日立 世界ふしぎ発見!

毎週土曜日 よる9時〜

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2021年12月11日 よる9時から放送

第1618回

屋久島・熊野
―神秘の滝絶景―

ミステリーハンター

村雨 辰剛(むらさめ たつまさ)

1988年7月25日、スウェーデン生まれ。日本に興味を持ち日本語を勉強。来日して語学教師などを経た後、日本の伝統的な仕事を求め造園業の道へ。日本国籍を取得し現在は庭師とタレント業をこなす。趣味は筋トレ、盆栽。ミステリーハンターは今回で5回目。

ミステリーハンター

副島 淳(そえじま じゅん)

東京都出身。俳優として数々のドラマや映画に出演。趣味は、バスケットボール、映画・舞台鑑賞、スポーツ観戦、温泉。大好物はラーメン。ミステリーハンターは今回で9回目(スペシャルの回は含まず)。

国土のおよそ70パーセントを山が占める日本。急峻な山々には大小の滝が数多くあり、その数何と5000以上!日本は世界屈指の滝王国なのです。豊かな水を湛えた壮大で優美な滝を、古来日本人は愛で崇めてきました。そんな日本人のスピリットに迫るべく、屋久島へ向かった村雨辰剛さんと、熊野を訪れた副島淳さんにお話を伺いました。

太古の原生林が残る屋久島
特殊な地形が生む滝の魅力とは?
そして屋久島最大級の滝へ!

僕は庭師という職業柄、造園における滝を学んできました。日本庭園には、お庭に小さな滝を造ることもありますし、水は流れないけど石で滝を表現した枯山水があります。石の組み方はたくさんあって、それが僕の滝のイメージとなっていました。そして今回屋久島では、今まで見たことのない形の滝を見ることができました。これまでのイメージを覆すような滝もあり、感動と共に学びのある取材でした。屋久島にはたくさんの滝がありますが、バラエティに富んだ形の滝が見られるのが魅力です。滝の宝箱のようでした!

登山道を歩き屋久島最大級の滝、蛇之口滝へ
「原生林の迫力にも感動しました!」(村雨さん)

屋久島では、魅力的な滝をたくさん見ましたが、中でも一番印象的だったのは、やはり蛇之口滝です。およそ4キロの登山道を3時間くらいかけて登り、辿り着いた滝です。落差135メートルは屋久島でも最大級なのですが、滝壺からは頂上が見えずそのスケールの大きさがわかりません。その雄大な全貌を見るために、熟練のガイドとクライマーの方にサポートをして頂き、滝登りにチャレンジしました。水量の少ない秋冬の時期は滝を登り、頂上まで行けるのです。想像以上に大変でしたけど(笑)。水に濡れた所は滑るので途中不安がよぎることもありましたが、頂上で見た光景はそれを忘れさせるような素晴らしさでした。専門の知識や装備がないと行けない所なので、昔の人は来ることができなかったでしょうね。ここまで来た人はあまりいないと思うとより特別な光景を目にしている気がして感動もひとしおでした。

巨大な岩盤を登り滝の頂上へ
傾斜角度は45度!

自然の美しさは、人に元気を与えてくれます。そして2021年も残りわずかになりました。美しく清々しい屋久島の滝をご覧になった皆さんが、滝から活力をもらって、よし!来年も頑張るぞ、いい年にするぞ!と感じて頂けたら嬉しいですね。(村雨辰剛さん)

滝行に日本人の心の原点あり!?
その神髄に迫るため
聖地熊野にある名瀑・那智の大滝へ

僕が那智の大滝へ行って、まず驚いたのはこの有名な滝がご神体でもあるということ。那智で修行をしている山伏の方々はもちろん、古来ここを訪れた人たちが滝を拝んでいたということが驚きでした。那智の大滝がこの聖地の象徴だということは理解できるのですが、手を合わせる先が滝?と。その一方で、那智の大滝を見た時に神々しいと感じたんです。それはこれまで滝を見た時には感じたことのない感情でした。神聖さというのは、脈々と続いてきた人の思いによっても生まれるものなのですね。

美しく荘厳な那智の大滝は、古くから多くの人を魅了し、そして崇められてきましたが、那智の修験者の方たちにとって滝は、崇めるだけでなく修行の場でもありました。2日で48の滝を回るという過酷な修行を復活させた高木住職に教えて頂いたお話は、さらに驚きの連続でした。ご住職は、多くは場所も分からなくなっていた滝を、お寺にあった絵巻をたよりに全部見つけ出したのです。絵巻の滝は緻密に描かれているのですが、すべてが那智の大滝みたいに大きくわかりやすい滝じゃないですし、周囲の植物は描かれた当時と変わっているので見つけるのは本当に大変だったそうです。

那智熊野大社のご神体でもある
那智の大滝

青岸渡寺の高木亮英住職に見せて頂いた
48の滝を描いた「那智四十八滝絵図」

今回特別に、高木住職はじめ山伏のみなさんに、四十八滝の二の滝に案内して頂きました。みなさんと共に山道を歩き、二の滝に辿り着いた時には、滝に向かって自然と手を合わせている自分がいました。スゲェ、カッコイイ!じゃなく、まずありがたいと思ったことにびっくりです(笑)。

四十八滝の修行では、ただ滝を巡るだけでなく滝壺に小一時間身を沈めます。しかも厳冬期に、ですよ!常人にはできないことですが、苦痛を乗り越えると、自分が無になり自然と一体になった感覚になるそうです。そういった領域までは、僕は一生辿り着けないと思いますが、古来日本では自然を神と崇めてきたという教科書で読んだ知識が、自分にもその感覚はあるんだ、まさにそうだ!と思えた体験でした。(副島淳さん)

こぼれ話

村雨辰剛さんの屋久島こぼれ話をお楽しみください。

造園のお仕事にもプラスになった
屋久島での体験

今回の取材は、さまざまな滝を見ることができたとても貴重な体験でしたが、屋久島の森を歩けたことも嬉しかったです。屋久島は広大な原生林のある島として行ってみたいと思っていた場所だったのです。ですから森を歩いた時には、少し興奮気味でした。木々や植物を見るのが楽しかったです。屋久島の森は、落葉樹が少なく、標高によって植生が違うのが興味深かったですね。またヒメシャラやサルスベリなど普段庭木でよく扱う木も、自生している木はこんなにも迫力があるのか!と感動しました。
そして実は屋久島の取材のお話を頂いた少し前に、枯山水のあるお庭を造る仕事も頂いていたのです。屋久島ではこれまでのイメージを覆すような滝を見ることができたので、造園の滝も型だけにこだわらずもっと柔軟に考えてもいいんじゃないかと思うようになりました。屋久島での体験を活かして、これから造園の仕事に挑もうと思っています。とても楽しみです!(村雨さん)

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