もうひとつのボルドーの魅力

ワイン研修やメドックマラソン、ワイナリー訪問など、ボルドーの風景、食、ワイン、エレガントな街並に魅了されたというパーティ料理研究家の青海七生さん。3回シリーズでボルドーの魅力をご紹介いただきます。

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パーティ料理研究家 青海 七生(あおうみ なお)

フランス独立記念日と同じ7/14生まれ。“フランスと縁があるのよ”と両親にいわれ続け、大学では仏語を専攻。南仏での厨房経験、ワイン研修など渡仏&食探求の日々。ワインエキスパート、チーズプロフェッショナル資格取得。各メディアにレシピを提供する傍ら[ワクワクしてる?]をコンセプトに料理教室を主宰。

第3回 2015.8.7

メドックマラソンをご存知ですか? ワインの銘醸地、ボルドー・メドック地区で開催されるフルマラソンです。約8,500人の仮装ランナーが収穫直前の9月に美しい葡萄畑を愛でながら走ります。給水所では、お水だけでなく自慢のワインがふるまわれます。ゴールに近付くにつれ、生ガキと白ワイン、ステーキと赤ワイン、チーズ、デザート…と、小さなポーションではありますが、コース料理がサーブされる食いしん坊にはたまらない大会です!私は2012年にこの大会へ参加してきました。

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大会前日には、シャトー(ワイナリー)にて前夜祭(パスタパーティ)が開催されます。世界中から集まったランナー達が大集合!豪華絢爛な花火が打ち上げられ、軽快な生バンドが流れる中、パスタを中心とした料理とワインが次々と運び込まれます。

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最後にはダンスタイム!飛んだり跳ねたり…世界各国から集まった参加者全員で大騒ぎです。マラソン大会前日とは思えない程の盛況ぶりで、宴が終了したのは0時過ぎ。翌日の大会当日は5時に朝食をとり会場に向かうという驚異的なスケジュールです。

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仮装が基本のメドックマラソン。2012年のテーマは[歴史]だったので、一緒に参加する仲間達と相談し、走り易いよさこいの衣装で統一しました。

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この大会のエイドステーションはシャトー(ワイン醸造所)。オレンジやバナナ、アーモンドを振る舞ってくれたり、ゴージャスなシャトーになると、緑溢れる広大な敷地の中、生バンドでランナーを応援してくれます。

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普段なかなか入れない世界的に有名なシャトーも、この大会のために公開され、給水所としてワインを振る舞ってくれます。紙コップでなく、きちんとしたグラスでワインを提供してくれる徹底ぶりです。

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炎天下を走り続ける上、

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ワインを飲みながら走るので、当然ながら、そこら中に人が転がっています(倒れています)。救急車の数も半端ない!

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38kmのエイドステーションからは、コース料理のスタートです。生ガキと白ワイン、ステーキと赤ワイン、チーズ、デザートと続きます。食いしん坊の私はもちろん完食です。

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無事ゴール!完走者には、木箱に入ったワインと女性にはバラが一輪手渡されます。フルマラソンとはいえ、世界各国から集まったランナーの仮装を目で楽しんだり、普段は入れない憧れのワイナリーのエイドステーションでワインを飲みながら休憩したり、走りながらコース料理を堪能したり…と見所満載の大会です。思い返すだけでも未だにドキドキします。

今年のメドックマラソンは2015.09.12(土)開催。テーマは[盛装]だそうです。完走目的でなく、楽しむためだけに参加している方も多くいらっしゃった印象です。ワイン好きはもちろん、お祭り好きな方は是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

第2回 2015.7.10

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ボルドー市街地は、ゆったりとした南らしい穏やかな空気だけれど、私が住んでいたプロバンスほど緩くない重厚感と落ち着いた雰囲気があります。

世界的に有名なブティックが並ぶゆったりとした通り、色とりどりのマカロンが並ぶお菓子屋さん、チョコレート専門店、シックなレストランから学生が集うカフェ…。裏道に入ると映画に出てきそうな狭い石畳が続き、隠れ家的なセレクトショップやカフェがあったり。行き交う人々も、南らしい穏やかな笑顔が飛び交い、優しい印象です。

繊細なステンドグラスや彫刻でデコレーションされた美しい教会、パリ・オペラ座をモデルとした18世紀から続く壮麗な大劇場、11世紀に建てられた威厳あるロマネスク様式の大聖堂、豊かさを象徴する豪華絢爛な噴水など、街の至る所に歴史的建造物が散りばめられています。

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中でも「Grand Miroir / 水の鏡」といわれている噴水は必見です。薄く水が張っていて鏡のようになっています。昼間は、澄み切った青い空の下、水遊びを楽しむ家族連れの姿をよくみます。時間帯によっては霧のように水が立ち上がって幻想的。日が暮れて照明がゆっくりと点灯し始めるとライトアップされた建物が水に映り込み、ロマンチックな表情も見せてくれる素敵な場所です。

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このエリアは各国からの観光客や地元の方でにぎわっています。自転車で行き交ったり、ジョギングする人、スケボーの少年達、手をつなぎながらお散歩するご夫婦、テラス席でおしゃべりをして過ごす人々…太陽を浴びながら、皆、思い思いに楽しみゆったりとした時間が流れています。

心地よい風が吹き、水が豊なこの街は、花と緑が溢れていました。華やかだけれど、大きすぎずエレガントな街です。

第1回 2015.6.11

2012年、メドックマラソン(ワインを飲みながらフルマラソン)とワイン研修、そして近隣のバスクの村々を訪れるためボルドーに降り立ちました。約二週間の滞在です。

フランス南西部に位置するボルドーは世界的に有名なワインの産地。海と山に囲まれた食の宝庫でもあり、世界遺産に登録されている歴史的建造物もある見所溢れる街です。

こちらのコラムでは[食×ワイン][ボルドーの街並][メドックマラソン]の3テーマでボルドーの魅力をお伝えしていこうと思います。

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成田空港からパリまで約13時間。シャルルドゴール空港で国内便に乗り換え約1時間でボルドーへ。ボルドー国際空港に降りると、荷物引き取り所に大きなワインボトルがお出迎え。ワイン銘醸地に来たのを再認識です。空港からボルドー市内まではバスで30分。全てがコンパクトにまとまっていてスムーズなアクセスです。

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ボルドーの特産品を扱うショップに足を運びました。「ボルドーは、ちょっと車で走るだけで、森や海にいけるよ。海と山の幸が充実していて食の宝庫なんだ。ボルドーが一番!」って自慢気に話すオーナー。フランスの田舎が好きなので、東西南北、様々な地方を訪れましたが、どこでもみんな、自分たちの地方が一番だと自負しているチャーミングなフランス人です。

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ボルドーワインいえば、赤ワインのイメージが強いかもしれませんが、赤ワインに加え、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワイン、貴腐ワインが生産されています。クリーミーな泡で乾杯してから、料理が出る頃に白ワイン、お肉料理に合わせた赤ワイン、デザートと供に貴腐ワインなど、コース料理を全てボルドーワインで合わせることができます。

ボルドーは、フォアグラ、バイオンヌの生ハム、セップ茸などのフランス南西部の食材だけでなく、大西洋の魚介類をはじめ海の幸もあり、地元名産の食材が豊富です。パリや東京とは比べものにならないほどお財布に優しい値段で素晴らしいワインと料理を楽しむことができますよ。

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