石原慎太郎原作、あの石原裕次郎を一躍スターダムに押し上げた伝説の名作「狂った果実」が、小泉孝太郎初主演で蘇る！純粋で潔癖な弟（小泉孝太郎）と、破天荒で刹那的な兄（北村一輝）。対照的な兄弟が一人の女性（奥菜恵）を巡って真実の愛に命を懸ける。運命の出会い、裏切り、欲望、嫉妬…、そしてもがき苦しむ彼らが迎えた衝撃の結末とは？若者の苦悩と葛藤を描いた青春純愛悲劇。

【ストーリー】
湘南で育った2人の兄弟は、互いに認め合いながらも反発し合っていた。純情で潔癖、そして一途な弟・河野春次（小泉孝太郎）と、かたや、やることなすこと破天荒でその上刹那的な兄・河野夏久（北村一輝）、性格は全く正反対だ。そんな2人の運命がある夏、天草恵梨（奥菜恵）というミステリアスな女の出現で変わった。
春次が恵梨に会ったのは、早暁の浜辺だった。恵梨は服を着たまま海に浸かっていた。ノースリーブのピンクドレスを躰にまとわりつかせ、ずぶ濡れの恵梨が浜辺に上がってきた時、春次はその姿に目を奪われた…。
再び恵梨に出会ったのは、春次の父・俊輔（津川雅彦）の新作出版記念パーティー会場だった。夏久と共に参加していた春次は、列席していたフランス人と流暢にフランス語で話している恵梨の姿を見つけて驚いた。そして笑顔を残してそこから去ってしまった彼女に、春次はどうしてももう一度会いたいと思った。次の日から春次は夏久とその仲間たちと行動を共にした。普段、自分では行かないところにも行動範囲を広げれば、恵梨にどこかで会えるかも知れない。そう思ったからだった。
そんなある日、三度目の偶然が訪れた。海岸で会った恵梨は、大胆に春次と腕を組み、そして一緒に海へ飛び込む。春次は必死で浮かび上がり、抱き合ったままの恵梨はじっと彼を見つめ、そしていきなり口づけしてきた。もう春次は彼女に夢中になっていた。大学も、司法試験も、ボランティア活動もどうでもよくなっていた。
ある夜、春次は馴染みの店に恵梨を誘って連れて行った。そこにはちょうど夏久も来ていて、恵梨を紹介する。しかし、その時に妙な胸騒ぎを感じた夏久は、恵梨の事を調べてみた。その結果に夏久は愕然とした。探し当てた恵梨の家はスペイン外交官の別宅で、どうやら恵梨は外交官の愛人らしいのだ。一方、春次はますます恵梨にのめり込んでいく…。

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