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原作者インタビュー第1回

――『怪物王女』のきっかけは?
光永康則先生(以下、光永):編集の増田さんを知り合いの漫画家さんから紹介してもらったのが始まりです。最初会う時に手ぶらで行っても良くないな、と思いまして。丁度『怪物王女』の企画の原型がもう既に自分の頭の中にあったから、コピー紙3枚ぐらいに企画をまとめて、お会いした時に見せたのがきっかけです。
――その内容は、今の『怪物王女』とどういう所が違ってましたか?
光永:大体一緒ですね。まず、読み切りでコンパクトにまとめるように、最低限の“姫とヒロとフランドルぐらいで狼男と戦う”位しか書かれてないようなものでした。
少年シリウス編集:増田大祐さん(以下、増田): 微妙に設定が違ったぐらいですよね。姫がやや年齢が低くて、ヒロの方が年上、とか。
光永: それも結局、どっちにしようかという話し合いがあって……。最初は、怪物の姫さまが落ち延びてきて、それで、かつての散り散りになった家来を探す、という線で考えていたような気がします。
――ノリとしては、シリアス系だったんですか?
いや、『怪物王女』で一番最初に思いついたキャラって、フランドルなんですよ。フランドルありきで他のキャラも作っていったから、100%シリアスはもう、その時点でなかったと思います。小っちゃい子で、でっかいネジで、「ふがふが」っていうのは最初から決まっていて。逆に言うと、それが何かいけそうだ、と思ったから、やる気になったっていう部分がありますね。
――何故、メイド服に?
光永:流行りですしね(笑)。設定上、王女様に付き添ってる訳ですから、メイドの服という自然に出てきましたね。あと、姫のゴスロリ調のファッションとかそういうのは、担当の増田さんのリクエストです。 最初の方向性は、ともかく姫の魅力を全面に出していこうという方向に固めました。
――姫の魅力はどこにあるとお考えですか?
光永:やっぱり、企画の段階から強く思ってたことなんですけど、単なる金持ちのお嬢様に見えてはならないな、と。貴族のお嬢様でもなくて、お姫さまだ、と。 その違いというのは、何かとてつもなく大きなものを背負っているか背負っていないか、覚悟が出来ているかいないか、ではないかと。
――けれども悲壮感はなく、超然とした感じになっていますよね?
光永:やっぱり読者さんを楽しませたいから、作品のトーンはある程度、明るさは保ちたいですよね。姫を読者さんが追っかけていった時に、やっぱり、それ自体が楽しくあって欲しいと思うんで、暗いトーンに落とし込もうとすれば、ドンドンドンドン暗くする事は出来るんだけれども、「怪物少女」では、、フランドルとかがトコトコ周り歩いていても、違和感が無い世界ですから。

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2007.03.16