ニュースの視点

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事件・事故や政局、環境や教育問題、経済の動向から国際政治まで・・・。限られた時間では、伝えきれない事実や真実、捉え方があります。「ニュースの視点」では、時事問題の中から毎日一つのテーマを絞り、時にはゲストや専門家を招いたり、現場から生中継を繋いだり、TBS NEWSのキャスターが、政治部、経済部、社会部、海外特派員などの現役記者や解説委員と共に、ニュースの本質に迫ります。

2018年11月放送

2018年11月13日放送

#2542「人道大国のシリア難民」

ゲスト  :フォトジャーナリスト 久保田弘信さん
キャスター:石川奈津紀

【テーマ】
シリアで7年以上続く内戦。この間、560万人以上のシリア人が難民として国外に脱出しましたが、豊かな暮らしを求めてヨーロッパへの移住を希望する難民も少なくありません。中でも人道大国として知られる北欧・スウェーデンはこれまで難民を積極的に受け入れてきました。内戦を逃れスウェーデンに渡った難民たちは今、どんな生活を送っているのでしょうか。
【放送後記】
内戦を逃れスウェーデンに渡ったある難民を継続して取材しているフォトジャーナリストの久保田弘信さん。久保田さんが取材した映像を見ると、住居や車の支援、職業訓練が受けられるなど、一見、心配なく暮らしているように感じられます。
しかし、よく聞くと内戦を逃れる中で、家族と離ればなれになってしまっているという問題がありました。自分自身が満足な支援を受けられたとしても家族の心配がある限り、心は落ち着きません。「兄のいる国に行きたいけど、許可がないといけない」という言葉を聞いて、自由に好きな場所で暮らせることがどれだけ大きいか、改めて感じました。
一方で、スウェーデンの手厚い支援には希望を持っている様子でもありました。積極的な難民受け入れののち、永住してほしいという地域の思いもあるからです。
ただ、地域の支えが必要ということは、国や地域によっては難民にとって苦しい状況の場所もあるということ。受け入れるだけでなく、移民・難民の今後も含めた人権に関して考える機会になりました。
「ヨーロッパにとどまらず、世界全体の問題」という久保田さんの言葉も、胸に留めておきたいと思います。
(石川奈津紀)

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