
アジャンター石窟群とは、インド中部のデカン高原に造営された仏教寺院群である。18世紀初頭、この地でトラ狩りに興じていたイギリス人士官が、うち捨てられた人工の洞窟を偶然に発見した。 |
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第1窟の蓮華手菩薩像。アジャンター石窟群には、1000年以上前にテンペラの技法で描かれた壁画が大量に残されていた。現在のインドには見られない優れた表現と技法は絵画芸術の至宝といわれ、インド政府により厳重に保存措置が取られている。 |
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「チャイティヤ窟」と呼ばれる26窟。「チャイティヤ」とは「聖なるもの」を意味する。縦長の石窟の奥にストゥーパを配した構造は紀元前の第10窟から引き継がれている。天井には本来必要のない木造建築の梁の構造が再現して彫り抜かれている。 |
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未完の石窟。インドに発祥した仏教はヒンドゥー教の台頭とともに紀元7世紀頃から衰退し始めた。アジャンター石窟群も宗教史のうねりの中でその役割を終えて、放棄された。しかし、その石窟の様式はアジアのバーミヤーンや中国の敦煌などにも伝わった。 |
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