、先住民族・アボリジニの言葉で「砂の山」を意味するその言葉どおり、岩山は砂岩で出来ている。
2000万年という長い年月をかけ、雨風が削り出した、驚くべき大地の姿だ。 |
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まるでどこか別の惑星のような不思議な世界・・・
ここは、エキドナ・キャズム(ハリモグラの深い裂け目)という場所。
裂け目の成り立ちについて、ハリモグラの伝説が今も語り継がれている。
パーヌルルはアボリジニの聖地でもあるのだ。 |
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パーヌルルの季節ははっきり2つにわかれる。湿潤な雨季と、雨が全く降らない乾季。
乾季になると川は完全に干上がり、川底にある無数の浸食跡を見ることが出来る。
これら奇妙な風景が世に広く知れ渡ったのは、わずか20年ほど前、1980年代のこと。
オーストラリア最後の秘境とも言われている。 |
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パーヌルルでは12月から3月までのわずかな間に年間降水量のほとんどが降る。局地的な集中豪雨で、川は氾濫し、人はこの地に入ることすら出来ない。
しかし、この“恵みの雨”のおかげで、多くの命が育まれる。おおいなる自然がつくり上げた岩の迷宮・パーヌルルは、その懐に豊かな命の営みを秘めてるのだ。 |
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