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IS<インフィニット・ストラトス>×緋弾のアリア」 原作者コラボ対談公開!

先日TVアニメが好評のうちに最終回を迎えた『IS<インフィニット・ストラトス>』(以下、『IS』)と、
『緋弾のアリア』はどちらもMF文庫Jからリリースされているライトノベルが原作。
原作者である弓弦イズルさん(『IS』原作)と赤松中学さん(『緋弾のアリア』原作)は旧知の間柄ということもあり、今回特別対談を行ないました

作家として見たお互いの作品、そして原作者から見たアニメ版とは? 
前後編でたっぷりお届けするので、最後までお見逃しなく!(取材・構成:中里キリ) 

※こちらは後編の記事になります。
前編は 「IS<インフィニット・ストラトス>」TVアニメ公式サイト(http://www.tbs.co.jp/anime/is/)をご覧下さい。

──ではここからはアニメの話をさらに聞いていきたいと思います。

赤松:アニメって、魔力があると思うんですよ。
小説には小説の、ゲームにはゲームの魔力があると思うんですが、アニメファンと小説ファンではリアクションが微妙に違う。
違う魔法をかけられてると思うんです。

弓弦:アニメの出来が良すぎて原作超えちゃったから、続きやりづらいね、という人もいるんです。
でも小説とアニメってうどんとハンバーガーぐらい違うものだから。
アニメって億単位の予算をかけて最初は無料配信するものだけに、作品が届く範囲を大きく広げないといけない。
だからある面ではわかりやすく、リライトしてリメイクして作っていく。どちらがいいと一概に比べられるものではないんですよね。

赤松:影響を与える(読み手の)感覚器が違うとおもうんです。小説って文字情報だから、脳に直接イメージが届くんですね。
レキの弾がどう飛ぶか、ジャンヌの声のイメージ、ワトソンがキャッて言うシーンの表情も全部が人によって違うんです。
アニメは、視覚と聴覚に来る。エンターテイメントが受け手に幸せな魔法をかけるのは同じだけど、アプローチが違うんですね。
だからぜひ小説もアニメも楽しんでほしい(笑)。

──アニメを見た後小説を読むと、脳内での再生の仕方が変わってきますよね。

赤松:そうそう!

弓弦:だから個人的には文章表現を先に読んでほしいなというのはあるんですが。
受け手の中での体感のブレはアニメの方が少なくて、固定されてますね。

赤松:原作ももちろんですけど、アリア役の釘宮さんの演技を他の作品とかで見ていると、
近い性質のキャラクターでもニュアンスが違うのがわかって楽しいですよ。

──実際にアニメ化された映像を見ての感想はいかがでしたか?

弓弦:自分はすっげーな、の一言ですね。動いてるよ、すげーって!

赤松:幾つか視点があって、まずは作者としては面白くてしょうがないです。
あのシーンがこうなったか、このカットはコミック版の方に近いな、とか。一視聴者としては、原作にすごく忠実に作ってくださっていて嬉しいです。
にもかかわらず、受ける印象は全く新しいんですよ。その違いを楽しめるのが上級紳士かなと(笑)。違いを味わってほしい。

弓弦:ものを見る時は寛容な方が楽しいですよね。「俺は初代○○しか認めない」みたいに、
新シリーズを見る前から拒絶してしまうような人もいますが、まず何も考えずに楽しめばいいのにと思いますね。

赤松:でもそうした強いこだわりを持たせるのも、アニメの魔力かなとも思いますね。人を熱狂させる力が良くも悪くもある(笑)。
それだけにこれから何があるのか、どんな反応があるのかというドキドキはあります。

──映像化にあたっての設定の詰めなどには関わっているんですか?

赤松:J.C.STAFFさんはとても原作重視で作って下さっているので、あまり関わる必要がない感じです。

弓弦:ISの全性能と能力、主武装は……といった部分をだいぶ書きましたね。
『IS』はアニメ準拠の設定資料集がBD・DVDにつくので、その監修とかもしてます。
原作7巻の執筆で詰まってる時に設定を書き始めたら、2日たってて参りましたね(笑)。
アニメはアニメで作っているので、よく見てもらうと武装とかにも違いがありますよ。
たとえば11話に出てきたラウラの武装の“パンツァー・カノニーア”は原作では二門なんですが、アニメだと顔が隠れてしまうので一門になっていたり。
アニメ向きの絵になってますね。

赤松:私はある程度お任せしている分、アニメと原作の微妙な違いが面白くて仕方ないんですよ。
たとえばキンジが銃弾を刃物で斬るシーンがあるんです。私は、上から力で斬るイメージでした。
コミック版は下から斬り上げるようなイメージで、絵としてかっこいいんですね。ところがアニメだとどちらの斬り方もリアリティが無いんですよ。
ではどうするかというと、刃を弾の進む先に置くように当てて、飛んでくる弾のエネルギーで斬るんです。
そういう違いが楽しいので口出しはしませんし、楽しみですね。

弓弦:絵に関しては先方がプロフェッショナルですからね。
餅は餅屋、よけいなことを言って向こうのモチベーションを下げるよりは、お互いに気持ちよくやりたいなーって。

──アニメオリジナルの要素はいかがですか?

弓弦:『IS』のクラスメートが全員いるのは壮観だなと思いました。あれはすばらしかったです。

赤松:クラスメートにかわいい子がいると、この子メインの話やってよとか思います(笑)。

弓弦:モブが異様なオーラを放ってるんですよね。ピンク色のツインテールのモブとか。

赤松:レア感がいいんだと思いますね、昔のゲームの武器屋のお姉さんが一番いいみたいな。
『緋弾のアリア』に関しては、原作にはついにじみ出る赤松イズムみたいなものがあるんですが、
監督がしっかりそれを読み取って、かなり強調して作って下さってるんです。その感じを見てほしいですね。

弓弦:僕はとにかく、制作がエイトビットさんでよかったと思います。スタッフの布陣も完璧でした。

赤松:あとは声優さんですね。オーディションで、プロの女性同士が真剣に火花を散らす姿が見られたのは貴重な経験でした。

──なるほど。ちょっとゆるい質問なんですが、お互いの作品でお気に入りのキャラはいますか?

弓弦:僕はレキかな。レキが【検閲】と聞いて、赤松先生に匿名で苦情を送らないといけないなと思っていたところです。
『緋弾のアリア』の監督さんが、「原作から一番変わってるのがレキ」と話しているのを何かで読んで、どうなるのかドキドキしています(笑)。

赤松:設定やデザイン、声も含め、すべてがそのまま、そのままでは意外性がないので、変化をレキに担当してもらった部分はあるんですね。
アリアたちでそれをやる度胸はなかった(笑)。『IS』では、私はどのキャラかな……読むたびにいいキャラが変わるんですよね。
その中から敢えて選ぶなら、箒かな。ライトノベルの文法からは一番外れた、いわゆるギャルゲー的なキャラ造形で、一番勉強になりました。
たまに脇役にはいるんですけど、メインにこういう子はなかなかないと思うんです。あと、ラウラのここ(頭の上)の耳みたいなパーツが大好き。

弓弦:okiuraさんにISのデザインを発注したときに、手首にプラズマ手刀の発生装置をつけてくれってお願いしたんです。
参考画像でバニーさんが手首につけている布リストみたいなのを送ったら、
ウサギのイメージが強くなったらしくて、ハイパーセンサーがああいうデザインになったそうです。

赤松:ラウラはツン期とデレ期が一番はっきりしてるキャラクターなのに、ツン期にそういう耳を見せてくるじゃないですか。
ツンツンしてるのになんだお前かわいいじゃないかみたいな。……ツンデレは学問なので、話し始めると5時間コースですよ。

──最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。

赤松:アニメの現場で、『緋弾のアリア』をよく理解して下さっているスタッフさんたち、
役者さんたちと語りながら一緒に作品を作るのは本当に幸せでした。
もう二、三作品アニメ化したいぐらいです(笑)。今回アニメ化に辿りつけたのは読者のみなさんのおかげです。
人気がある限りどんどん書いていきたいので、もう少しおつきあい下さい。

弓弦:ファンの皆さんが支持してくれたおかげで作品としても成功できて、感謝の一言です。
アニメ化で増えてくれたファンの皆さんをがっかりさせないように、作品作りに取り組んでいきたいと思います。
最後はなんかきれいになっちゃいましたね(笑)。

──(笑)。ありがとうございました!

 

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