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2009年1月24日(土)よる7時スタート(初回2時間スペシャル)

インタビュー

Vol.12 石黒賢 (徳永克己 役)

ドラマ『RESCUE』を振り返っての感想を教えてください。

大仰な言い方かもしれませんが、不安な空気に包まれがちな今の世の中で、その不安を少しでも和らげる効果があったドラマじゃないかと思います。
また僕も出演者の一人として、そういうドラマにしたいとずっと思って演じてきました。
何か有事が起きた際は、無条件で自分たちを助けに来てくれるSRという男たちが存在しているんだよということを、改めて皆さんに知っていただけた。
今、自分は孤独で一人ぼっちだと感じている人が居るとしたら、「それは違うんだよ」と。
世の中の見えないところで、SR の人たちをはじめとするさまざまな人が自分たちの生活を守ってくれているんだということに、自分自身も気付かされました。
人は誰かに支えられて生きているし、自分も誰かを支えて生きている、けっして一人ぼっちじゃない―― そんな忘れていた当たり前のことを真正面から伝えたドラマだったと思います。

演じている徳永克己の人物像を教えてください。

親友・宮崎の死に対する後悔や悲しみが、心に深く刻みこまれていて、どうやっても癒えることはないつらさを抱えながら、仕事をしてきた男だと思います。
しかも大地に出会い、がむしゃらに突っ走る彼の姿を見て、『宮崎の二の舞になるんじゃないか』という不安も生まれた。
でも反面、大地の人命救助に対するひたむきさ―― その純粋な想いに、宮崎の意志を引き継ぐ人間が現れたとうれしくも思ったんじゃないかな。
大地と出会ったことによって、徳永の SR 人生も大きく変化したと思いますよ。
また、五十嵐の殉職も徳永にとって重い十字架となりましたね。
僕も第8話の撮影前には、かなり考えました。僕自身だったら、もう立ち直れないぐらい自分を責めて後悔して、何もできなくなってしまうだろうなとか……。
どうしようもなかったとはいえ、まだ生きている仲間を見捨てる決断をしたわけですから。
五十嵐を残して退避命令を出すあのシーンに関しては、今でも徳永の演技はあれで正解だったのかどうか、正直言ってわかりません。
それぐらい難しくて、つらいシーンでした。
ただ徳永は隊長という立場なので、落ち込んでいるだけじゃダメで、隊長の職務も全うしなくてはならない。『その切り替え点はどこなんだろう』と思いながら、脚本を読み込んでいて、芹沢から「五十嵐の死から逃げるな」と言われるところで、『ここだ!』と。
この言葉が、徳永に再び立ち上がることを決意させたんだな、と思いました。

初主演を務めた中丸雄一くんについて教えてください。

今回中丸くんをはじめ、増田くん、山本くんなど、勢いのある若手俳優たちと仕事ができたことは、本当に楽しかったですね。
ベテランSRを演じる俳優陣と、彼ら若手俳優が出会うことで、何か化学反応が起こることを期待していましたし、僕自身も変化を起こしたいと思っていたんですよ。
見事にその期待に若手俳優陣が応えてくれたと思います。
中丸くんに関しては、ここ (と、胸をたたく) で芝居をする役者だなと感じました。だから彼のなかで大地の気持ちが咀嚼しきれていないシーンだと、芝居がやりづらそうに見受けられたときもありました。
でも中丸くんは、どんなときでもとことん大地を理解してから演技をしようとしていた。
そのひたむきさや真面目さに、とても好感を持ちました。
だから彼は、全9話を通してぐっと成長しましたよね。
それはもちろん、視聴者の皆さんもお判りになっていると思います。
主役がそういう態度で芝居に臨んでいると、我々共演者やスタッフにも良い影響を与えますし、作品の質が上がっていくんですよね。
とてもよく頑張りましたし、将来が楽しみです。

視聴者へのメッセージをお願いします。

そうですね、もう 「ありがとうございました」 しか言えないです (笑)。
『RESCUE』 は、大人でも子供でも、女性でも男性でも、どんな立場の方が見てもとても判りやすく、心にストレートに刺さるドラマだったと思います。
だからもう今更、解説は必要ないかな (笑)。
災害シーンなど、肉体的に過酷な撮影も多かったですが、皆さんからたくさん寄せられた感想が、僕たち出演者の励ましになりました。
全9話、応援してくださって本当にありがとうございました。

(photo)