森村誠一サスペンス おくのほそ道迷宮紀行

2018年6月11日

あらすじ

イメージ

月岡かさね(清水ミチコ)が主催する俳句の会に参加していた刑事の幸村あかり(松下由樹)は、パトカーのサイレン音に気づき、近くのホテルに急行した。ホテルの女性客が死体となって発見されたのだ。すでに那須猛(中村梅雀)と第二強行犯捜査第四係(通称:那須班)のメンバーが捜査を始めていた。あかりは翌日から那須班に配属されることが決まっており、捜査に合流する。

被害者は、平泉にある老舗旅館の女将・日高晴子(片岡礼子)だった。晴子の夫・耕一(阿南健治)が身元確認のために平泉から上京。悲しみに暮れる中、国会議員の小松原正之(西郷輝彦)が突然やってくる。小松原は耕一に有無を言わせず、自分が晴子の遺体を平泉に連れて帰ると決めてしまう。

晴子の手帳には旅館の経営に悩んでいたことが綴られており、自殺と思われたが、その後の捜査会議で、那須は司法解剖や現場の状況から他殺であると推理する。そこへあかりが、晴子の手帳に「夏草や水脈たどり逢ふ夢の跡」という、松尾芭蕉の句に自分の心情を重ねて被害者が詠んだ俳句が気になったと発言。全てを明らかにするには平泉に行くしかない。那須とあかりは現地に向かう。

平泉では、小松原の秘書・橋口則夫(黄川田将也)が二人を迎える。橋口は、小松原と晴子は師弟関係にあったと語る。岩手の未来を担う若手経営者として小松原は晴子に期待していたという。

晴子が女将を務めていた旅館を訪ねると、仲居頭の藤原きよ(ふせえり)は、晴子が取り引きのある造り酒屋・針生酒造とトラブルを抱えていたと証言する。針生酒造は創業100年という老舗ながら、長男の針生俊司(的場浩司)は家を出て漁労についており、次男の敏彦(斉藤陽一郎)と三男の省吾(尾上寛之)が跡継ぎをめぐって争っていた。

捜査が進むにつれ晴子と針生家、そして小松原のつながりが明らかになる。あかりは酒造の関係者を事件のあったホテルで見かけたことを思い出すがその人物も殺害される。同一人物による凶行なのか?
ひらめいたことをすぐ口にするあかり。冷静に現場を眺めて合理的に真実を見抜こうとする那須。捜査手法の違いはあるが互いを認めている二人。はたして、事件の真相に辿りつくことができるのか?