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水曜劇場 夫婦道

水曜よる9時


ザ・お茶道

番組でお茶指導を担当する“極茶人”比留間嘉章氏が、お茶に関するウンチクやよもやま話を紹介するコーナー。ここをチェックすれば“お茶ツウ”になれる!?

第6回目のテーマ お茶の作り方について[その3]

釜炒り茶の作り方

文字通り生の茶葉を釜で炒る、お茶文化の黎明期から続く中国伝来の製法です。釜炒り茶の特徴は、“釜香”と呼ばれる香ばしい香りと、すっきりとした飲み口。日本国内では、佐賀県の嬉野茶のほか、熊本県〜宮崎県の山間部で作られている青柳茶が有名。

釜で炒って高温をかけることで酸化酵素の活性を止め、水分を飛ばして茶葉にするもので、手順としては、摘採された茶葉を直火にかけた釜に入れて、炒りながら攪拌し、茶葉がしんなりしたところで釜から出して圧力をかけて揉み、また釜で炒るという作業を数回繰り返すというもの。焦がさないように炒り、十分に水分が抜けたら完成。真っ直ぐな煎茶の茶葉とは違い、縮れた形の茶葉となる。

手揉み茶の作り方

「手揉み茶」とは煎茶本来の製造方法で、その名の通り茶葉を揉む工程を、すべて手作業で行うというものです。蒸熱して冷却した茶葉を、さまざまな揉みの工程により煎茶にしていきます。その工程をざっと紹介すると、

■葉振るい
蒸熱〜冷却した茶葉の水分を飛ばす、揉み工程の準備段階。
■回転揉み
「軽回転」から「重回転」と力の加減を変えて揉む。
■玉解き
重回転でできた茶葉の拠れを解きほぐす。
■中上げ
焙炉(ほいろ)と呼ばれる作業台から茶葉を一旦出して、掃除をすること。
■揉み切り
茶葉を焙炉に戻し、両手を擦るようにして揉み、茶葉に拠りを付けていく。
■転繰り揉み
「散らし転繰り」から「強力転繰り」力の加減を変えて、さらに拠りを付けていく。
■こくり
茶葉の形を整える。
■乾燥
仕上げの乾燥。

以上の工程を経て、手揉み茶の荒茶の完成です。この状態でもおいしくいただけますが、商品としての完成度を高めるために、長さを切り揃える〜選別などをした後、仕上げに乾燥させて完成となります。

抹茶の作り方

抹茶とは、専用に加工された「てん茶」と呼ばれる茶葉を石臼で挽いたもの。この「てん茶」の作り方は、「玉露」と同じく遮光して栽培した茶葉が使われますが、煎茶のように揉む作業はせず、蒸したあとはそのまま乾燥させて、茎を取り除いたものが「てん茶」となります。大まかな作業工程は、「摘採」→「蒸熱」→「冷却〜攪拌」→「乾燥」→「つる切り(茎の除去)」→「再乾燥」となります。

こうして出来た「てん茶」の荒茶を選別や整形を行い、「仕上げてん茶」として加工したものを合組して、出荷の直前に石臼で挽いて「抹茶」の完成となります。

比留間嘉章(ひるまよしあき)プロフィール

1977年に「茶の世界」に入ると、深蒸し茶の製造を中心に手揉み茶、微発酵煎茶の製造に取り組む。氏が作り上げた究極の淹茶法「八重奏(ヤエノカナデ)」は「これがお茶の味か!?」と、誰もがビックリするはずだ。
全国手もみ茶振興会理事、埼玉県手揉茶保存会会長、狭山火入れ保存会会長、全国手もみ茶振興会認定師範、
日本特産農産物マイスター「手もみ製茶」、日本茶業中央会認定「日本茶インストラクター」
HP「極茶人のこだわり」http://hiruma-en.ddo.jp/