日立 世界ふしぎ発見!

毎週土曜日 よる9時〜

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2019年4月20日 よる9時から放送

第1511回

摩訶不思議、新!生きもの王国・スリナム!?
女ムツゴロウがミステリーを徹底解明!

ミステリーハンター

篠原 かをり(しのはら かをり)

1995年2月20日生まれ、神奈川県出身。慶應義塾大学卒業、同大学院に在学中。趣味はクイズ、金魚すくい、昆虫採集。特技は生物、執筆。著書は「フムフム、がってん!ビックリ仰天いきものクイズ」(文藝春秋) など。
ミステリーハンターは今回が初めて。

今回「世界ふしぎ発見!」に初めて登場するのは、摩訶不思議な絶景が広がり、近年新たな生き物の発見が続くスリナム!ミステリーハンターは女ムツゴロウこと篠原かをりさんが初挑戦します。一体どんなレポートに…?

国土の85%がアマゾンの熱帯ジャングル!印象的だったのは?

中央スリナム自然保護区にある、巨大な岩場に森が茂った不思議な場所です。アクセスが難しく、首都パラマリボからチャーター機で約2時間…。その手つかずの自然に踏み入ると、ジャングルのスケールも、そこにいるクモザルやモルフォ蝶などの生き物も、今まで行った場所より大きくて驚きました!想像を越えてくる自然で、そこが太古の地球と繋がっていても納得しそうですし、ネッシーや恐竜がまだいるという説さえ、この場所ならおかしくないかもと…。

スリナムのジャングルはほぼ全域が地球最後の秘境・ギアナ高地

また生き物に対する怖さはあまりないのですが、唯一怖いと思ったのが、川を渡ろうとした時です。着地した地面が想像以上にぬかるんでいて、そこから逃れようと一歩動いた先でさらに沈んで!ガッと全身が沈む場所があっても不思議じゃないことに恐怖を覚えました。怖さというか、畏敬の念です。その先どこまで行っていいのか誰も知らない場所で、初めの一歩を踏み出す原始の人間になった気分でした。

出会った生き物の中でおすすめは?

小さいおすすめだとシロガオサキという小型のサルで、メチャクチャ顔が怖いです。人間の根源的恐怖を煽る感じで、もう少し動物的なら可愛いし、人に似ている程度なら受け入れられるのに、まるで人が小さなサルになった絶妙な容姿。そのシロガオサキが遠くから、別の撮影をする私たちの様子をチラチラとうかがっていて…、その一瞬のシロガオサキの顔はぜひ注目して欲しいです。

一番気に入ったのはクモザルで、人を好きではないそうなのに木の上からじっと見ていて、枝や実を落とすんです。嫌いなら移動すればいい話ですが、私も嫌いなものを検索するので、嫌いも好奇心のひとつで、クモザルの行動も同じなのかと。しかもクモザルを一番怖がっている人だけが、頭に何度か木の実を落とされて「あ、ちゃんと個々を見て考えていたんだ!」と分かりました。そんなクモザルが大好きになりました!

クモザルが落としてきたのは…!

鳥、サル、爬虫類・両生類、昆虫…、珍しい生き物の宝庫!

ミステリーハンターとして苦戦したことは?

動物については知らないことが多くても、自分のフィールドなので安心して事が進められますし、動物が私の言葉に傷つくとか、彼らから文句がくるのは乱獲などしない限りないと思います。でも人間は同じ言語でもニュアンスが伝わらない場合や、もし傷つけたらという不安も。特にスリナムは人種や宗教が混在した国なので、言葉選びをなるべくニュートラルにしようと気を付けました。

インドネシア系スリナム人のみなさんと
それぞれの国民が自らの文化・伝統を守りながら暮らすスリナム

インド、アフリカ、中国…、
多民族国家スリナムはぜひ注目したい国?

首都・パラマリボの町は全てが隣接していて、シナゴーグというユダヤ教の施設とイスラム教のモスクが並んでいました。私たちがシナゴーグを取材していた時のことですが、モスクにいたイスラム教徒の方が「こっちも撮影していいよ」と言うために、シナゴーグに入ってこられたんです。その様子を見て、宗教や民族が違ってもこの国ではごく当たり前に、隣同士として暮らしているのが伝わってきました。取材をしながら、多民族国家スリナムには共存の一番自然な形がある気がしましたし、そのヒントを得られるとても貴重な場所だと思います。

こちらは、南北アメリカ大陸で最大の木造教会

こぼれ話

ロケのこぼれ話をご紹介!

言葉の壁!?

スリナムは公用語がオランダ語で他の言語も使われているので、基本的に通訳が必要でした。でもジャングルでガイドをして下さった方はハエの研究者で、私も昆虫好きという共通点があったんです。同じ生き物が好きでイメージの共有ができるからか、この方とは私の英語力でも会話が楽でした。ハエ以外の話でも盛り上がって、彼の好きな虫の英語名が分からなかった時も、まず生態などを英語でひとつずつ確かめていって…、「カミキリムシでしょ!」と通じることが出来たのは嬉しかったです。

こちらはスリナムに移住し昆虫の変態を世界で初めて絵に描いた
と言われるマリア・シビラ・メーリアンの作品を所蔵する博物館

ただ以前、別の国を訪ねた時も今回のスリナムでも、性格的にとても明るそうな研究者やレンジャーさんの前では、同じ生き物が好きなはずなのに、なぜかひと言も英語が出ないことがあって…。そんな時は相手も話しづらそうで、「言語の壁より陰陽の壁の方が高かった」と気づきました。だから言語はコミュニケーションの案外、外側の話なのかと。この先、流暢な英語が話せるようになっても結局「ハーイ!」みたいな感じに私はならないんだな、という発見もありました…(笑)。

おなかいっぱい!

ハエの話などで盛り上がったガイドの方は、ジャングルを歩きながら鉈(ナタ)で草を切ったり、葉っぱをちぎったりして「これは喉とおなかにいいから」とよく野草を渡してくれました。食べてみたら意外と美味しいんです。ショウガの仲間だそうですが、レモンやミントのような爽やかな味でした。だから一口目は本当に美味しかったけれど、たくさん食べる味でもないんです。でも私は日本人の中でも断り下手の人間で、善意に応えようともらえるだけもらっているうち…、ジャングルの野草だけでおなかが一杯に!

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