月曜名作劇場特別企画『横山秀夫サスペンス 刑事の勲章』

2016年4月25日

解説放送あり

あらすじ

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平成13年3月。県警に人事の季節がやってきた。県警警務部警務課の調査官・二渡(仲村トオル)は部下・上原(長谷川朝晴)を昇進人事で高田署刑事官として送り出した。刑事官は刑事部門の統括者だが、上原は管理部門で生きてきた男で現場経験はない。そんな自分に刑事たちのまとめ役が務まるのか。上原はかつての先輩・大和田(北見敏之)に二渡人事の愚痴をこぼす。 翌日、刑事官拝命の初日に迂闊にも遅刻してしまう上原。しかも、高田署の刑事課では殺人事件の捜査会議が行われていた。皆から管理畑出身だと知られている上原は、刑事課長の野本(山中聡)からOB会の世話をしてほしいと事実上の厄介払いをされてしまう。その頃、二渡は自ら提案し試験運用されることになった「警察手帳の一括保管」の状況確認のため高田署を訪れていた。刑事を中心として“刑事の魂”を事務方に取り上げられたくないという抵抗が多く署全体では運用されていないが、集められた手帳は警務課主任の大和田と部下の神谷(細田善彦)が指差し確認の上保管庫で管理されていた。
その夜、OB会主催の上原着任歓迎会が催された。上原のことを心配する二渡が会場を訪れると、歓迎会とは名ばかりでここでも上原は邪険に扱われていた。さらに“動の湯上沢”(石橋蓮司)と呼ばれた元エース刑事にバカにされてしまう。しかしその直後、湯上沢と同期の“静の葉山”(寺田農)が上原に何かをつぶやく。湯上沢と葉山は現役時代からライバルで、退官した今でもライバル意識を燃やしていた。
数日後、高田署から保管していた警察手帳30冊が盗まれたと連絡が。県警警務部長の赤間(滝藤賢一)は3日間で解決するよう監察課次席の新堂(矢島健一)に内部調査を命じる。二渡は新堂と共に高田署での取り調べに挑むが、どう考えても実際に手を下せるのは大和田しかいない。しかし実直で退官まで1年あまりの大和田には動機がない。逆に刑事たちの反発は予想以上に強く全員に動機があるが、手段はない。大和田に動機があるとすれば……。二渡は七尾(和久井映見)との何気ない会話から解決の糸口を見出す。