鎌田敏夫のオリジナル脚本。あらゆる年齢・職業の男女が集い、通過していく“駅の待合室”を舞台にした大人の恋愛物語。今まさに愛の終止符を打とうとしている団塊世代のカップルに田村正和・大原麗子、愛の旅路に出発しようとしているヤングカップルに柳葉敏郎・渡辺典子、そして愛の終局を象徴するようなさびしげな女に島倉千代子と個性豊かな顔ぶれがそろった。
【ストーリー】
山添保之（田村正和）と佐々木水絵（大原麗子）は、付き合いはじめて9年になる。その間2度の別れを経験しているが、3年前、保之が新潟に転勤。思うように逢えなくなったことが、一層二人を別れられなくした。今度こそ二人の関係にケリをつけようと、水絵は保之と最後の旅に出た。
雨の日、駅まで来た二人はさりげなく別れようとお互いに約束していた。そこに、若い男女（柳葉敏郎・渡辺典子）が飛び込んでくる。視線がからみ合い、体が触れ合うたびに、嬉しくて仕方がない男女の様子を見て、保之と水絵は“自分たちにもあんな時期があったのだ”と思った。そして、売店の近くには電話をかけまくっている寂しそうな中年女性・藤井佐和（島倉千代子）がいた。

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