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インタビュー

『被取締役 新入社員』の原作者・安藤祐介さんと松原プロデューサーと羽ヶ口信男を演じる森山未來さんの豪華3Sインタビューが実現!【2】

左:松原プロデューサー/中:安藤祐介さん/右:森山未來さん



Q 「鈴木信男」のキャストとして森山未來さんを起用した背景

安藤:

ホームページの本サイトがオープンする前、「鈴木信男」の役に合う人は?っていう企画があって、個人的には「ドランクドラゴン」の塚地武雅さんだと思って投票しました。


森山:

僕も賛成ですね。(笑)


松原P:

投票の結果も、圧倒的に塚地さんと、ラジオドラマでは主演をお願いする、カンニングの竹山隆範さんが多数票でした。


森山:

お話を頂いた時は、「設定として太って背が低いとハッキリ書いてあるのに、どうして僕なのか?」と正直、驚きました。ロバート・デ・ニーロみたいに、僕も30キロ太れってことかなと…。(笑)松原さんと脚本の方に、僕を起用する意図はなんでしょうか?と改めて聞きましたよ。


松原P:

イメージ

原作の信男は「太って背が低い」設定ですが、ドラマではそこにこだわらないことにしました。原作のどこを面白がってドラマにしていくのかというと、ダメ人間にしか見えない世界があり、ダメなヤツだけが持っている優しさや強さがある、そこが人の胸を打つストーリーになる、と思ったわけですから。太ったお笑い芸人さんが信男を演じると、どううまく演じても、“見せ物”になってしまうところがあるんですよ。笑いのフィルターがかかって、見落とされてしまう部分が出てくる。未來くんが演じることによって、信男を身近に感じ、自分とすり合わせて感情移入できる。演出家も含め、未來くんにオファーするのに何の迷いもありませんでした。


安藤:

以前、森山未來さん出演の他局のドラマ、『危険なアネキ』をよく見ていたんですが、そういえば、あれで演じていた役も、ちょっと信男に似たところがあった。


森山:

そうですね。コンプレックスバリバリのキャラクターでした。


安藤:

それもあって、しかもいろんな演技ができる方なので、信男を演じてもらって大丈夫だと確信しています。ただ、ルックスの違いだけは、初めて聞いたとき「えっ!?」って、非常に驚きました。あれだけのダメ人間に見えるのかなぁ、と。


森山:

ビジュアルが違う分ハードルは高いけど、強いコンプレックスを抱えた魅力的な役なので、演じるのが楽しみです。





Q 信男について

松原P:

安藤さんは信男に近いですか?


安藤:

信男ほどではないですが、職場でやってしまうドジとか、ちょっとカブってますね。(笑)


森山:

「KYな人」って話題になってますけど、信男はKYではなく、最初から空気を読もうともしない男ですよね。物事を始めようとした瞬間、すでにあきらめが入っている。もうこれは、太っているからとか背が低いからとかではなくて、自分の力そのものに強烈なコンプレックスがあるんだと思う。


松原P:

お二人は、いじめられた経験はありますか?


森山:

いじめられたこともいじめたこともどちらもないですね。子供の頃からずっとダンスをしていたので、家とスタジオを行き来するだけの毎日。学校で何をしていたのか、ほとんど記憶にないぐらいです。


松原P:

子供の頃から「わが道を行く」的で、周りも認めていた?


森山:

みんな僕の仕事の事情を分かっていてくれていたのか、特に触れられることもなく、距離感があったような気がします。仕事柄、子供の頃から目上の人と会話することが多かったので、同年代とコミュニケーションを取ることは、昔からちょっと苦手でしたね。今思うと、クラスのみんなが普通に友達どうし会話してるのが羨ましかったし、自分は人と違うんだなぁと思いたくはなかったですけど、ギャップは感じていましたね。ダンスばっかりしてたんで、普通に遊びに行ったりできる人が羨ましかったりして、正直、そういうコンプレックスみたいなものは、どこかに強くあった気がします。


安藤:

イメージ

僕もいじめられたことはなかったですが、真面目に話している時になぜか笑われたり、普通に取った行動がまた笑われたりすることが多くて、悩んだ時期があったような気がします。笑わせようともしていないのに、笑われて。今で言う、いじられキャラだったのかもしれないですね。そのうち「まあいいか」って開き直れるようになったんですけど、思春期の頃は傷ついたこともありました。


松原P:

信男は、自分の中にあるルールでちゃんと準備が出来ないと動けないし、時間がなくて仕方なく動いちゃうと舞い上がって何もうまく出来ない、そんな男なんでしょうね。いじめられっ子って、何がからかわれやすいかって、すぐ舞い上がっちゃうことがあるのかなぁ、と。


森山:

多分、家族とか一番近くにいる人にも、今まで褒めてもらったことがない男なのかなと思います。誰にも求められないでここまで来たから、ちゃんとできる必要がないところから始まって。社会にうまくなじめない人なんですよね。出来ないことを、誰かに無理強いされ挑戦することもなかったし、求められること自体なかったから、結局出来なくてもいいと。きっとそんなふうにここまで来たんですよ。オレには才能がないんだと、開き直ることも大事なのに、認識してなさそうですから。一方で、自分はダメ人間だと悟っているはずなのに、認めるのを迷ってるところもあって。ずっと切羽詰った状態なんだろうなぁ。


安藤:

人から見たら卑屈なんですよ。それで固まっちゃって。


森山:

初収録の採用試験を受けるシーンで、信男の直筆と思われる名札が気になって…。


松原P:

あ、それ、信男の心になって、俺が書きました。(笑)


森山:

これ、わざと汚い字に書いたのか?それとも天才肌なのか?って。字で信男の世界観がすごく見えたって言うか。もう、ちょっと一般人の次元ではないんですよ。なんせ玉ねぎのみじん切りで、他の全員が作業に取り掛かっているにもかかわらず、1分も玉ねぎを見つめて立ってるんですから!


安藤:

(笑)!


松原P:

(笑)!





Q 視聴者へのメッセージ

安藤:

最近なにかと、勝ち組、負け組と分類されがちですが、そう単純なことではないと思います。例えば仕事で失敗したとしても、この物語のように、「塞翁が馬」的に感じてもらいたい。それと、ぜひ原作本との違いも意識して、ドラマを楽しんでもらいたいです。


森山:

僕は、演じることになって改めて、実は「信男」から学ぶべきことがたくさんあると発見しました!観た人にも、同じように感じてもらいたい。原作を超えた「信男」を魅せます!!


松原P:

コメディとして楽しんでもらいながら、物語が進むにつれ胸が熱くなり、見終わった後には心にジンと響く。そんなステキな作品になっていると思います。ぜひぜひ御覧ください!