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みどころ

後期 古典主義的画風

1630年代半ばまでには古典主義的な作風が固まります。初期の自然主義的で光の効果を駆使したドラマチックな表現は影をひそめ、代わって画面には明るい光を当てられた理想的な人体像が、調和と均衡を保って配置されました (fig.10fig.11)。本展では女性像と宗教主題のふたつのセクションに分けて、グエルチーノの後期の絵画を概観します。作品を通じて、西洋のアカデミックな絵画の流れを決定づけた古典主義とはどういうものなのかを知ることができるでしょう。

本展ではまた、ボローニャのグイド・レーニ (1575-1642年) の作品も2点展示します。理想美を追求したレーニの優美な絵画を、この時期のグエルチーノは特に意識していました。レーニが歿した直後にボローニャへ移住したグエルチーノは、レーニの地位を襲ってこの町の重要な注文を数多く引き受けるようになります。両者の女性像を並べて見ることで (fig.12fig.13fig.14)、画家同士のライヴァル関係に思いを馳せることもできるでしょう。

fig.10
グエルチーノ
《説教する洗礼者聖ヨハネ》
1650年 油彩/カンヴァス 321×196.5cm
チェント市立絵画館

fig.11
グエルチーノ
《ゴリアテの首を持つダヴィデ》
1650年頃 油彩/カンヴァス 120.5×102cm
国立西洋美術館

fig.12
グエルチーノ 《スザンナと老人たち》
1649-50年 油彩/カンヴァス 132.5×180cm パルマ国立美術館

fig.13
グイド・レーニ 《巫女》
1635-36年 油彩/カンヴァス 74.2×58.3cm ボローニャ国立絵画館

fig.14
グイド・レーニ 《ルクレティア》
1636-38年頃 油彩/カンヴァス 101.5×82cm 国立西洋美術館


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