ニュースの視点

ニュースの視点 午後3:00〜4:00 再放送 同日午後9:00〜10:00

事件・事故や政局、環境や教育問題、経済の動向から国際政治まで・・・。限られた時間では、伝えきれない事実や真実、捉え方があります。「ニュースの視点」では、時事問題の中から毎日一つのテーマを絞り、時にはゲストや専門家を招いたり、現場から生中継を繋いだり、TBS NEWSのキャスターが、政治部、経済部、社会部、海外特派員などの現役記者や解説委員と共に、ニュースの本質に迫ります。

2018年12月放送

2018年12月29日放送

#2549「カタストロフと美術のちから」

解説   :「報道特集」 金平茂紀 キャスター
キャスター:大鋸友紀

【テーマ】
東京・六本木の森美術館では、自然災害、戦争、テロ、難民問題などの大惨事と「美術の力」をテーマにした展覧会が開催されています(2019年1月20日まで)。個人の力ではどうにもならない事態に直面したとき、美術には果たして力はあるのか、無力なのか、このチャレンジングなテーマの美術展について、また美術の力について考えます。
【放送後記】
アートというと、娯楽や楽しみという枠組みのものだというイメージがあります。しかし、今回のアートのテーマは「大惨事」「悲劇」。大災害の光景は現実なのに非現実的で、それがアートにすると「あんなに凄まじい光景がこんなにデフォルメされてしまうのか?」という自分もいれば、あの現実であって欲しくない光景がデフォルメされることに安心している自分もいます。そして、これほど大きな衝撃や悲しみをもたらすため、どうにかして因果関係を見出して自分を納得させたい、腑に落としたいという気持ちが芽生えます。そのやり場のない心にそっと現れてくれる、アートってそんな存在でもあったんだなと感じました。アートに触れた時、自分の心にどんな感情が起こるのか。そして、その感情がどんな行動を生み出すのか。そこに力があるかどうか、ぜひ作品を目にして確かめていただきたいです。
(大鋸友紀)

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2018年12月28日放送

#2548「今年の映画を振り返る」

ゲスト  :アナウンサー 宮内鎮雄さん
解説   :「報道特集」 金平茂紀 キャスター
キャスター:上野愛奈

【テーマ】
あっという間の1年でした。ここ数年は韓国映画が元気で邦画はちょっと元気がないな…という印象でしたが、今年はどうだったのでしょうか。アナウンサーで年間600本以上もの作品を鑑賞するという映画通・宮内鎮雄さんと、「報道特集」の金平茂紀キャスターとともに2018年下半期公開の映画を振り返ります。

▼宮内さんの2018年下半期のベスト作品
(1)「バグダッド・スキャンダル」/(2)「1987、ある闘いの真実」 /(3)「顔たち、ところどころ」/(4)「ブレス しあわせの呼吸」/(5)「世界で一番ゴッホを描いた男」/番外 「スパイネーション/自白」/「共犯者たち」/「エリック・クラプトン 〜12小節の人生〜」/「検察側の罪人」/「太陽の塔」/「響 -HIBIKI-」/「若おかみは小学生!」/「THE COLLECTORS〜さらば青春の新宿JAM〜」/「プロミス〜氷上の女神たち〜」

▼金平キャスターの2018年下半期のベスト作品
(1)「1987、ある闘いの真実」/(2)「共犯者たち」/(3)「悲しみに、こんにちは」/(4)「菊とギロチン」/(5)「メアリーの総て」/番外 「止められるか、俺たちを」/「判決、ふたつの希望」/「太陽の塔」/「沖縄スパイ戦史」

▼宮内さんの2018年のベスト作品
(1)「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」/(2)「タクシー運転手 約束は海を越えて」/(3)「バグダッド・スキャンダル」/(4)「1987、ある闘いの真実」/(5)「顔たち、ところどころ」

▼金平キャスターの2018年のベスト作品
(1)「万引き家族」/(2)「1987、ある闘いの真実」/(3)「共犯者たち」/(4)「ザ・スクエア 思いやりの聖域」/(5)「シェイプ・オブ・ウォーター」

【放送後記】
今回もお二人と2018年下半期公開映画の総まとめと、1年間の映画界を振り返りました。今年は、是枝裕和監督の『万引き家族』がカンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞「パルムドール」を受賞し、制作者も驚くほどのヒットとなった「カメ止め」ブームに湧くなどした日本映画界ですが、何といっても印象的だったのは韓国映画の勢いです。『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』、『1987、ある闘いの真実』、『共犯者たち』など、韓国の政権批判を強く打ち出した作品が多くありました。

『共犯者たち』は、2008年のイ・ミョンバク政権時代から政治権力がテレビメディアに介入し、政権に批判的な記者やプロデューサーらが次々に解雇された、10年に及ぶ政治とメディアのせめぎ合いの歴史に焦点を当てています。
監督のチェ・スンホ氏も、MBC(韓国文化放送)のプロデューサーを解雇された一人でした。そこでチェ氏らは共同で「ニュース打破」という独立メディアを立ち上げ、YouTubeなどのオンラインツールを利用して報道活動を展開。『共犯者たち』と同時公開された『スパイネーション/自白』でも、彼の徹底した調査報道は目を見張るものがあり、ある議員に「あなたは公職に就いていたのだから、説明するのは当然だ」と説明責任を迫るシーンは強く心に残っています。チェ氏は現在、MBCに返り咲き、社長に選出されていることに驚きました。イ・ミョンバク政権時代からのジャーナリストたちの闘いが、現在、国を動かす原動力になっているとも感じました。そして、それは韓国に限ったことではないことも考えさせられました。
(上野愛奈)

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2018年12月27日放送

#2547「松元ヒロさんと笑って振り返る2018年」

ゲスト  :芸人 松元ヒロさん
ゲスト  :女優 木内みどりさん
解説   :「報道特集」 金平茂紀 キャスター
キャスター:壽老麻衣

【テーマ】
2018年ももう間もなく終わろうとしています。振り返ってみると、あんなことやこんなこと…あっという間の1年でした。今回は、特に強烈な社会風刺ネタを得意とする“テレビに出られない”芸人・松元ヒロさんと女優・木内みどりさんと一緒にこの1年の重大ニュースを“笑って”振り返ります。
【放送後記】
2018年も、様々なニュースが私たちを驚かせましたね。今回は“笑って”というのが収録で重要なポイントでした。欧米など外国では当たり前だそうですが、私たち日本人にとって、ニュースを風刺して笑うことはあまり身近ではありませんよね。一体どんな収録になるのだろうとドキドキしながら臨みました。
今回のゲストである松元ヒロさんは、理不尽な世の中の有りようを、タブーなしで笑いに変換していきます。私も今回の収録で何度笑ったことか…!松元さんは「テレビに出られない」とおっしゃるだけあり、びっくりするような発言が飛び出すこともしばしば。時には体をいっぱいに使って某閣僚やオスプレイのモノマネをするなど、収録は何が起きるかわからない展開に…!こんなに大笑いしたり、ヒヤヒヤしたりという収録は初めての経験でした(笑)。特に政治関係などのニュースを“笑う”という習慣がなかった私にとって「ニュースに対する自分の意見を、こういった形で伝える方法もあるのか」と、改めて大きな気づきになりました。2019年は、12年に一度の統一地方選挙と参議院選挙が重なる選挙の年。さらに、6月末には大阪でのG20サミット開催、10月には消費税増税が予定されるなど、政治課題が山積しています。今わかっているだけでこれだけあるニュースを、松元さんはどのように捉え、表現し、笑いを届けていくのでしょうか。いつかまたお三方とご一緒させていただくことを楽しみにしています。
(壽老麻衣)

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2018年12月18日放送

#2546「アジアの映像制作最前線〜20th DigiCon6 Asiaによせて〜」

ゲスト  :ポリゴン・ピクチュアズ代表取締役社長 塩田周三さん
キャスター:金井憧れ

【テーマ】
アジアの12の国と地域から優れたコンテンツクリエイターを発掘することを目的としてTBSが主催する映像コンテスト「DigiCon6」。そのアジアのナンバーワンを決めるアワードが、11月に東京で開催されました。今年はどんな作品が選ばれたのか、またアジアにおける映像制作界の最前線について聞きます。
【放送後記】
去年に引き続き今年もDigiCon6 Asiaの表彰式を取材してきました。
今年も12の国と地域が参加。それぞれの国によって使用されている色や音楽、そしてキャラクターの表情も全く違い、受賞者の皆さんも、「自分が考えもつかないようなアイディアがたくさんあって刺激的でした」と話していました。
去年との違いを感じたのは、“死生観”をテーマにした作品が多かったということ。グランプリを受賞したインドの作品「Death of a Father」も父の死を前に喪失感に襲われる主人公の心情を細かく描写した作品でした。実はこの作品、プロが見てもほとんど文句をつけるポイントがないとのこと。アジアの映像制作のレベルの高さを痛感しました。“死生観”をテーマにしたものが多いとはいっても、決して暗い作品が多いというわけではありません。死神を主人公に作られたドキュメンタリー番組を描いたインドネシアの作品「Life of Death」などの楽しい作品もありバラエティー豊かでした。今年は、スリランカが初参加でしたが、今後、参加国がもっと増えてアジアの映像制作がさらに世界に注目されるようになるのが楽しみです。
(金井憧れ)

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2018年12月12日放送

#2545「中国のスマホ経済」

ゲスト  :対外経済貿易大学 西村友作 教授
キャスター:島津久美子

【テーマ】
依然として好調と思われている中国経済で今、成長が期待されているのがインターネットをベースにした“ニューエコノミー”です。毎年11月11日に行われるネット通販大手のアリババが実施する「独身の日」セールなど、ネット経済が拡大する中国の“スマホ経済”の特徴と今後の課題を考えます。
【放送後記】
「スマホ中毒」「スマホ依存症」などという現象が社会問題となるほど、日本でも多くの人がスマホを利用するこの頃ですが、スマホを使った「キャッシュレス決済」をおこなっている人は、街中でもそれほど多くは見かけません。
私もお財布から現金やカードを出して支払いをしており、「キャッシュレス決済」の目に見えないお金のやりとりに少し不安を感じてしまうのも事実です。
しかし、キャッシュレス化が進む中国では、スマホひとつあれば旅行ができてしまい、逆にモバイル決済が出来なければ生活に支障が出てきてしまうほどになっているということに驚きでした。
消費税増税を来年に控え、日本でもキャッシュレス決済の話題をよく耳にするようになっ
た今、中国のキャッシュレス化の現状を利点・課題ともに参考にして、キャッシュレス生活を送っていかなければと思いました。
(島津久美子)

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2018年12月11日放送

#2544「アジア最後のフロンティア〜ミャンマーでの挑戦〜」

ゲスト  :政策研究大学院大学 工藤年博 教授
      新日鉄興和不動産 冨金原宏諭 国際事業部長
      アジアビジネスソリューションズ社
ミョー・テイン マネージングディレクター
キャスター:島津久美子

【テーマ】
ここ数年、著しい経済成長を続けているアジア各国。その中でもミャンマーは「アジア最後のフロンティア」と呼ばれています。日本企業の進出も増えてきているというミャンマーで、今、何が起きているのでしょうか。
【放送後記】
今年の夏休みに私は、ふと思い立ってタイのバンコクを訪れました。これまで海外旅行というと欧米地域が多く、東南アジアを訪れたことはほとんどなかったのですが、想像以上に開発された街の様子に驚き、東南アジアの経済成長を感じるとともに、人の温かさに感激しました。
そこから周辺の東南アジアの国にも興味が湧き、次の長期休暇を利用して行きたい!と思っていたところでの今回のミャンマー。ニュースの視点を通して現在のミャンマーを感じる事が出来たので、ちょっとした旅気分でした。
日本とミャンマーの関わりは昔から深く、現在も日系企業の進出、日本酒を通した企画やヤンゴンでの日本祭りなどの交流が行われています。著しい経済成長が続いているからこそ、その時々で見えるミャンマーの国の景色の変化と日本との繋がりを、近いうちに実際にこの目で見てみたいと思いました。(島津久美子)

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2018年12月04日放送

#2543「深刻化する宇宙の環境汚染〜宇宙ごみ除去を目指す〜」

ゲスト  :「アストロスケール」岡田光信 代表
解説   :TBS報道局解説委員 齋藤泉
キャスター:壽老麻衣

【テーマ】
国際宇宙ステーションから物資を持ち帰るためJAXA=宇宙航空研究開発機構が開発した「小型カプセル」が11月11日、無事に日本の南鳥島近海で回収、また、アメリカの民間企業「スペースX」社が月の周りを回る最初の宇宙飛行の乗員は「ZOZOTWON」を運営する「ZOZO」社長の前澤友作さんになると発表するなど、一際宇宙が注目されるなか、静かに問題となっているのが「宇宙ごみ」です。宇宙開発が進む中で深刻化する宇宙の環境汚染、その原因となっている「宇宙ごみ」について取り上げます。
【放送後記】
今や私達にとって「当たり前」のツールともいえるGPSや天気予報、衛星放送。これらは宇宙にある衛星を通じ、私達に情報を届けてくれます。しかし、私達にとっての「当たり前」が、もしかすると、そうではなくなってしまうかもしれません。その原因が、今回取り上げた「宇宙ごみ」です。宇宙ごみは、宇宙空間に漂う人工衛星などの破片で、小さなものを含めれば1億個以上あるともいわれています。 弾丸の数十倍ものスピードで地球を回り、人工衛星や国際宇宙ステーションに衝突するおそれがあるのです。このまま宇宙ごみが増え続けると、宇宙技術が使えなくなってしまう可能性もあるということです。その状況を打破すべく、宇宙ごみの回収を目指し「アストロスケール」を設立した岡田光信代表に話を伺いました。資金調達、技術、法整備など様々な面で課題がある中、問題解決のため尽力し、2020年には宇宙ごみ除去衛星実証機を打ち上げることになっています。その注目度の高さは、Forbes JAPANの「日本の起業家ランキング」で見事1位に輝くほど。「地上ではごみ収集が当たり前のように行われている。それを宇宙でも行っていかなければならない。今は宇宙ごみを回収するということが注目されているが、注目されないくらいまで当たり前のこととして浸透させていきたい」。岡田さんがそう熱く語っていたのが印象的でした。私達は日常の至るところで宇宙の恩恵を受けています。今回の番組を通じ、私達にとっての当たり前ともいえる生活の一部に危機が迫っていることに改めて気がつかされました。岡田さんが課題とも仰っていた法整備や技術面などが、問題解決のため今よりもより良い方向に進み、一刻も早く宇宙ごみが回収されていくことを願います。(壽老麻衣)

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