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2009年1月24日(土)よる7時スタート(初回2時間スペシャル)

インタビュー

Vol.09 要潤 (葛城康介 役)

『RESCUE〜特別高度救助隊』の感想を教えてください。

僕を含め出演者全員が、危険な撮影をスタント無しで演じていますので、真実味溢れる迫力のある映像に仕上がっていて、すばらしいドラマだと思いました。
30m のビルからロープで降下したり、空気ボンベを背負って災害現場を走ったりするシーンもすべて僕たちが演じているので、本物の SR の方に 「役者さんがやるんですか !?」 と、驚かれたぐらいなんですよ。SR の方より、空気ボンベを担いでいる時間が長いと言われています (笑)。
よくこういうドラマでは、危険なシーンはスタントの方にお願いして、出演者は顔の表情だけで芝居をすることが多いのですが、全部のシーンを自分たちが演じることで、表情のリアルさはもちろん、現場の緊張感や真剣さが画面を通して伝わっていると思います。
また僕自身も、葛城康介という男が選んだ職業の大変さを深く理解することができました。もちろん本当の SR の方々のご苦労とは比べものになりませんが、僕なりに厳しさを実感できていますね。

演じている葛城康介の人物像を教えてください。

どんな仕事に就いていても 『失敗』 はあると思いますが、SR という仕事においては、『失敗=誰かの不幸』 ということになってしまう―― 葛城はその事実を、誰よりも重く受け止めてしまっているんじゃないかと思います。
彼の強い責任感ゆえでしょうけど、かつての後輩 (杉浦太陽さん演じる田口淳) の事故を、真正面から受け止めて自分をひたすら責め続けて、自分で自分の心に深い傷を刻んでしまっているんですね。
第6話の脚本を読んだとき、そんな葛城がかわいそうでしたし、不器用で純粋な男なんだなと思いました。
毎日、心の底で自分を責めながら人命救助を続けていた彼は、本当に苦しくてつらかったんでしょう。だから大地たちに対しても、あんな態度しか取れなかったんでしょうね。
今回ようやく田口に許されて―― というか 『許されていない』 と葛城が勝手に思い込んでいたんでしょうが―― ようやく解放されたんじゃないかな。
ただ SR である以上、目の前で人が怪我をしたり、亡くなってしまうことはあり得るわけで、葛城だけじゃなく、部下 (山本耕史さん演じる宮崎志郎) を亡くした徳永隊長 (石黒賢さん) はじめ SR 隊員全員、何かしら心の傷があると思うんです。
それを乗り越えていく強さも SR に必要な能力なんですよね。
だから葛城はこの職業に就くには、少し純粋過ぎるのかなぁと思っています。
周囲から冷酷と思われるほど完璧主義を貫いていたのも、二度と失敗をしたくないという気持ちから―― でもそれは保身ではなくて、『仲間を失うような苦しみを、他の人に味あわせたくない』 という、ある種の思いやりだったと思います。
彼が今後、どのようにトラウマと向き合って乗り越えていくのか、僕自身も興味がありますね。

共演者とのエピソードを教えてください。

とにかく撮影が精神的にも肉体的にもキツイので、自然とお互い助け合って撮影に臨むようになってきました (笑)。  装備が全体で20kgもあるので、交代で空気ボンベを支えあったりとか、装備を着けながら楽な座り方をみんなで研究したりとか、お互いの体力を消耗しないチームワークが自然と上達しています (笑)。  『自分だけが芝居できればいい』 という気持ちじゃなくて、共演者全員でサポートしあって、撮影を最後まで無事に終えられるよう自然と気遣っているんですよ。
それは俳優同士だからというより、本物の SR 隊員のあり方に似ているかもしれません。
お互いを思いやって動くというのは、我々俳優部に限らず、スタッフの皆さんもそうなんじゃないかな。真のチームワークとはどういうことか… 相手を思いやるとは何か… を、気付かされる現場ですね。

視聴者へのメッセージをお願いします。

僕はこのドラマに出演したことで、「人の命を助けられるのは、人しかいない」 という当たり前のことを、改めて実感しました。
根本的に人間同士が持っている “愛情” によって、「人は人を助けずには、いられない」 ということを、訴えかけているドラマだと思います。
視聴者の皆さんもこのドラマを見ることで、今社会が忘れかけている “他人を思いやる心” を思い出してもらいたいし、自分も誰かに支えられて生きているということを忘れないでほしいです。
自分が毎日朝起きてご飯を食べて、仕事や学校に行って夜眠れるのも、誰かがどこかでこの世界を守っているからだと、一人でも多くの方が気付いてくださればと思います。

(photo)