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水曜劇場 夫婦道

水曜よる9時


ザ・お茶道

番組でお茶指導を担当する“極茶人”比留間嘉章氏が、お茶に関するウンチクやよもやま話を紹介するコーナー。ここをチェックすれば“お茶ツウ”になれる!?

第9回目のテーマ 茶摘みについて[その2]

摘採の方法は…?

茶葉の摘採方法には昔ながらの「手摘み」と、機械を使う「機械摘み」があります。作業効率のよさから、現在は機械摘みが主流となっていますが、高級なお茶を作るための品質を重視した摘採には、まだ手摘みで行われています。なぜかというと、機械摘みでは茶樹の上部をまとめて刈り取るので茶葉の細かな選別が難しく、品質を一定に保ちづらいから。その点、手摘みの場合は、一つひとつ茶葉を確認しながら摘採するので、それだけ質のよい茶葉を選んで摘むことができ、高級なお茶を作る際には欠かせない摘採方法なのです。

機械摘み

摘採用の機械にはいくつかの種類があります。中でも、いちばんポピュラーなものが、「夫婦道」のオープニングにも登場する「可搬型摘採機」。茶樹をまたぐように2名で持ち、大きなバリカンのような部分で茶葉を刈り取っていく機械です。これを使うことで、手摘みだと1人当たり1日10キロ前後しか摘み取れないところを、その何十倍もの効率で摘採が可能となります。

この「可搬型」のほか、茶樹の左右に敷いたレールに沿って、機械が移動して刈り取る「レール式」や、トラクターのように人が乗る「乗用式」などもあります。

手摘み

「茶摘み」という言葉を聞いて思い浮かぶのが、“茜たすきに菅(すげ)のカサ”という茶摘み装束で行われる「手摘み」の茶摘み風景でしょう。現在主流の「機械摘み」に比べて、作業効率は著しく落ちますが、茶葉を一つひとつ確認しながら摘むので、高級茶を作るための品質にこだわった摘採には欠かせない方法です。

茶葉の摘採は、茶樹の先端に生える新芽の部分だけを摘み取りますが、その摘み取り方の目安として3つほど分け方があります。まず、先端から2枚の葉が付いた部分のみ摘み取る「一芯二葉」という摘み取り方。これは、茶葉の中でもいちばんおいしい先端部分の葉のみを摘み取る、最高級のお茶を作るために用いられている摘採方法です。先端から3枚目の葉までを摘む「一芯三葉」は、少しランクは落ちますが、こちらも品質のよいお茶を作るための摘み方として行われている方法です。一般的な手摘みの場合は、先端から4〜5枚目の葉を摘むのですが、それでも「機械摘み」に比べて、相当に手間のかかる作業だということには変わりはありません。

このほか、“芽を折って摘む”のか、茎をしごいて“葉と柔らかい茎部分を摘む”など、手の使い方にもいくつかのバリエーションがあります。

比留間嘉章(ひるまよしあき)プロフィール

1977年に「茶の世界」に入ると、深蒸し茶の製造を中心に手揉み茶、微発酵煎茶の製造に取り組む。氏が作り上げた究極の淹茶法「八重奏(ヤエノカナデ)」は「これがお茶の味か!?」と、誰もがビックリするはずだ。
全国手もみ茶振興会理事、埼玉県手揉茶保存会会長、狭山火入れ保存会会長、全国手もみ茶振興会認定師範、
日本特産農産物マイスター「手もみ製茶」、日本茶業中央会認定「日本茶インストラクター」
HP「極茶人のこだわり」http://hiruma-en.ddo.jp/