2021年09月28日放送
ほっとけへん 〜にしなり☆こども食堂の日々〜
制作:MBS毎日放送
川辺康子さんは、大阪市西成区にある団地の一室で「にしなり☆こども食堂」を運営しています。週に3回のペースで開く食堂には、赤ちゃんから大人まで40人ほどがやってきて、いつも賑やか。食事はすべて無料です。
これまで10年以上にわたり親や子をサポートしてきた川辺さんはいま、新たな取り組みを始めようとしています。そこで、家を借り、子どもや親と同居しながら生活の立て直しを図る試みを始めました。「スモールハウス」と呼ばれるマンションの一室にまず引っ越してきたのは、およそ1年前から食堂に通っている親子。母親は、過去に夫からの暴力を受けた経験があり、母子寮を転々としていました。不安からか、睡眠導入剤や精神安定剤の服用が止められないそうです。息子は小学4年生。まだ少し母親に甘えたい年頃です。でも、生活習慣が乱れ、小学校は休みがちです。そんな親子が始めた川辺さんとの自立への取り組みですが・・・。
自らの生活を顧みず、食堂に集まる子どもや親たちを温かく見守る川辺さんの日々を見つめます。
2021年09月21日放送
広がれ 棚田の小さな輪
制作:OBS大分放送
大分県宇佐市院内町にある「両合(りょうあい)棚田」。小さな谷に広がる棚田の風景は日本棚田百選に選定されている。この両合棚田がある集落は、わずか10世帯、22人の住民ほとんどが高齢者だ。
2013年、国東半島宇佐地域が世界農業遺産に認定されたのを機に、2016年に自治体の働きかけで棚田の再生プロジェクトがスタートした。
2019年夏、両合棚田にひとりの若者が半年間限定で移り住んできた。立命館アジア太平洋大学の折田智基さんだ。大学の観光学の授業で両合棚田を訪れた際、その風景や住民の優しさにひかれ、この集落で何かできないかと期間限定の移住を決めた。折田さんはこの両合棚田の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと、集会で棚田活用策を提案するものの、住民の反応はいまひとつ。半年間で自分に何ができるのかを模索する日々が続いた。
しかし、住民の中には両合棚田の美しい風景を守っていきたいと願う人もいる。両合棚田で生まれ育った石井一男さんだ。棚田の再生事業が始まる前から、石垣の修理にコンクリートは使用せず、持ち主が集落に住んでいない棚田の草刈りをするなど、昔の景観を守り続けてきた。大勢の観光客が来ることは望まないが、この風景が荒れ果てることは避けたいと考えている。なぜなら目の前に広がる風景は一男さんにとって、ふるさとそのものだから。
限界集落の棚田で暮らす住民の営みと、そこに関わる若者の姿を追いながら、ふるさと再生とは何のためにあるのかを考える。
2021年09月14日放送
海よ光れ 〜最後の1年〜
制作:IBC岩手放送
三陸海岸のほぼ真ん中に位置する山田湾。この湾を眼下に臨む高台の小学校が昨年3月に閉校しました。岩手県山田町立大沢小学校です。大沢小学校には、30年以上受け継がれたオリジナルの全校劇がありました。大沢の歴史を表現する、その名も「海よ光れ」です。この劇も、閉校と共に最後を迎えることに…。道のりは順調に思えました。しかしある6年生の何気ない一言で一転します。
「津波のシーンを消したのはどうしてですか?」
山田町は東日本大震災で壊滅的な被害を受け、以来、劇中の明治三陸大津波のシーンから悲惨な演出がカットされていました。
「津波のシーンを入れるか、入れないか——」
津波の記憶がほとんどない子どもたちによる話し合いが、カメラの前で突如として始まりました。子どもたちの決断と、この劇の行方は——。
2021年09月07日放送
HOMELAND
制作:KUTVテレビ高知
日本の反対側にあるパラグアイ共和国。
そこへ降り立った地方球団の高知ファイティングドッグスと元女子プロ野球選手の小西美加。世界の子どもたちを笑顔にするための野球教室が始まった。しかし、ここで一つの疑問が…。子どもたちから聞こえてくるのはなんと「日本語」ばかり。スポーツを通して見えてきた日本人とパラグアイの知られざる関係。さらに取材を続けていくうちに見えてきた高知県とのつながり。
80年前、国策により移民したパラグアイで苦労の壁を乗り越えた先人たち。日本人のアイデンティティとは何なのか?スポーツをきっかけに明らかになっていく海を渡った日本人と、今を生きる日本人の想いとは。