岩手放送開局25周年を記念して制作された、岩手の山村を舞台にしたヒューマンドラマ。「渡る世間は鬼ばかり」の橋田壽賀子が脚本、石井ふく子がプロデュースを担当した。家族がみな都会へ出てしまったとき、残された母親と娘が選ぶ道とは。“土から離れられない女”をテーマに、出稼ぎ農家の女たちの現実をシリアスに見つめた社会派作品。出演は、山岡久乃、音無美紀子、園佳也子ほか。1978年作品。

【ストーリー】
タツ（山岡久乃）と久子（音無美紀子）は母娘で牛を飼い、農作業をして生計を立てている。この岩手の山村では男はみな出稼ぎに出るが、タツの夫は出稼ぎ先の事故で亡くなり、息子たちも全員都会に出てしまった。隣家のフサ（園佳也子）の家では、夫は出稼ぎ先で知り合った女と再婚、大きな子どもたちはみな都会で結婚し、末娘の初子（沢田雅美）までもが中学卒業後は東京に出ていた。そんなある日、初子が帰郷した。フサは喜んで初子を迎えるが、初子は妊娠しており、フサに東京に出てきてほしいと頼む。久子が都会にあこがれているのを知るタツは、フサ母子のてんまつを久子の頭に叩き込ませようと、冷静に隣家の騒ぎを見守っていたが…。

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