2018年02月23日放送
#2526「ソマリアの今」
ゲスト:フリージャーナリスト 下村靖樹さん
キャスター:上野愛奈
【テーマ】
長い内戦状態にあったソマリア。2012年に統一政府が樹立し、新しい政府の下で復興に向け動き出しています。首都モガディシオの街では交通渋滞、そしてスマホを持つ若者たちの姿も。一方で過激派組織「アルシャバブ」によるテロが頻発。治安状況は一向に安定しません。現地で取材を続けるジャーナリストが、今、ソマリアが直面している問題、そして「アルシャバブ」との戦闘の最前線について語ります。
【放送後記】
ソマリアといえば、長い内戦がもたらした経済活動の停滞によって貧困が拡大していますが、加えて最近では、過激派組織「アルシャバブ」による治安の悪化も大きな問題となっています。世界がソマリアの現状を知り、国際的な支援による再建を図るためにも、現地でジャーナリストが取材を続け状況を広く世界に知らせることが重要だと感じました。一方で、戦地で取材を行うジャーナリストたちが標的にされるケースも増えています。ジャーナリストの安全をどう確保していくのかということも、今後の紛争地域報道の課題だと感じました。(上野愛奈)
2018年02月10日放送
#2525「世界のエスニック・タウンを歩く〜アメリカの“ソマリア”を訪ねる〜」
ゲスト:映像ディレクター・映画監督 比呂啓さん
解説 :TBS報道局外信部デスク アキ場聖治
キャスター:金井憧れ
【テーマ】
移住先の国で、同じ国出身の人同士が集まってコミュニティを形成している街を「エスニック・タウン」といいます。いわゆる「移民街」のことです。今回は、そんな世界のエスニック・タウンの魅力に迫ります。移民に対するイメージを変えていきたいと、世界の移民街を巡り、動画サイトでその魅力を紹介している比呂啓さんに、アメリカにある「ソマリ人のエスニック・タウン」について、そしてモン族、セルビア人、アラブ人のエスニック・タウンについてもお話いただきます。
【放送後記】
「エスニック・タウン」と聞いて、皆さんはどのような場所をイメージするでしょうか。あまり聞いたことのない方もいらっしゃるかもしれません。今回は、世界にあるたくさんの「エスニック・タウン(移民街)」の中からいくつかの街の様子を、ディレクターの比呂啓さんが撮影した現地の映像をもとに紹介しました。カラフルで、とても華やかなヒジャブ(イスラム教の女性の体と顔を覆う布)、日常的に食べるというラクダの肉に、見たこともない形の野菜。日本とは全く違う文化で、何を見ても新鮮で面白いです。少しずつ観光地化されてきた影響で、洗練された大きなレストランもできて、そこで提供されている料理も食器もオシャレで、今までの「移民街」のイメージが良い意味ですごく変わりました。実は日本にもユニークな「エスニック・タウン」が結構あるようです。日本に居ながら異なる文化や言語に触れ、現地さながらの食事も味わうことができるなんて、ちょっとお得な感じがしました。
(金井憧れ)
2018年02月03日放送
#2524 「新しい形の夫婦別姓裁判」
ゲスト サイボウズ 青野慶久社長
キャスター 金井憧れ
【テーマ】
民法では「夫婦は婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と定められていて、夫婦別姓は認められていません。
しかし、実は“日本人と外国人の結婚と離婚”“日本人同士の離婚”の際は、戸籍法により呼称上の姓を選ぶことができます。そのため、日本人同士の結婚のときだけ姓を選べないのは憲法違反だ、として1月に国を訴える裁判が起こされました。
これまでとは違い、民法ではなく、戸籍法の不備をつく、新しい形の“選択的夫婦別姓裁判”。原告の青野さんに今回の裁判が過去のものとどうちがうのか、また、裁判にいたった理由などお話を伺います。
【放送後記】
1月9日に選択的夫婦別姓を求める訴訟を起こした原告の1人、ソフトウエア会社サイボウズの社長・青野慶久さん。
今回は、青野さんに、いったい「選択的夫婦別姓」とは何か、賛成意見、反対意見はどういうものがあるのか、今回の「夫婦別姓裁判」は、どういう裁判なのかなどを、基本から詳しくお話を伺いました。
名前の問題というと、私の場合、生まれてきたら”憧れ”という名前がついていたからか、今まで苗字ではなく下の名前ばかり気になって生活をしてきました。一方、苗字に関しては、「結婚をして苗字が変わると、カードの名義変更が大変そうだな」「名刺を作り直すのは面倒だな…」くらいにしか考えることができていませんでした。でも、今回初めて夫婦別姓問題のことを詳しく知り、とても広がりがあって影響の大きい問題だということが分かりました。特に、青野さんのお話をお聞きしていると、当事者にならないと絶対に気が付かないような手間や不利益を生じるような事例が次々と出てきて、考えさせられました。2015年12月に最高裁の大法廷とはまた違う角度から、戸籍法の不備を訴え夫婦別姓問題の訴訟を起こしたという今回の裁判。今後の動きに注目していきたいと思います。
(金井憧れ)