ニュースの視点

ニュースの視点 午後3:00〜4:00 再放送 同日午後9:00〜10:00

事件・事故や政局、環境や教育問題、経済の動向から国際政治まで・・・。限られた時間では、伝えきれない事実や真実、捉え方があります。「ニュースの視点」では、時事問題の中から毎日一つのテーマを絞り、時にはゲストや専門家を招いたり、現場から生中継を繋いだり、TBS NEWSのキャスターが、政治部、経済部、社会部、海外特派員などの現役記者や解説委員と共に、ニュースの本質に迫ります。

2020年01月放送

2020年01月30日放送
#2566「英国 ついにEU離脱」

ゲスト  :東京外国語大学 若松邦弘教授
ゲスト  :みずほ総合研究所 吉田健一郎 上席主任エコノミスト
キャスター:河野千秋

【テーマ】
世界に衝撃が走った国民投票から3年半あまり。ついにイギリスがEUから離脱します。
離脱後は激変緩和措置として移行期間に入るため、すぐには大きな影響は出ませんが、果たしてイギリスとEUは交渉をまとめることができるのか。専門家に今後の見通しを伺います。
【放送後記】
放送の2日後、イギリスは47年間加盟していたEUから脱退しました。離脱派の歓喜の声が上がる一方、残留派の悔しさもにじんだその瞬間は、この3年半で深まった国民の分断を象徴しているように感じました。今回は、イギリスのこれまでの論争の課程を丁寧に振り返りながら、ゲストのお二人に政治的な観点と、経済的な観点から解説していただき、この国の複雑な構造をより深く理解することができました。EU加盟国・アイルランドと国境を接する北アイルランドの問題、残留派の多いスコットランドでの、独立への機運の高まり。また、地方と大都市でも離脱に対する考え方は異なるようです。3年半という時間をかけ、離脱を選んだイギリス。ただ、この先もEUや各国との通商交渉をうまく運ばなければ完全離脱とはなりません。離脱の日、ジョンソン首相は、「どんなデコボコ道だろうと、我々は成功を確信している」と前向きなメッセージを発信しました。イギリス国民はもちろん、世界中が注目しているイギリスの未来は、ジョンソン首相の手腕にかかっています。(河野千秋)

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2020年01月22日放送

#2565「イスラム国」元戦闘員刑務所を取材

解説   :フォトジャーナリスト 安田菜津紀さん
キャスター:金井憧れ

【テーマ】
トルコによるシリア侵攻やアメリカとイランの対立など、緊張した状況が続く中東情勢。
混乱によって生じた「力の空白」地帯では、「イスラム国」が復活しつつあることが指摘されています。また問題となっているのが、刑務所に収容されている元戦闘員やその家族をどうするのかという問題。出身国に送還するという話もありますが、テロなどが懸念される中、決して容易ではありません。「イスラム国」元戦闘員が収容されている刑務所やその家族がいるキャンプを取材したフォトジャーナリストの安田菜津紀さんに「イスラム国」の現状や「送還問題」について話を聞きます。
【放送後記】
安田さんが取材したシリア北東部にあるクルド人が管理する刑務所には、欧米から東南アジアまで幅広い国籍の人たちが収容されています。環境は決していいとは言えず、学校の教室ほどの広さに150人ほどが詰め込まれ、放置された病人がうつろな目をして横たわる映像には衝撃を受けました。取材にあたっては「バグダディ容疑者が殺害されたこと、トルコが攻めてきたこと」は絶対に言わないよう厳重に注意されたそうです。キャンプではいまだに「イスラム国」の思想に傾倒している人がいる一方で「騙された、国に帰りたい」と後悔を口にするフランス人女性もいました。“「イスラム国」で生まれた子ども”をどうするかなどの問題も山積しています。勝利宣言から2年。「イスラム国」をめぐる問題はいまだ終わっていない、そう改めて痛感させられる安田さんの取材でした。(金井憧れ)

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