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第1238回
イタリア 南チロル
奇岩地帯ドロミーティの秘密

2012年7月21日 夜9時〜

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諸岡 なほ子(もろおか なほこ)

1975年4月19日生まれ。福岡県大牟田市出身。中央大学・総合政策学部卒業。
趣味は読書、散歩。作詞家MONAとしても活動中。著書に旅のエッセイ&写真をまとめた『地球のどこかの秘境から!?』(実業之日本社)。
オフィシャルブログは、「旅の途中のスウィートホーム」。
ミステリーハンターは今回で51回目(スペシャルの回は含まず)。

オーストリアとの国境に近い南チロルは、イタリアのなかでも独自の文化をもつ地域。その魅力をミステリーハンターの諸岡なほ子さんに伺いました。

かつて領主チロル伯が治めていたチロル地方
第一次世界大戦後南チロルはイタリア領に

南チロルへの取材は、ミラノから車で向かいました。取材地の一つコルティナ・ダンペッツォまでだいたい4時間半くらいでしょうか。そこは1956年に冬季オリンピックが開催された所で、街の中心部には高級ブランドショップがありましたし、立派な別荘やホテルもあってイタリアらしさを感じられるリゾートでした。そこからオーストリアとの国境へ近づいていくごとに、違う文化圏に来たと実感します。イタリアらしさが凝縮した大都市ミラノから移動してきたので、よけいにそう感じるのかもしれません。そしてチロル地方の深部では、会話もドイツ語、レストランのメニューからパスタやトマトソース料理がほとんどなくなり、主食はパンでメインはスープや淡水魚のソテーなどになりました。

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12世紀から14世紀にかけてこの地を治めていた
領主チロル伯の居城「チロル城」
広大な領地をもつ領主のお城としては可愛い

南チロルはイタリア領となって1世紀ほど経っていますが、自分たちはイタリア人ではなく「チロル人」だという人が多いと言われています。でも、そんな頑な感じではないのかもと思うことがありました。ちょうどロケ中にサッカーのヨーロッパ選手権が開催されていて、イタリアの試合がありホテルで観ていたんです。その試合はイタリアが勝利。ゲームが終わった瞬間、それまで静かだったのに急クラクションを鳴らす車や、人の歓声が聞こえてきました(笑)。

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チロル城の礼拝堂
ユニークな造形のレリーフには謎も多い

またこの地方ではキリスト教と古代の宗教が融合した独自の文化や風習が今も受け継がれています。夏至のお祭、灯火祭りもその一つです。町では教会での礼拝やパレードがあり、日が落ちてから山で火を焚きます。山の上で行うので、帰り道は真っ暗で足元が心もとないのですが、子供たちが動物の鳴き声のような奇声を発しながら元気よく駆け下りていく姿が印象的でした。明るい時に見た時には、かっこいいTシャツにスニーカーの今どきの少年たちだったのですが(笑)、原始的な力強さを感じました。

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紀元前から行われているという灯火祭り
「こうした灯火が山々に点々と揺らめいていました」(諸岡さん)

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