原作者インタビュー第2回
??毎月のスケジュールとしては、どんなバランス配分ですか?
光永:僕は、会話でネタ出しするタイプなので、担当編集さんには大変申し訳ないんですけど、
ファミレスに篭ってネタ出しの打ち合わせに1晩とか2晩とか付き合わせて――
増田:時々、3晩ありますよね(笑)
光永:――3晩もありますね(苦笑)。
それで、まずは、どんな敵がどんな風に現れて、どういう倒し方で倒すのか、という辺りを決めますね。
1話完結でページ数も短いから、話の本題に冒頭の数ページで入れるようにするにはどうしたらいいか?
で主に時間をかけています。冒頭の展開の打ち合わせだけで、まずは1晩、みたいな感じに……。
増田:最近、そんな打ち合わせばっかりですね(笑)。3日目の深夜で、頭の5ページがやっと見えた、みたいな。
光永:すぐさま本題に入らないと、なかなか難しいので……。
??じゃあ、打ち合わせで2~3日?
光永:で、ネームにかかるんですが、それは1日位で出来ます。長くて2日。
そこから、大体長くて15~20日ぐらい原稿の製作ですね。2週間を切った事は、まだ、さすがにないです。
??ペン入れは下書きを仕上げてからですか?
光永:いや、もうそんな余裕は無いですね。アシスタントさんを呼んじゃって、でっかい背景があるページでキャラクターが小さいものから優先して、下書きして、ペン入れして作画をお願いして……作業進めてもらってる間に、他の背景がいっぱい出てくるページから順番に下書きやって……数枚たまったらペン入れして……を、繰り返す感じですね。だから、最後の方にキャラクターしか出ないページとかがいっぱい残る、みたいな感じです。
まだまだ、全然、自分のイメージしたようには、タイムスケジュール的に回せない感じです。原稿に向かう時は、どういう風にすれば最短で効率が良いのか、頭の中でグルグルグルグル考えながら仕事してる感じです。追っかけっこですよ(苦笑)。
??アシスタントさんは何人ぐらいですか?
光永:1日しか来ない人を入れると、5人です。
??それでは、最初にアニメ化の話が来た時は、どうでしたか?
光永:それはもう単純に……単純に驚きましたね!
増田:2人とも思ったのが、へルメット被って看板持った人が、いつ何時やって来るか、と(笑)。
光永:本当に運が良かったとしか思えないです。
??1話のアフレコをご覧になって、どうでしたか?
光永:……姫、かわいかったですね(笑)。
声のイメージは、僕はスムーズに納得しました。とにかく、自分が考えたお話を、自分の考えた絵で、基本的にやってくれている訳じゃないですか。あの奇妙な感覚は、もう、言葉に出来ないですよね。感動しているんですけど、「この感覚は一体何なんだろう?」、と。名だたる声優の方々が、自分が描いたマンガの台詞で演じてくれている訳ですよ。それにフランドルの「ふが」や姫の「ふふん」の扱いで、色々試行錯誤なさっているのを見て、大変、申し訳ない気持ちになりました。
??4月に最新第4巻が出る訳ですが、そのポイントをお願いします。
光永:コンセプトは、4巻は“原点回帰”なんです。キャラクターが増えて色々とお話的には回せるようになったけど、逆に言ってしまうと、サブキャラクターだけで話が回せちゃうんですよ。でも、“ヒロと姫”っていう所を、もう一度出してあげないと、リザや令裡で話が回ってしまうだけに、1巻からとは、ちょっと変質したものになりかねない時期だったんです。あくまで、『怪物王女』は、ヒロと姫のお話である、と。そういうのをもう一度徹底しよう、というのを、やっていた辺りの話が、4巻に入ってるんですよ。
増田:主従関係のおさらいを、もう一回ちゃんとやっておかないと……。とか言いつつ『連結王女』とか、比較的人気がありそうな話も入っていたりもするんですが(笑)。その辺のエピソードをやっていたときに、あまりにもサブキャラクターが動きすぎるので、少々ヤバいと思っていました。
光永:特に、リザと令裡の関係性ですね。基本的に「怪物王女」ではキャラクターの関係性は変わらないんです。
だけど、あの2人は話の中で結構、変わってきているんですよ。実は一番動いているんじゃないのか、みたいなものもありますね。ちょっとそっちばっかりいっちゃうと、いけないな、と。描いているときは凄く楽しいんですけど。
――それでは最後に『怪物王女』を応援して下さる皆さんに、メッセージをお願いします。
光永:もっと皆さんに『怪物王女』を好きになってもらえるようにマンガのほうも工夫していきますので、見捨てないで下さい……!
――どうもありがとうございました。
2007.03.30