2017年10月期連続ドラマ

足と靴と健康に関するエトセトラ

外国の靴サイズを知ろう! その2

前回に続きまして、靴のサイズについてのお話です。外国サイズでも特に難解なのが、イギリスとアメリカです。その原因の一つが長さの単位です。イギリスとアメリカは「インチ」という単位を使っていますが、その他のヨーロッパの国はほとんどがセンチメートルを使っています。ということで、まずはフレンチサイズ、今はユーロ(EUR)サイズと言った方がわかりやすいのでこちらを使って説明します。長さの単位とは別に靴には靴の「1サイズ」というものがあります。日本の靴サイズでは0.5㎝(5㎜)が1サイズです。ユーロサイズでは2/3㎝(約6.7㎜)が1サイズになります。
例えば、フランスのパンプスでサイズが「36」と表示されていたら36に2/3㎝を掛けます。そうすると24㎝になりますね。外国のサイズは「靴型サイズ」なのでこの24㎝とは靴そのものの長さになります。前回お話した「捨て寸」というつま先の余裕は婦人靴であればだいたい1㎝は必要です。つまり、24㎝から1㎝のつま先余裕を引いた23㎝という長さが、この靴を履ける足になります。ユーロサイズ36のパンプスは23㎝の足長の女性が履くことができるということです。
表にあるサイズ36の右横を見ると24㎝と記載されていますので確認してみてください。

この表はUK(英国)、US(米国)、EUR(仏国)のサイズ対応と、その実際の長さ(インチ、センチ)の目安がわかるようになっています(表はアメリカのスターリング社資料より)。
ここでもう一つ言いたいことは、日本は靴の1サイズが0.5㎝刻みですが、ユーロサイズは0.67㎝が1サイズになります。それに加えて日本のサイズは「足入れサイズ」を採用していますが、ヨーロッパは「靴型サイズ」です。それぞれ全く違うサイズシステムなので、これを換算する表を作ること自体かなり無理があることは容易に想像できますね。そのため前回にお話したように換算表はいくつもあるのに対応するサイズがバラバラということが起こってしまうのです。今回ご紹介した換算表は、ある程度の目安にはなりますのでご活用いただければ幸いです。
次回はもっとも複雑怪奇な、イギリスサイズとアメリカサイズをお話させて頂きますが、そのイントロダクションとして両国の長さの単位について最後にちょっとだけお話します。イギリスとアメリカで使用されている長さの単位は「インチ」というのはご存知かと思います。1インチは2.54㎝です。そして靴の1サイズは1/3インチ(約0.85㎝)ハーフサイズはその半分ですから1/6インチ(約0.43㎝)になります。ちなみに写真のパンプス(36 1/2表示)のようにEURサイズにもハーフサイズはあります。

サイズシステムは「靴型サイズ」です。これを踏まえて次回はお話ししたいと思いますのでちょっと覚えておいてください。

著者プロフィール

木村克敏(きむら かつとし)
1965年生まれ、東京出身。
東洋大学経済学部卒業後「株式会社かねまつ」入社、ショップ店長、オーダーサロンマネージャー、銀座本店副支配人を務める。その後「コールハーンジャパン」へ転職、ストアマネージャーを経てスーパーバイザー、ショップトレーナーとなる。
6年前より「一般社団法人足と靴と健康協議会(FHA)」の事務局長を務める。現在はシューフィッターの養成講座の運営の傍ら、一般消費者への啓蒙活動の一環として講演活動等も行っている。
上級シューフィッター(バチェラーオブシューフィッティング)の有資格者。

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